キッチンで飾り棚をつけると後悔する？おしゃれに取り入れるコツとは

キッチンに飾り棚をつけようと考えた際に、「後悔する」と耳にした経験がある方は少なくないはずです。とはいえ、飾り棚のメリットやデメリットを把握して、使用用途をきちんと決めておけば、収納の役に立つだけでなくインテリアの一部としておしゃれな空間の演出に一役買ってくれます。

本記事では、キッチンの飾り棚をおしゃれに取り入れるコツを紹介します。ぜひ、キッチンのリフォームでおしゃれな飾り棚を取り入れてみてください。

キッチンに飾り棚をつけるメリット3つを紹介します。

• 見せる収納でキッチンをおしゃれにできる
  
• モノが取り出しやすい
  
• 常に見られることで清潔に保つ意識がつく

1つずつ解説するので、自分のキッチンでメリットを活かせるのか、チェックしながらご覧ください。

見せる収納でキッチンをおしゃれにできる

調理家電などを飾り棚に見える状態で収納すれば、自分好みのおしゃれな雰囲気になります。

おしゃれな雰囲気にするには、調理家電を同じ色調にして空間に統一感をもたせるのがコツです。また、コーヒーなどの嗜好品や調味料をおしゃれな瓶やボトルに保存して見せて収納すれば、カフェにいるようなおしゃれな空間にできるので、おすすめです。

モノが取り出しやすい

調理家電や器具を飾り棚に置く見せる収納方法をとれば、モノを取り出しやすいメリットも生まれます。

調理に必要な調理家電や器具が、パントリーのような収納スペースにある場合、引き出しや扉を開けて必要なモノを取り出す行程が必要です。しかし、家電を飾り棚に置く収納方法をとれば、「収納スペースから取り出す行程」を省け、作業の効率アップに繋がります。

常に見られることで清潔に保つ意識がつく

見せる収納は、裏を返せば常に見られる収納方法です。見られている意識を持つと、清潔に保つように心がけるようになるはずです。

食器類は同じ種類や色でまとめたり、調味料は背の高いモノから順に並べたりなど収納のルールを設けると、キッチンを主に使う方だけでなく家族全員が清潔感のあるキッチンを保てるように意識できます。

キッチンを清潔に保ちたい方は、飾り棚を作って意図的に見られる収納にするのもおすすめです。

キッチンに飾り棚をつけるデメリット4つを紹介します。

• ホコリがたまってしまう
  
• 油汚れも気になる
  
• 奥行きがなく、収納力は期待できない
  
• 地震対策がしづらい

飾り棚は見せる収納である反面、汚れが溜まりやすいです。また、収納としての機能が高いとは言い難いです。飾り棚のデメリットを理解したうえで飾り棚を取り入れれば、後悔はしにくいはずです。それでは、1つずつ解説していきます。

ホコリがたまってしまう

調理家電や器具を見せて収納する場合、定期的に掃除を行わないとホコリがたまってしまいます。調理家電を使おうとした際に、ホコリがたまっていて調理中に掃除をする必要があっては、飾り棚のメリットを活かせません。

使いたいときに調理家電や器具を使えるように、普段から掃除をルーティーン化しておくのがおすすめです。

油汚れも気になる

見せる収納をしていると、ホコリの他に油汚れを気にする方もいます。油汚れは、調理中に気化した油が家電などに付着し、冷えて固まった汚れです。

油汚れの掃除は、ホコリの掃除以上に手間がかかります。また、油汚れにホコリが付着するとさらに汚れを落としにくくなるため、油汚れ用の洗剤を使用した掃除を頻度を決めて行うようにするのが、飾り棚を清潔に保つ秘訣です。

奥行きがなく、収納力は期待できない

インテリアを飾る目的で作られた飾り棚は、奥行きが狭く作られているものが多いです。調理家電や器具を、飾り棚に収納しようとしても奥行きがないために、棚板から家電が出っ張ってしまう場合があります。

おしゃれな空間づくりと収納力を両立させるには、飾り棚に何を収納するのかを決めて、収納する家電に合わせて飾り棚の奥行きを決めるのがポイントです。

地震対策がしづらい

見せる収納の飾り棚では大きな地震がきた場合に、棚からインテリアや家電が滑り落ちる可能性が高いです。

引き出しや扉付きの収納には、揺れを感知すると扉をロックする「耐震ラッチ」が装備されている商品もあります。耐震ラッチがあれば、地震が発生しても収納している食器や家電が床に落ちてしまう心配が軽減されます。

しかし、飾り棚には耐震ラッチのような耐震機能がないため、地震対策が必要です。飾り棚を設置する際に高さを低めにしたり、滑り止めシートを敷いてからインテリアや家電を収納したりと、設置状況にあった対策を講じるようにしてください。

キッチンに飾り棚をおしゃれに取り入れるには、コツがあります。飾り棚にやみくもにモノを収納しても、おしゃれな収納術とは言い難いです。おしゃれな飾り棚にするためのコツを、3つ紹介するので、ぜひ実践してください。

余白を作れる大きさにする

飾り棚を使っておしゃれに収納するポイントは、モノ同士の間隔を意識して配置することです。

飾り棚に収納するモノを事前に決め、余白を作れる大きさの飾り棚にする必要があります。また、モノ同士の間に余白を作ると、モノを取り出しやすいメリットもあります。

飾り棚に置く物に統一感を持たせる

飾り棚の収納するモノに統一感がないと、置きっぱなし収納のような乱雑な印象を与えてしまいます。

キッチンの調理台や家電と色合いをそろえれば、キッチン全体に統一感が生まれ、理想とするキッチンの雰囲気を作り出せます。飾り棚に置くモノの素材に統一させるのもおすすめです。ガラス製品の食器類はシンプルで落ち着いた雰囲気、木製の調理器具類はナチュラルな雰囲気になります。

飾り棚に置くモノの色合いや素材を統一させるよう意識するのが、おしゃれに見せるポイントです。

段ごとに役割を分ける

飾り棚が複数段ある場合、段ごとに役割を分けても十分おしゃれに見えます。

カフェスタンドのようにコーヒーや紅茶を収納する段、調味料やスパイスを収納する段など役割を明確にして収納するのがポイントです。さらに、収納するモノの高低差を意識して背の高い順に収納すると、おしゃれに見えます。

キッチンの飾り棚に何を収納するのかで、棚板の最適なサイズは変わります。収納するモノごとに、おすすめの棚板のサイズを解説します。

小物を置く程度なら奥行きは15cm

調味料やスパイスなどの小瓶、小物のインテリアなどを置く飾り棚をつくる場合、15cmの奥行きがぴったりです。家族が多い家庭では、飾り棚に家族の予定を書き込んだカレンダーを置くと家族の予定が把握しやすくなります。

奥行きが15cmの棚は、折りたたんだタオルの収納にも最適です。タオル専用のボックスを置いて、中にタオルを収納すると雰囲気を壊さずにタオルが収納できます。

食器・家電を置くなら奥行きは30cm

食器や家電を飾り棚に収納したい方は、奥行き30cmの棚板にしましょう。奥行きが30cmあれば、A4サイズの雑誌も収納できます。レシピ本や料理雑誌をキッチンのスペース内に収納でき、リビングなどのブックシェルフのあるスペースに雑誌類を取りに行く手間が省けます。

何を収納するのか決まっていない方は、奥行きを30cmの棚板にするのがおすすめです。収納したいモノが決まったときに、有効活用できるような奥行きで飾り棚を設置するようにしてください。

高さは使い勝手に合わせる

「飾り棚」とはいえ、収納スペースとして利用するのが目的なので、使い勝手に合わせた高さに設置する必要があります。主にキッチンを利用する方の身長や体格を考慮して、手が届きやすい高さにするのが最適です。飾り棚を2段以上つける場合は、何を収納するのかを事前にイメージしてから、棚板間の高さを決めるようにしてください。

事前に収納するモノがイメージできない場合には、なるべく大きめに棚板間の高さを設けたり、可動式の棚板を採用したりするのがおすすめです。実際に飾り棚にモノを収納をした際に、飾り棚のスペースに余白がないとおしゃれに見えません。適度な余白があったほうがおしゃれに見え、飾り棚の魅力が引き出せます。

実際にキッチンにおしゃれな飾り棚を取り入れている事例を紹介します。どの事例も、本記事で紹介したおしゃれに見せるコツが実践されている飾り棚の収納です。ぜひ、自分のキッチンに取り入れる飾り棚の参考にしてください。

空間に余白を生み出す

余白を十分に持たせて飾り棚に収納すれば、おしゃれな雰囲気になります。浅い食器やコーヒーカップなど、高さが低いモノを飾り棚に収納すれば、おのずと余白が生まれます。

また、飾り棚の棚板間の高さを可動できる仕様にすれば、大きめの調理家電や調理器具などの収納も可能です。

東京都 M様邸

バーの雰囲気のような雰囲気に

お酒を収納するための飾り棚を作った事例です。キッチンの壁の高い位置に奥行きを広めにとった飾り棚を設置して、アルコール類をまとめて収納すれば、バーのような雰囲気になります。

棚板の下には、ワイングラス用の収納スペースを設けています。ワイングラスを食器棚に立てた状態で収納すると、スペースをとってしまいます。また、ワイングラスは土台があるとはいえ、脚が細く安定感に欠けるため、食器棚から取り出す際には手がぶつかってグラスを落としてしまわないように、注意が必要です。ワイングラスの形状を逆手にとり、飾り棚を有効活用して収納した事例といえます。

東京都 T様邸

目隠しの要素も兼ね備える

ペニンシュラキッチンに設置した目隠しの壁を、飾り棚としても有効活用した事例です。全部で3段の飾り棚には、インテリアを飾っておしゃれな雰囲気としています。

3段の飾り棚の下には、キッチン側のニッチ棚を設けています。ニッチ棚は、洗剤などの生活感が出やすいモノの収納に最適です。目隠しの壁を飾り棚やニッチ棚として、有効活用したレイアウトです。

熊本県 Ｓ様邸

キッチンに飾り段を設置する方法は、次の2通りです。

• DIYで飾り棚を設置する
  
• リフォーム業者に依頼をする

安価に設置できるのは、DIYです。とはいえ、せっかく作った飾り棚のサイズが違っていて収納に活かせなかったり、すぐに壊れたりしては本末転倒です。予算やDIYの経験などを考慮して、自分にあった設置方法を決めるようにしてください。

DIYで飾り棚を設置する

DIYで飾り棚を作る際に、必要な材料と手順を解説します。

飾り棚のDIYに必要な材料

• 水性ステイン（棚板に色を付ける場合)
  
• ねじ
  
• アンカー
  
• 棚板
  
• 棚受け金具

※棚受けの個数は棚板の長さによって決める。次の表を参考にしてください。（※1）

棚板の長さ	棚受け金具の個数
～1.2m	2個
1.2m～2.2m	3個
2.2m～3m	4個

飾り棚のDIYの手順
①壁裏に門柱がある部分に棚受け金具のネジを打つため、門柱がある場所を探します。門柱を探すには、針式かセンサー式の下地探しを使用しましょう。
②棚受け金具のネジを打つ場所が定まったら、棚受け金具の設置場所を水平器で確認しながら決めます。
③棚受け金具をとりつける場所にマスキングテープを貼ります。アンカーをねじ込む部分の印をつける際に、壁を汚さないためです。
④壁にアンカーをねじ込みましょう。ネジだけでは棚受け金具をしっかりと固定できないため、アンカーは必須です。
⑤棚受け金具をネジで固定します。
⑥棚受け金具と棚板を固定して完成です。

（※1）参考：PIU STYL「棚やカウンター作りに欠かせない棚受け金具と耐荷重について」

リフォーム業者に依頼をする

DIYで飾り棚を作る方法は安価ですが、DIYの経験がない場合は施工に対して抵抗がある方もいるはずです。リフォーム業者でも飾り棚の施工はできるため、DIYに自信がない方はリフォーム業者に施工を依頼しましょう。

幅150cm×奥行き45cm×高さ180cmの壁面に飾り棚を造る場合、一般的な施工費用は約20万円〜となります。とはいえ、リフォーム業者やリフォームの内容、オプションによって、施工費用は変わります。具体的な施工内容や見積金額についてはリフォーム業者へ問い合わせてみるのがおすすめです。

キッチンの収納に飾り棚を取り入れると、おしゃれな空間になります。おしゃれな雰囲気のキッチンでは、楽しく作業できるはずです。とはいえ、飾り棚を取り入れたくても、実際に飾り棚を取り入れたキッチンのイメージが湧かず、躊躇してしまう方もいるでしょう。

ショールームに行けば、キッチンを見学できるので設置したい飾り棚とキッチンの相性も確かめられます。ぜひ、ショールームの見学を経て、飾り棚の施工に着手してみてはいかがでしょうか。