TITLE:メゾン・ド・オブジェ(7)

 メゾン・ド・オブジェも7回目となりました。今回で最後です。
 継続して読んでくれた皆さんに感謝します。
 今回は、パリの市内を散策しながら、ちょっと興味を持ったものを中心に書きます。勿論ですが、これからのインテリアやデザインを語るときに、ちょっとだけ参考になると私が思ったものばかりです。
 パリは美しい街で、それは単に表通りや、壮大な歴史的建造物が美しいだけでなく、ちょっと入り込んだ路地がはっとするほど美しい通だったり、曲がりくねった道が突然に開けて美しい景色が目の前に現れるという驚きがある街です。

  サントノーレの近くの「Dior」の横の路地です。両側にはお店が並び、お洒落なレストランもあります。このレストランで食べた「チキン・ソテー」は美味しかった。

       サントノーレと言えば、言わずと知れた「ヘルメス本店」があります。入ると殆どのお客が日本人かアジア人で、ちょっと驚きます。
 右の写真はエルメス本店のウィンドウ・ディスプレー。カラフルなクッションは、中近東かアフリカの匂いのするビーズ細工で埋め尽くされています。
 美しい!!

 左の写真は世界的に有名なセレクト・ショップ、マレ地区の「レクレルール」の外観と、下の写真はそのショップのウィンドウに飾ってあったバッグです。カラフルな色使いと、このバッグもアフリカの匂いがしませんか?

   余談ですが、あまりにも有名な「レクレルール」ですが、一部の服好きは除いて、意外と一般には知られていません。日本でもセレクト・ショップが全盛ですが、この「レクレルール」は日本のショップ・オーナーもそのセレクションは必ず参考にすると言われています。昨年には南青山にも東京店が出来たので、服に興味がある人だけでなく、インテリアに興味がある人も必ず見て欲しいショップです。
 ファションはかなり以前から、装飾性が高かったり、色使いが多様化してたり、また、最近では量産できないような、ハンド・メイド感のあるものも数多く登場してきています。いわゆる一世を風靡した「ミニマル」な服は殆ど見ることはなくなりました。          
                    

 最後の写真は、パリに行くと必ず訪れる「カルチェ財団の美術館」のエントランスに聳え立つ、カラフルなモザイクタイルで埋め尽くされた鉢植えです。ガラスの外壁からこれを見ると、また格別の美しさを感じます。この美術館はとても不思議な美術館で、アートという概念を大きく広げてくれます。それこそ、日本の「MANGA」とか、渋谷のストリート・ファションまでアートとして捉える鷹揚さがとても愉快です。
 訪れたときは、高圧線に引っかかった巨大な鷹が、羽根を動かして、高圧線触れる度に、弦を引くような音を発するだけの映画とか、地下では日本の電車、恐らく山手線をイメージしていると思うのですが、その中の光景が延々と続くアニメとか、、ともかく意表を突きます。
 インテリア・デザインも、ヨーロッパでは今回の「メゾン・ド・オブジェ」でも紹介したように、トレンドは明らかに「ウォーム・テースト」の真っ只中に入りつつあります。 インテリアだけでなく、建築そのものも安藤忠雄的な無機質でシンプルなものから、もう少し装飾性の多い建築デザインに変わりつつあると思います。
 振り返って、日本はどうかというと、まだまだ「ミニマル・デザイン」の真っ只中にあるようです。しかし、キッチンにシャンデリアを飾る人が多くなってきたりしているように、これから日本の住宅やインテリアも「ウォーム・テースト」に向かって大きく舵を切ると考えています。