TITLE:「ORIGAMI」発表会と「Not Found」

 20日から六本木の「Meuble」(ムープル)で YCAMIの新作家具「ORIGAMI」の発表会を始めたので、一昨日顔を出してきました。橋梁のトラス構造を使った、まったく新しいタイプの椅子で、フォルムも印象的のですが、その軽さには驚かされます。発表会ではその軽さを実感して戴ける仕掛けもあるので、ぜひ体験して貰えると嬉しいです。

 空間に置くだけで、そのままインテリアとして完成させてくれると思わせるような、フォルムから来る強烈なインプレッションをぜひ感じてください。

 また、住宅、店舗や企業のエントランス等、空間を埋めるオブジェとして使うと面白いと思います。また、材質は全てリサイクルが出来るアルミで作られているので、エントランス廻りに置くことで、その企業のエコロジーに対しての取り組みを印象付けるという効果もあるかな、、、。

 ともかく面白い椅子なので、ぜひ一度見てください。

 ムーブルを後にして六本木ヒルズの「AGITO」が改装されて「BALS」になったそうで、名前も「BALS by AGITO」の変わったとか、、どんな風に変わったんだろうと興味津々で視察に行ってきました。ツーフロアーだったのが縮小されてワンフロアーになってましたし、家具の展示が大幅に減り、小物中心のショップに変わっていました。個人的な印象では「AGITO」は的が絞られてないような中途半端さを感じていましたので、「BALS by AGITO」の方が理解できる内容でした。でもせっかく「AGITO」の名前を踏襲するのだから、もう少し尖った部分も要素として欲しいような、、そんな感想でした。

 六本木ヒルズから麻布十番方面に歩いていくと、噂の会員制服屋さん、その名も「Not Found」というシークレット・ショップがあります。噂では聞いていたのですが、今回たまたま紹介を受けたので、早速見に行ったわけです。ビルの二階にあり、場所も秘密だという事なので、ここでは敢えて書きません。
 入り口はロックされていて、チャイムを鳴らして名前を告げると、少し間をおいて扉が開きました。服を買いに行くというより、なんか秘密の場所に行くような感じで、なかなか宜しい。

 並んでいるのは「Master Mind」と「Roar」というドメステックのストリート系なのに高価だという不思議な服が処狭しと並んでました。内装は全て鏡張りで、不思議な空気感です。
 ショップ・デザインは片山 正通。
 販売している「Master Mind」というブランドは不思議な服で、そんなところに、そんなマーケットがあったんだという意外性が、私の場合はかなり強く感じました。ドメスティックでストリートというだけで、若者向けという事になるので、価格的には普通は廉価なラインを狙うのが普通なのですが、この「Master Mind」という服はかなり高価です。デニムで10万円強、T−シャツで3万から5万円程度、スーツになると30万円から40万円、、輸入物としっかり張り合う価格帯です。驚くのは、これがとんでもなく売れるという事です。秋冬のシーズンの新作が店頭に並び始めてまだ1ヶ月強しか経ってないのに、殆どの「Master Mind」扱い店は殆ど完売状態です。
 恐らくは「クロムハーツ」と同じようなマーケットを狙ったんだと思うのですが、それは輸入物だから出来るというのが一般的な常識で、国産で、日本人デザイナーでこのマーケットを狙って、それも成功したという事は凄いことだと思ってます。
 話を戻して、この「Not Found」ですが、その超品薄状態の「Master Mind」が処狭しと並んでいるのには腰を抜かしました。
 こういう「Master Mind」のようなブランドの成功例とか、「Not Found」のような特定の客層に絞った店が登場してくるというのは、日本のマーケットも根本的な処で大きな地殻変動のようなものが起きてるに違いないというのを、ひしひしと感じさせてくれました。