エコなデザインと言っても、プロダクトそのものがエコという意味ではない。
デザインのイメージがエコであるプロダクトという意味で、このイメージがコンセプトだと思われる製品が今回のサローネでかなり見受けられた。
左の写真はシュレッダーからゴミとして排出された紙を固めたイメージのスツール。シュレッダーから偶然に出たゴミを固めても、こんなカラリングにはならないと思うので、使う紙の色はかなり計算されているものと思う。でも、イメージとして捨てられたものを再利用しているというデザインのイメージは感じられる。
酷使されて、ボコボコになってしまった金属の缶をイメージしてデザインされたランプシェード。本当に捨てられた缶を集めて、塗装して、製品にしている訳ではなく、これも捨てられた物を再利用しているというイメージのプロダクト。
こうやってエコのイメージのプロダクトを良く考えてみると、本質的には省資源でも何でもないので、エコのイメージをデザインとして取り上げた製品という事になり、これもやはりプロダクトの装飾、つまりデコの一つの方向性だと考えるとこが出来ると思います。
また、使用され、捨てられたイメージというのは、形状の偶然性というイメージに繋がり、同じものがないということになると、アートのような希少性というイメージに重なってくるのではないかと考えます。
上の写真は足の部分が水没して、塗装が剥げてしまったというイメージのテーブルと椅子。これも、やはり捨てられてしまったものの美しさをもう一度見直して再利用するというデザイン。エコ・デザインもこういった切り口もある。
ご存知 Piet Hein Eek (ピート・ヘイン・イーク)
今回のサローネでの市内ギャラリーで、彼の作品を一同に見たが、1990年の前半からこういったエコのイメージの製品を作り続けているのを始めて知った。カンパーナ兄弟がEdraから発売した廃材の椅子を見た時はかなりショックだったが、それより遥か前からこういった廃材のイメージの家具をデザインしてたとは、、凄いと思った。今なら私も理解出来るが、今から15年前に彼の作品見て評価出来たとか自問自答すると、まず無理だと思った。
同じくPiet Hein Eekの廃材のイメージの椅子。
前述の廃材のイメージのテーブルと組み合わせたイメージを想像して下さい。恐らくは殆どの人は評価しないし、高価であるという認識をする人も少ないと思う。
でも、今回のサローネでのエコのイメージのデザインをしたプロダクトがれだけ増えてきているを見ると、5年先にはひょっとして一般の認知も上がり、これが高価なものに見える時代が来るかもしれないし、もし来たら凄い事だと思った。
Piet Hein Eekのデザインはエッジである限り、単なる一つの方向性ほ示しているだけだけど、これが一般的に受け入れられるマーケットが誕生してくるとしたら、これは一種のデザインのパラダイム・シフトであり、革命になるのかもしれない、、そう思ったら、少し背筋が寒くなってきた。
さて、、次回は「弾けるスピーガ通り」です
ご期待下さい
追伸
Openers というWeb Magazine で BE@RBRICK で有名なメディコム・トイの社長と私が対談をしてます。その対談を通して、メディコム・トイとのコラボレーションが実現しました。
詳しくはここ → Openers
最近のコメント