TITLE:サローネ2007(3) YCAMI編

 今日はアルミ家具の名門YCAMI社から紹介します。ご存知とは思いますが、YCAMI社の製品は日本ではTOYO KITCHENが総代理店を務めています。

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 YCAMI社と、TOYO KITCHENとのつながりはもう17,18年近くになるでしょうか?本当に不思議な縁で始まりました。ある年に、サローネYCAMI社の家具を見て、一目で気に入ってしまいました。でも、当時はもう既に日本に扱っている業者があって、何度引き合いを出しても相手にして貰えなかったのです。でも諦めずに、イタリア国内でコネクションを探して、なんとか取引を開始したいとしつこく粘っていたのです。イタリアというのは面白い国で、個人のコネクションをとても大切にする国民性で、局面が打破できなくても、間に共通の友人、知人を立てることで、驚くほどスムーズに問題が解決する場合が多いのです。

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 この時、YCAMI社との間に立ってくれたのは、なんとBoffi社の海外マネジャーだったのは、今から思うと本当に不思議です。まだ、創業者のパウロ・ボッフィーが健在な時代の話です。その後、この海外マネジャーは新しく社長に赴任した現在のガバジ社長とそりが合わずBoffi社を離れることになるのですが、、この話はまた後日・・
 YCAMIとは、そんな経緯で取引が始まり、会長のジュセッペ・カイミと個人的な関係を築き、その後、日本での扱い業者はTOYO KITCHEN一社に限定してくれ、現在に至っているわけです。写真はYCAMIのブースでのジュセッペ会長と私です。以前にも書きましたが、ジュセッペ会長は有名なフェラリストで、現在も数台のフェラーリを所有してみえます。面白いのは彼の所有するフェラーリは全て「黒」だそうです。

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 今年のYCAMIの新製品のハイライトは、なんと言ってもORIGAMIと名づけられたアルミの造形的な椅子です。折り紙で折ったような形状と、橋梁を思わせるアルミの構造体で作り上げられた、一度見たら忘れられなくなるフォルムです。会社のエントランス・ホールに複数台置いたり、個人住宅の玄関や廊下にも置くだけで、そのままインテリアとして不思議な雰囲気をかもし出してくれます。勿論ですが、YCAMI社のイプシロンというダイニング・テーブルと合わせても面白いと思います。
 いずれにしても、美しい椅子です。

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 次に紹介するのはSKINです。アルミの表面をシャンパン・コールドに染め上げて、花柄の抽象柄をエッチングした美しい収納ユニットです。キッチン収納もキッチンの扉と同色のユニットを並べ立てるのではなく、こういった異素材の収納ユニットを組み合わせたほうがインテリアとして美しく、お洒落だと思いませんか?GRAND-BAY INOの収納として合わせてプレゼンテーションしていきたいと思ってます。クロームの扉と、シャンパンゴールドの扉の収納、美しいと思います。

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 写真はSKINの表面に施された模様のアップ。最近のインテリアのトレンドでもある具象モチーフが新しさを感じます。

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 丸いラウンジ・チェアーも発表されていました。座面が広くてとても座りやすい。形状も優しくてアイランド・キッチンの側に置いてソファー代わりに使っても面白いかと思います。秋の新製品のプレゼンテーションに使いたいと思ってますが、どうなるか、、、でもキッチンに栄えると思いませんか?

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 昨年発売されたカルロ・コロンボのソファーの新色です。造形的で、今までにないフォルムで、不思議なソファーです。組み合わせて使うとかなりの存在感があります。新色は少し光沢感があるベロアのような素材です。

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 YCAMI社ですが、実は一昨年からジュセッペ会長の一人娘のアデーレが社長に就任しました。スラリとした容姿のとても素敵な女性です。一児の母というのも、ちょっとカッコイイてすね。


 YCAMI社はアルミの家具ということで、イタリアでインテリアにもミニマルの波が押し寄せてくるちょっと前、ミニマルのトレンドが、トレンドとしての予感はあったにしろ、まだまだトレンドとして定着していない20年ほど前に生産を始めました。アルミとかガラスとか、暫くしてダークウッドである「ベンゲ」がインテリアの素材としてイタリアでトレンドになってくる中で、YCAMI社も企業規模を大きく拡大をしてきました。いわゆるミニマルのトレンドと伴に育ってきた会社なのですが、しかし、最近はDECOの流れを積極的に取り入れ始めています。アルミの表面も、従来のアルミの生地の色ではなく、シャンパンゴールドに染め上げたり、表面の模様も具象柄を取り入れ始めてきています。
 余談ですが、この当時「これからはアルミがインテリアの素材としてもっと多く使われてきますよ」と、インテリア関係者に話すと、殆どが半信半疑、また設計事務所の先生には「冷たい金属がインテリア空間に入るべきではない」と訳も分からず叱られたことがあります。別に怒らなくてもいいのに、と、当時は思ったけど、今から考えると懐かしい思い出です。