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マルセル・ワンダース

デザイナー FOCUS

2018.11.2 Fri

この秋、注目のアイテムを発表するモーイ。
勢いの止まらないこのブランドを率いるマルセル・ワンダースとは
いったい何者か?あらためて聞いてみた。

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moooiを率いる、デザイナーで経営者のマルセル・ワンダース。

お堅いことで有名なアメリカの新聞「ニューヨークタイムズ」が、「デザイン界のレディ・ガガ」と紹介したほど、その個性と存在感は圧倒的である。もちろん、このフレーズには、時代の寵児といった意味もあるだろう。こう評されることをマルセルは、「誰にでも分かるように解説しているのだろう。ちょっとした名誉だね」と話す。そう、マルセル・ワンダースは、親しみを込めてファーストネームの「マルセル」で呼ばれるデザイナーである。この業界で「マルセル」と言ったら、誰もが知っているマルセル・ワンダースのことだ。

まず彼が注目される理由は、なんといってもそのルックスである。まるでモデルか映画スターのような外見だ。アメリカで、ファッションブランドGAPのモデルになったこともある。整った顔には、シミひとつない。身長196㎝の長身に、「週に3回はジムで体を鍛えている」スリムなボディ。食事にも気を遣い、「ベジタリアンではないが、できるだけ「ローフード(高温調理していない、野菜や生肉などを中心とした食事)をとるようにしている」とか。とても50代に見えない若々しさだ。「僕のデザインを買ってくれた人を、失望させたくないからね」と微笑む。

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こうした華やかな見た目と裏腹に、マルセルは勤勉で勉強家でもある。なんといっても、デザイナーの業務をこなしながら、ヨーロッパで最も評価の高いフランスの大学院、インシアードで経済を学び、40代でMBAを取得しているのだから。実はmoooiを立ち上げる際、マルセルは、ビジネスマンのキャスパー・フィッサスと共同で事業を始めた。家具のデザインに経済的な思考も重要で、「デザイナーで経済を知らないのは罪だ」と語るほどである。学んだ経済の知識は、moooiのビジネスにも随分と役立っているようだ。もっとも、「経済だけじゃないよ。家では心理学や美術本、詩集などもよく読んでいる」と話すように、マルセルの関心の領域は広い。

moooiの家具は、こうしたマルセル・ワンダースの哲学や生き方が表れたものだ。彼の外見のように一目でカッコイイと思えるものから、ユニークなものまで、どれもが独自の世界観を持っている。だから、熱心なファンも多い。それだけではない。照明が素晴らしいのだ。21世紀になって、最も重要な照明を世に送り出しているのは、このブランドではなかろうか。

マルセル自身がデザインするだけでなく、若いデザイナーを積極的に登用しているのも moooiの特徴である。無名の若手がマルセルと出会い、眠っていた才能を開花させるのだろうか。日本人で初めて起用された三宅有洋は「コッペリア」を、30歳を過ぎたばかりのリック・テグラーは、メッシュのシャンデリアを発表して大きな話題となった。

他にも事例は多い。「(実物サイズの馬やウサギの照明で知られる)FRONTだって、『ロリータ』のニカ・ズパンクだって、今でこそ有名だが、見つけて最初に世に出したのは僕らなんだ。特に女性デザイナーに多くのチャンスを与えていることを忘れないで欲しい」。女性を積極的に登用しているのは、デザイン業界では珍しい、今の時代らしい対応である。

こうした様々なエピソードから、マルセル・ワンダースが唯一無二の存在であることが分かると思う。レディ・ガガのようなスターに例えられるのも、納得の話だ。moooiの人気の秘密は、このマルセルにある。

(取材・文・写真 ジョー スズキ)


Profile

マルセル・ワンダース|Marcel Wanders
インテリアデザイナー。1996年にドローグデザインとして発表した「ノッテドチェア」で国際的に名を馳せる。
活動の分野は幅広く、moooiの他、FLOS、ALESSI、PUMA、KLMオランダ航空、MACコスメティック、カッペリーニ、B&B、Moroso、ターゲットなど世界中の企業でデザイナーとして活躍。
オランダ:ボンのカメハグランドホテル、マイアミのモンドリアンサウスビーチホテル、バーレーンのヴィラモーダストアなどの建築プロジェクトも手掛ける。自身のスタジオ運営に加え、moooiの共同創設者であり、アートディレクターも務める。
作品はNYのMoMA、アムステルダム市立美術館などに世界中の美術館に広く展示され、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館では重要なコレクションにも含まている。
数々の出版書はニューヨークタイムズやウォールペーパー誌などの世界中のメディアで広く紹介されている。

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