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日本人が知らない「世界のヤマシタ」- 山下 朝史氏 インタビュー

山下 朝史氏の講演&野菜テイスティング会 in 東京ショールーム

2020.1.28 Tue

「奇跡のカブ」でパリの3つ星シェフたちを虜にした日本人農家 ー "山下 朝史|やましたあさふみ" 氏。
東京への帰郷とともに行った来日講演では、"愛のない野菜"の話で幕開けし、会場をドッと沸かしてくれました。

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昨年の名古屋開催に続き、トーヨーキッチンスタイルでは2回目となった山下農園の野菜テイスティング会。
日本ではほとんどその名は知られていませんが、フランスではもっとも有名な日本人として、数多くのTV出演や講演などもこなす、スター農家です。
もともとはフランスで芸術を学び、大学ではボクシングで学生チャンピオンにまで登りつめ、盆栽のレンタル・販売業なども行なってきたという異色の経歴。
しかも、農業はまったくの未経験で43歳からスタートし、現在はわずか6つだけのレストラン契約でありながらも、今やフランス料理界では知らない人間はいないほどの人気となっています。
そんな山下さんですが、さぞかし愛情を込めて野菜をつくっているのかと思いきや、「愛という不確かなもので野菜はつくらない(笑)」という、芸術家のそれとも似た、まさに我が道を突き進む農道(同タイトルの自著あり)の持ち主です。

今回の講演では、その足跡をたどりながら、昨年2019年6月にご自身で企画された、パリで活躍する日本人シェフの中から、将来のグランシェフを発掘するコンテストの話しまで幅広くお話しいただきました。
その講演とテイスティング会の前後で、少しだけ質問させていただいた内容をここではシェアさせていただきます。


TOYO KITCHEN STYLE(以下TKS):昨年は不作だったと伺いました。やはり天候に大きく左右されたのでしょうか?
山下 朝史氏(以下山下さん):昨年は春先の異常な暖かさの後に来た数日間の寒波で夏野菜の苗が大きな被害に遭い、生育が遅れ、夏の猛暑もあり私だけでなくフランス中の野菜農家は皆生産量が大幅に減った年でした。それだけではなく、昨年に山下農園主催で料理コンクールを催したので、その準備等で農作業の遅れが出てしまいました。
TKS:日本に限らず、近年の異常気象がもたらす影響は計り知れないですね。それだけに今回のお野菜は特に貴重だとも感じています。またコンクールのお話しも動画で拝聴しましたが、野菜だけでなく、人まで育てられようとされていることに驚きました。

TKS:もともとはアートで身を立てるべく渡仏されたとお聞きしました。紆余曲折を経て、フランスで日本人農家として成功されましたが、アートと野菜づくりにはなにか共通の感覚があったのでしょうか?

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山下さん:野菜づくりもアートもクリエイティブな仕事ですが、私が重視しているのはアーティスティックなマインドの方です。アーティストは次の作品、公演を生涯で最高の出来栄えを望み、その為には全身全霊全ての時間をその実現の為に捧げるものです。私も次こそは、次こそはと常に自分自身と向き合いながら、野菜づくりに勤しんでいます。

TKS:野菜づくりもクリエイティブな観点ではアートに通じていますね。種を蒔いて、苗をつくって、水をあげれば簡単に育つものではないですし、特に自然相手だからこそ予想できないことも多く、いかに想像力を働かせて創造するか、簡単なようでできないからこそ、クリエイティブとして価値を生むんですね。

TKS:ご家族で野菜をつくられていますが、もっと農園を大きくしようとか、機械的に生産しようとか、量産のつくり手さんと一線を画すのはどのような理由でしょうか?
山下さん:質を求めるか、量を求めるかで手法は大きく変わります。人が食材を生産し、人がその食材を料理し、それを人が食する。パーソナリティの連続を意識しながら行うのが私の農業感です。
TKS:最終的にはそれを食べる人に通じているということですね。安く食べたいという人もいれば、質の良いものを口にしたいと思う人もいて、山下さんの場合は後者でも、さらに限られてくる訳です。今回その野菜を口にできた方はかなり幸運だと思いますし、また、その野菜を使えるシェフもかなり限られる訳で、それもまた貴重な体験ですよね。

TKS:ちなみにフランスではどのようなキッチンをお使いですか?一流シェフたちの厨房も数多くご覧になっていると思いますが、料理がしやすいキッチンってどんなイメージをお持ちですか?
山下さん:我が家ではオールステンレスのプロ用の機器で揃えています。大きなシンクと調理台、清潔さを保つための照明が心地よい料理環境の肝かと思っています。
TKS:なるほど。そこは当社製品と通じる部分がありますね。プロが使っても遜色ない使いやすさがあると自負していますし、特にシンクは大きくてもつかいやすさを追求していますので、プロのシェフからも高く評価いただいています。それと当社はシャンデリアを吊ることが多いですが、照明も大事な要素ですね。

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TKS:最後に。今回のテイスティング会で、はじめて山下さんの野菜を口にされた方は、一様に驚きの声があがっていました。ご自身の野菜を使ったお料理で、おすすめの調理方法があれば教えてください。また、日本に帰国されて、やっぱり日本人でよかったなぁと思う食べ物や文化などあればぜひ教えてください。

山下さん:野菜は肉以上に火入れ次第で表情が変わりますので、調理をする前に一欠片生の野菜を味見することをお勧めします。日本に帰ってまず食べたいと思うのはやはり魚介類ですね。それと細かな季節感を感じる料理は日本ならではです。食材の種類の多さ、それぞれの食材の性質を理解した適切な調理にはいつも感服しています。
TKS:やはり生でテイスティングするのが一番なのですね。ご来場のお客様もおっしゃっていましたが、あとから追いかけてくる力強い味わいが素晴しいと。3ヶ月も新鮮さを保てるほどの生命力ですから、一瞬でその味わいがなくならないですね。今回調理いただいたエトゥルスキさんの前田シェフも、どうやったらこの野菜のパワフルな味を活かせるのか、試行錯誤の繰り返しだったとおっしゃっていました。日本の野菜とは一味も二味も違った味わいを実感でき、はじめて野菜で感動しました!
今回は希少なお野菜のご提供、そして、ご講演ありがとうございました。日本にお帰りの際は、ぜひ日本料理もゆっくりとお楽しみください!

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仔牛とほうれん草

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葱コンソメ

プレゼンター:
山下農園|山下 朝史 氏

レストラン会場:
リストランテ エトゥルスキ
https://etruschi.jp/

講演会場:
トーヨーキッチンスタイル 東京ショールーム
https://www.toyokitchen.co.jp/ja/showroom/tokyo/

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