TITLE:キャロル・クリスチャン・ポエルのブーツ

 以前から欲しかったキャロル・クリスチャン・ポエルのブーツを手に入れた。
 キャロル・クリスチャン・ポエルって、、不思議なというか、アートに近いような服を作り上げる,デザイナーであり,職人。ハラコのパッチを縫い合わせたブルゾンを見た事があるが、パッチの合わせ目を透明な樹脂で、その樹脂が光を透過させて、ブルゾンを着て光を後ろから当てると、微妙な光がブルゾンから垣間見えてきて、不思議な雰囲気を醸し出すとか。ホース・レザーのパンツで、固いホース・レザーなのというせいもあるけど、履かない状態でそのまま立体で立っているパンツとか。でも着てみるとこれが凄い奇麗なフォルム。リバーシブルのパンツとか、本当にボタンも含めて全てリバーシブルになるという緻密な縫製。ボタンがないのに、ボタンで留めるシャツとか、、ともかく、縫製の魔術師と言っても過言ではないと思う。
 最近ではショーは一切やらないらしいけど、以前映像で見た彼のショーは市内の川に寝転がって浮かび流れてくるモデルを、橋の上から見るというもの。服は全て濡れた状態なので、画像を見てもどんな服なのかよく分からないけど、ともかくなんか凄そう、、そんな感じですね。
 彼のブーツを昔から欲しいと思ってたのだけど、なんせ制作数が少ないので、マニアがすぐに押さえてしまって、サイズもあり、なかなか購入出来なかった。
 今回購入したモデルは、キャロルのブーツとしては、一番定番のデザインなのだけど、なんと世界で44足しか作らない。私が購入したのは、その22番目のブーツ。

 皮はホースレザーで、ソールはカーフらしい。
 全体から見るフォルムは、職人が一足、一足丁寧に作られたもので、量産されているブーツとはまるで雰囲気が違う。

 ブーツの先端は少し細身で、そり上がっている。これは、カルペディームのような手作りブーツの特徴だが、最近このそり上がりを真似した量産ブーツも出始めているが、実物を見ると完全に別物だ。

 丁重に削り出されたヒール部分。
 ヒールだけでも美しい。職人がヤスリで削り上げるらしい。
 このブーツ、なんと洗えると説明書に書いてある。もともと、洗ってあるものらしく、汚れたら洗ってくれと書いてある。

 ブーツの裏側。釘が一本ずつ打ち込んであるのがよく分かる。
 ファションも、単にデザインだけではなく、こういった職人の匂いのする靴や、服という世界もある。男の服や,ブーツは女性ものと違って、一つ一つが大きくデザインが変わる訳でないので、どうしてもこういったティテールに拘る部分が出てくる。
 でも、また、それが面白い。