本間美紀さんといえば、日本を代表するキッチン・ライターとして有名なので、ご存知の方も多いと思います。
私も彼女が今は廃刊になってしまった日本のインテリア雑誌の草分け「室内」の編集にいた頃から良く知ってて、ちょうど彼女と知り合った頃に取材を受けて、近々結婚される事を聞たことも思い出しました。
あれから何年経つのか忘れたけど、その本間美紀さんの監修するキッチンの本が発刊になりました。
「THE REAL KITCHEN GUIDE」というのがその本で「エクスナレッジ」から発売になっています。
その本間さんから本についての感想を聞かせて欲しいという事だったので、どうせならブログに書いても良いかと聞いたら、ぜひという話しだったので今回書評という形で書かせて貰う事になりました。
本間さんとは話す機会も多く、当社のキッチンに付いてもかなり突っ込んだ所まで理解して頂いているようで、この本の表紙にもトーヨーキッチンがプロバスから輸入をしている「ポトフ」という、日本では殆ど見られないエイジング加工をしたキッチンを表紙に使って頂きました。
この「ポトフ」、本のプロローグの背景の写真にも使って戴いて、なんかとても嬉しいですね。
見た事もないものに付いては、何かと批判をする方も多いようですが、このエイジング加工というキッチンの新しい仕上げジャンルについても評価して頂いたようで、オープン・マインドの本間さんの柔軟な思考回路に乾杯といった感じです。
本の内容については、さすが本間さんらしく、日本のキッチン全体を俯瞰しながら、客観的な視点での構成については脱帽です。
さすがという感じですね。
全体的な印象はそうですが、個人的に面白いと思った記事も多々ありました。
その一つは
「不満から始めるキッチン選びは止めよう」というのがありました。
本の84ページの「「キッチンの相談」の冒頭「暮らしについて話そう」というサブタイトルがついた一文です。
これは私も常々思ってた事なのですが、日本のキッチンってメーカも顧客も、まず今のキッチンの不満をどう解消するのかという視点でしかキッチンを考えないという処があります。
キッチンデザインを「不満の解消」という視点でのみ考えるというのは、ある意味では「顧客ニーズ」を満たすという事になるとは思うのですが、これにあまりに捕われると、新しいキッチンの考え方、新しいキッチンを中心としたライフスタイルを語る事もなければ、語る必要も無い、、ということになってしまうのではないでしょうか?
「不満の解消」という後ろ向きのアプローチではなく、新しいキッチンを中心として「どんな生活」をしたいのかと考える事で、より前向きのキッチン・デザインやレイアウトをイメージすることが出来るのではないでしょうか?
この意味では本間さんの意見にまったく同感です。
いい事ばかりじゃなく、ちょっと苦言を一つ、、苦言というか、質問と言ってもいいかと思いますが、、
86ページに「キッチンのいろいろ」というタイトルのページで、日本で販売されているキッチンを次の5つに分類されています。
1)輸入キッチン
2)メーカーキッチン
3)カスタム・キッチン
4)オーダーキッチン
5)クチューエキッチン
で、、分類のキッチン・メーカーの名前が掲載されているのですが、、、
あれ、、 トーヨーキッチンかない。
本間さん、、トーヨーキッンチンがない(涙)
トーヨーキッチンはどこに分類されるのでしょう?
でも、キッチン業界に携わる人、これからキッチンの購入を考えている人、とても参考になると思います。
アマゾンでも販売されているのでぜひ。
リアルキッチンガイド2011 (エクスナレッジムック): 本間 美紀: 本
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