TITLE:INO発表会 南青山ショールーム

 トーヨーキッチンのフラッグシップである「INO」が新たに「バビロン」と「ビブロス」のシリーズを加え、一新されたのでその発表会を全国の基幹ショールームで開催しました。わたしは、南青山のショールームの発表会に出席してきました。

  バビロン・シリーズは日本で始めてのサーボ・モーターで引き出しが自動開閉するシステムを使ったハンドルがないデザイン。ハンドルがない分、デザインがすっきりしてキッチンが一つの塊に見え、他の家具との相性が極めていい。
 展示でビブロス・キッチンと合わせてあるのは、従来ムーブルで展示してあるベネツィアで製作された伝統的な鏡の家具。精緻なクラシックな模様に、鏡そのものはエイジング加工が施されているのでアンティーク的なイメージの家具になっている。
 展示では、こういったインテリアとして合わせる事が難しいと思われる家具も、INOバビロンでは何の問題もなく溶け込んでいるということを実感して貰えれば嬉しいですね。

 壁面には同じくベネツィアで製作された鏡とサイドボード。仕上げはテーブルと同じくエイジング加工とクラシックな文様が施されている。余談ですが、サイドボードはムーブルで展示されていた製品だけど、鏡はムーブルで展示されていたものが売れてしまったので、急遽私物の鏡を展示した。私物だけど、未使用なので販売をする事になったけど、売れても嬉しいような、悲しいような複雑な気分かもしれない。

 INOの新シリーズ「ビブロス」ハンドルは従来のステンレスにクローム・メッキを施したフラットバー・ハンドルに黒クローム・メッキを施したもの。材質は同じくステンレスのSUS304。扉は同じくブラック・クローム調のラミネート板を使用しているので、巨大なフラットバー・ハンドルが扉に溶け込んでいるように錯覚する。このデザインも室内に共存す他の家具とのインテリアとしての整合性を高める為のもの。
 このキッチンのレイアウトはD-LANDと命名した新しいアイランドの形。キッチンとダイニング・テーブルが一体化したキッチンで、「食」を中心としたライフスタイルをイメージしているユーザー向けに開発したもの。

 収納家具で「DARK SIDE」という新しい試みをした。製作は長野県の安曇野の「デラ工房」、デザインはトーヨーキッチンの開発部とデラ工房のコラボレーション。実はこのデラ工房のご主人小野寺さんとは私の講演会に来て頂き、その時始めてお会いして少し話してカタログを頂いたのがきっかけ。忙しかったのでその時はカタログを見る時間はなかったけど、少し後にカタログを拝見して興味を持ち、安曇野の工房まで出かけて行って、製品と工場を拝見した。真面目な物作りの姿勢と、独学で学ばれたという技術力、そして人柄に魅力を感じて一緒に物作りをしたいと思って進めてきたプロジェクトだ。
 トーヨーキッチンとしても始めての試みで、何かと難しい局面も会ったけど、小野寺さんの全面的な協力を得て、こうやって世に出す事が出来た。出来上がった展示を見ると、なんか感無量だった。
 トーヨーキッチンのフラッグ・シップの全面リニューアルということで、事前からかなり評判を呼んで、おかげさまで南青山だけでなく、全国の発表会に沢山お客様に来て頂き、本当に嬉しい。経済情勢がこんな時期になってしまった時に、価格的には上位に位置するキッチンを発売するというのは、少し不安感もあったのは事実ですが、こうやって沢山のお客様に興味を持って頂き、少しホッとしています。
 実は、もうトーヨーキッチン・ウォッチャーは気がついて見えると思うのですが、ここ三年ぐらいをかけて、キッチンの製品ラインを全て変えてきました。今回のINOでとりあえず全ての製品ラインが一新しました。後はこの製品ラインに枝葉を付けて行くという作業が始まりますが、現時点でも、製品的にも、価格的にも、他のキッチン・メーカーに圧倒的な差を付ける事が出来たと自負しています。
 

 発表会が終わって、デラ工房の小野寺ご夫妻と南青山で私が行きつけのイタリアン「AWーキッチン」に繰り出した。名物の「農園バーニャカウダ」とパスタ。ワインはアメリカ産のピノとメルローを二本開けたら疲れも取れた・・ような気がした(笑)
 えっと、料理の写真を撮ろうとしてたけど、完全に忘れてしまったので、写真はダミーで落合シェフのパスタ。当日食べたのは、タマネギだけのパスタで、、タマネギの甘さとパスタが微妙に絡み合って、堪能しました。

 レストランでの小野寺御夫妻、、とても仲が良い御夫婦で、一緒にいて当てられっぱなしでした。奥様はとても優しそうなのだけど、若い頃はチベットを放浪したって聞いて、ちょっとびっくりした。優しさの中に、そういった強烈な冒険心や探究心があるんだと思った。そういった一面が安曇野でのデラ工房を支えてみえるのだなぁぁ。

 翌日はGDCの10周年記念イベントが渋谷のクラブを借り切って行われるので、その為に体力を温存しないといけないので、食事が終わってすぐに帰宅した。なんせこのGDCのクラブイベント、なんと始まるのが夜の10時からというのが、さすがというか、聞いただけで疲れそう。でも、とても楽しみです。