TITLE:ファションはもはやアートかもしれない(1)

 シンプル&モダンと呼ばれる「ミニマリズム」がファションの世界から消え去って、暫くになる。
 インテリアも遅ればせながら次第にデコラティブな世界に入りつつある今、ファションはデコの百花繚乱から、いよいよアートの世界に足を踏み入れ始めたのかもしれない。
 パリの最終日、例によってサントノーレのウィンドウを眺めながら、パリの最新ファションがどんなことになっているのか、チェックをした。
 これは、私が単にファション好きというからという理由ではなく、インテリアのトレンドの兆しは必ずファションから始まり、ファションをチェックする事で、これからのインテリアのトレンドが垣間見える事があるという、まあ、そんな意味からバリやミラノでは必ず最新ファションをチェックする。
 2008年の春夏は、えらいことになっていた。
 ファションと言うより、着るアートと考えた方がいい服が、かなり出始めた。

 写真はミュウミュウのブーツ。
 なんと三次元の立体の「とんぼ」がブーツに付いている。ブーツも微妙に穴が空いていて、色もかなりカラフル、、、ちょっと 絶句
 「どうやって履くのだろう?」って考える人は履かない、「エイャッって履いてしまえ」と考える人が履くのだろう、、そんな結論に達した。

 同じく、ミュウミュウのアート感覚のブーツ。
 これは、どうもらしい。
 このブーツが似合う服って、いろいろ想像を巡らしてもイメージが出来ない。
 きっと、私が考える「服の着方」という概念から飛び越えたところにイメージがあるのだろうと思った。例えば、ブーツを服に合わせようという着方ではなく、靴だけ突出して目立たせてしまえ、、そんな着方かもしれない。
 でも、ミュウミュウだから、トップスもかなりカラフルなものを合わせるのかもしれないけど・・

 同じくミュウミュウのヒール。
 ヒールの部分がかなり装飾が入って、立体的。デコラティブな建築金物を一瞬イメージした。想像を絶するブーツを見た後には、なんかこのヒールならそんなに履くのに難しくないって、、思ってしまう。
 この状態のことを、TOYO KITCHEN STYLEの開発部では「目がくさった状態」と呼ばれている・・・ 
 つまり、見るものや置かれた環境によって既存の価値観がひっくり返るという現象を指す。
 おっと、、これは企業秘密

 ミュウミュウのウィンドウに飾ってあった靴で、一番おとなしい?靴。
 でも、実際はかなり過激な靴だと思う。去年の秋冬でもこんなデコラティブな靴の兆候はあったけど、2008年はここまで来てしまった。
 女性の靴は、靴というより、足を飾るアートという切り口で考えた方がいいのかもしれない。

 どうも、ファションは限りなくアートに近づきつつあるらしい