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アーティスト清川あさみさん スペシャルインタビュー by TOYO KITCHEN STYLE

2014年09月20日

TOYO KITCHEN STYLE News Release 2014


 


TOYO KITCHEN STYLEの大阪NORTH WING(ノースウイング)にオープンするオランダのインテリアブランド、moooi(モーイ)の日本初のショールーム。その店舗空間をディレクションするのは清川あさみさん。自身にとってもインテリアショールームのディレクションを手掛けるのは初めてのこと。


 

清川あさみさん(以下、清川)「今回のお仕事には本当に素敵な縁を感じているんです。もともと、TOYO KITCHEN STYLEも、moooiも大ファンで、好きなものが一気に私のもとに舞い込んできて、まずは心から、嬉しい!のひと言です。一方で、今までに感じたことのないほどの責任感も感じています(笑)。でも、あまり凝り固まってしまうと面白いことができないので、私自身、このプロジェクトを楽しもうと思っています。私が思い描く、TOYO KITCHEN STYLEとmoooiの世界観に、少しだけ自分のエッセンスを加えて表現できたら嬉しいです」


 

ー 清川さんが抱く、TOYO KITCHEN STYLEのイメージとは?


 

清川「アバンギャルドで日常生活に夢を与えてくれるような遊び心が満載。しかも1点1点のデザインのクオリティが本当に高い。まさに私が理想とするインテリアが揃っているんです。私は兼ねてから、“デザインで日常生活のすべてが変わる”という思いを持っていますが、それは、“住むをエンターテインメントにする”というTOYO KITCHEN STYLEの新しいコンセプトにとてもリンクするんです」


 

TOYO KITCHEN STYLEの80周年を機に掲げた、住む人の個性やドキドキ、エキサイティングな思いを反映させた“住むをエンターテインメントにする”という新しいコンセプトは、キラキラと夢に溢れた清川さんの世界観と見事にマッチし、全く新しいコラボレーションを展開しようとしている。
ー その第一弾になるのが、moooiの日本初ショールーム。現状に甘んじることなく、常に新しいことに挑戦しつづける。清川さんが打ち出す、新しい店舗のコンセプトとは?


 

清川「まずイメージしたのは“透明感”です。海外から見ると、日本らしさと言えば、白や無機質のイメージが強いように思うのですが、私のイメージする日本らしさは、四季折々の自然と、そこに流れる清らかな水。滝のように流れる水は、色がないのに圧倒的な存在感があり、そして美しい。そのイメージをカタチにしたのが、アクリルで作る巨大な透明の柱です。主役はあくまで家具。moooiの家具は毎回コンセプチュアルで1点1点がアートピースのように美しい。店舗全体を、moooiが生まれたオランダの歴史ある神殿に見立て、存在感のある柱を美しいクリアな素材にすることで、家具1点1点を引き立てるステージのような空間を出現させました。
私が思い描く、アバンギャルドで遊び心があふれた究極の大人のファンタジーです。近年、建築もデザインもますますボ―ダレスになり、互いにクロスしながら有機的に空間が表現できるようになってきていると思います。私は建築のプロではありませんが、日本人の自分だからこそできる“遊び”を表現したいと思っていいます」


 

ー さらに10月には、初のオリジナルレディースアパレルを中心としたショップ「La Couture TOYO KITCHEN STYLE(ラ・クチュール トーヨーキッチンスタイル)」がオープン。そのショップの内装ディレクションも清川さんが手掛ける。


 

清川「TOYO KITCHEN STYLEがオリジナルで洋服を展開すると聞いたときは、正直とても驚きました。キッチンじゃないじゃん!(笑)って。でも、家具もインテリも洋服も、その人を引き立てるための日常のアイテムという意味では同じ。暮らしそのものをクリエイトしているTOYO KITCHEN STYLEの理念は、ぶれることなく繋がっているのだと、とても嬉しく思いました。新しいコレクションもさっそく拝見しましたが、大人の女性がデイリー使いできるデザインで、シックな色合いに品がありながら、可愛くて、やはりちょっとした遊び心がちりばめられている。まさに私が思い描く理想の女性像にぴったりな洋服が揃っていました」


 

ー ディレクション第2弾となるLa Couture TOYO KITCHEN STYLEのショップのコンセプトとは?


 

清川「やはり、キーワードは“ファンタジー”。私が思い描くファンタジーは、自然や有機的なモノから着想を得ることが多いのですが、今回はそこに未来というキーワーをプラスして、“近未来の森”を表現しています。まだ構想段階ですが、壁一面を飾る植栽を透明のアクリルでデザインしたり、店内に透明の草原が出現したら楽しいかなって。そして今回は、オリジナルの家具の制作にも初めて挑戦しています。気高く、独立心のある女性をイメージしたオオカミのテーブル。最初に洋服を見た時に、気品に満ちたオオカミのイメージが閃いたんです。アクリルにレースのプリントを施したオオカミのテーブル。このアイテムを中心に、お店の世界観を構築しています」


 

ー 立て続けに大きなプロジェクトを展開中の清川さんですが、今回のようなコラボレーションの魅力を教えてください。


 

清川「人との出会いが何より一番楽しいですね。芯のある人と出会うと、自分の中のイメージがどんどん引き出され、カタチになっていくんです。表現されるべき答えは相手の中にあって、私はそれをデザインに落とし込む。その作業は、一人で作品と向き合うこととはまったく違う感覚です。新しい人と出会うと、見たこともない新しい世界が広がる。そうやって生まれた、可愛いもの、美しいもの、遊び心溢れるものが多くの人々の目に触れることで、そこからさらに、コミュニケーションも広がる。人って、心に余裕がないと生活に遊び心も生まれないし、豊かな生活がなければ、心に余裕も生まれない。特に女性は、キラキラしたもの、可愛いものと1つと出会うだけで、気持ちがグッと高まる生き物。たくさんの人が笑顔になってくれるような“ご褒美”を作り出すお手伝いが、少しでもできたら嬉しいです」

(文:西野入智紗)

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