TITLE:アートとしての家具 CasaBrutusの場合

 ここ nabe forum でも、実用品としての家具ではなく、アートとしての家具について度々話をしてきました。日本の場合はどうも「座る」という機能を優先させるという切り口だけで椅子やソファーを評価してしまうという考え方が一般的で、空間デザインを優先させた家具というのは、どうしても脇に追いやられてしまっているのはとても残念です。

 4月号の「CasaBrutus」のアートの特集の中で、アートとしての家具も特集されていましたので紹介します。こういう切り口で家具を雑誌で取り上げられる事は日本では希有なので、CasaBrutusの新編集長の勇気に拍手を送りながら、この特集を取り上げてみます。
 余談ですが、CasaBrutusの前編集長は吉家さんというとても素敵な女性で、先頃無事に男の子を出産されたそうです。おめでとうございます

 この特集では家具だけでなく、建築やファションさえも、アートという切り口で語られていて、とても興味深いです。
 話を家具に戻して、この特集ではいろいろなアートとしての家具が取り上げられていますが、私なりに興味をそそられたものを取り上げてみます。

 アレッサンドロ・メンディーニのロッカー
 ロッカーの上にはゴールド・モザイクのガラス・タイルに覆われた巨大なブーツが鎮座している。価格は 60,000 ユーロだから、900万円強ということなので、かなり高価ではあります。誰もが購入出来る価格ではないので、市場には出回る事は無く、コレクターの間で売買されるだけだと思うので、まさに自分だけの家具で、玄関先の靴の収納ローカーとして置いてある様を想像するだけで、強烈なインパクトを感じる。
 近藤典子さんの200足の靴を効率的に収納出来るというロッカーより、こういった無駄で美しいロッカーの方が私としては食指が動いてしまうのです。住む空間が、あまりにも無駄がなく効率的で合理的というのは、なんか息が詰まってしまう私です。
 心のゆとりみたいなものは、「無駄」なものから生まれてくるような気がします。

 ステュディオ・ジョブの巨大なブラックホール付きの収納。穴が開いてりゃ、収納として使い物にならないということになるが、、、不思議なイメージだ
 記事よるとブロンズ製らしい。
 いかにもステュディオ・ジョブらしい一品。
 価格は、日本円に換算して3600万円というから、とても高価、、限定の生産台数が5台らしい。

 TOYO KITCHEN STYLE では、キッチンだけではなく、キッチンに付随、隣接する家具や照明をトータルで提案出来る企業を目指してきてました。特に、アイランド・キッチンの時代になって、空間にキッチンだけを単独で置いて、それでおしまい、、後はユーザーが自分で考えて下さい、、というだけの対応ではなく、キッチンを中心としたインテリア空間をトータルに提案していきたいと考えています。
 アートとしての家具という切り口も、一つのキッチン・インテリアを提案するキーワードだと考え、かねてから開発をしてきました。この、私としても思い入れが強い家具を来週ようやく発表することになりました。
 楽しみにして下さい
 
 3月28日より六本木 Muble で一般に公開されます。TOYO KITCHEN STYLE が考える、キッチンに隣接するアートとしての家具、ぜひお出かけ下さい。