TITLE:サローネ2007(10) おしまい 編

 今回で2007年度のサローネのレポートを終了します。
 お付き合い下さった皆さんには感謝します。

 今回のサローネのトレンドは「ミニマルの終焉」と「DECOの時代の始まり」です。この傾向に私が気がついたのは5年ほど前で、4年前に私が南青山で行った講演の中で、DECOの時代の到来を予言していたのですが、当時は説得できる材料も乏しく、聞いてる方も半信半疑だったと思います。

 ここにきて、説得できる材料は、今回のレポートでも取り上げたように、山ほどあるので、半信半疑の方も少しは肌で感じて貰えたと思います。ミニマル時代が到達する直前の経験から言うと、日本が本格的なDECOの時代の入り口を迎えるのは2,3年後だと思います。従って、今から企画されいる住宅や公共建築物のインテリアに関しては、ミニマルが基調であっても、少しだけDECOの要素を取り入れられることをお奨めします。

 誤解がないように言いますか゛、ここで話していることは「トレンド」の話で、個人の好き嫌いの話をしている訳ではありません。従って今後日本のインテリアが全てDECOの要素を取り入れていくという訳ではないと思います。DECOが好きな人も、嫌いな人もいると思います。しかし、ここでもう一度考えて欲しいのは、個人の趣向といえども絶対的なものではなく、やはりその時代、時代のトレンドに影響されてきます。ミニマルの時代がまさにそうでした。20年前に「ミニマルの時代が来て、アルミやガラスを多用したインテリアが一般的になりますよ」と、話したら殆どの人が信じてはくれませんでしたし、そんな「冷たい」インテリアには住む気がしないとまで言われたことがあります。
 DECOの時代はもうすぐそこまで来ています。
 さて、貴方はDECOの時代に向けて、どんな住宅、インテリアを企画・設計しますか?私の話を信じる、信じないは別にして、一度考えても面白いと思いませんか?
 えっ、、キッチンはどうするかって? それは簡単ですTOYO KITCHENを採用すればそれでOKです(笑)
 
 最後に、私の好きなTomDixonの作品を(順不動ですが)眺めて貰って、サローネの雰囲気を再度味わって戴ければ幸いです。

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 明日からまた海外出張なので、とりあえずその前にということで、サローネ・レポートを終了しました。もともと、自分のメモとして残しているものを公開してしまったので、良かったのか?悪かったのか?だって、ここまで書いてしまうと、今後の当社の方向性を公開しているようなものですから、、 でも、まあいいかっていう感じです。
 掲載の順番は、気が付いてみえるとは思いますが、このトレンドがイタリアでは広く受け入れられている部分から始まって、将来的な可能性を示唆するものが最後の方の掲載です。最後のBISAZZAなんかは、恐らく大半の人が単なるプレゼンテーションの為のプレゼンテーションだけだと思うでしょうね。
 DECOの流れは、これからいろいろな方向性や可能性があります。ファションのように百花繚乱になってくるのか、それとも一つの方向に収斂されていくのか?この答えは、少し時代が過ぎるのを待つ必要があると思います。
 いずれにしてもトレンドの端境期はデザインを考える立場の人間としては、本当に面白い時代だと思います。

投稿者 nabe : 2007年05月07日 18:16