TITLE:品質って何??

「品質」って何だろうと思った事はありませんか?
日本の企業が「品質」を語るとき、それは「壊れないこと」と「外観形状に異常がない」という意味だけでであることが多いような気がする。
でも「壊れないこと」だけで魅力的な商品だと言えるのだろうかと思うことがある。勿論、商品なのでちゃんと機能しなくてはいけないし、壊れにくいことは十分魅力的だし、大切な事であることは言うまでもないが、それだけで商品として購入したい程の魅力なのかという事です。
「品質」にもいろいろな視点があり、その視点は人それぞれに違うのではないかと、常々ぼんやりと思ってました。
また、「壊れない」という事だけで「ものづくり」をするという姿勢についても疑問を持っていました。
・・・ちょっと、過激かな??
この「品質」という考え方の多様性について、たまたま、先日日記に書いた「ドムス」のイタリアの大御所の対談の中で、エンツォ・マリが面白いことを言っていました。
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いや私にとって大切な唯一のものはクオリティだよ。それに私は享楽的なクオリティのことを行っているわけではないよ。さて、我々は二つの種類のクオリティを区別しなければならない。生産する人たちのクオリティ(グラフだと右側)と、ものを購入する人たちのクオリティ(グラフ左)だ。
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つまり、「品質」というのは「生産者」側だけを指す言葉ではなく、購入する側にも「品質」というものがあるのではないかという考え方、、、面白いとは思いませんか?
消費が成熟化するにつれて、消費の中身も益々多様化しつつあります。昔のような「巨大な中産階級マーケット」に向かって大量に生産された商品を販売する事が出来る時代ではなくなってきています。
このマーケットを単に「セグメント」という概念だけで捕らえるても、なかなか理解しがたい事は、マーケッティングに携わっている人間なら誰もが感じている事です。
エンツォ・マリは、これを購入する側の「品質」の問題と捕らえているというのは、私にとってちょっと「目から鱗状態」でした。
もう一つ、エンツォ・マリが生産者としての最高の「品質」は「ブルネレスキやミケランジェロのレベル」、つまりアートこそ最高の「品質」だと話していることだ。この場合、日本企業が一般的に言う処の「壊れないのが品質」だという発想は微塵もない。

投稿者 nabe : 2007年01月08日 20:48