デザインや機能性に優れ、時代を超えて愛される名作家具や照明たち。実用品を超えて芸術作品としても評価されています。
数ある名作の中から今回は「フリスビー|Frisbi」をご紹介します。
フリスビーの名は、アメリカ生まれのフライングディスク「フリスビー」に由来します。中央に開口部を持つ乳白色のディスクを、3本の細いスチールワイヤーで宙に吊る構成は、たしかにそのフォルムを思わせる佇まいです。けれども、この円盤はただの見立てではありません。光をどう扱うかという、フロス|FLOSならではの命題への答えでもあります。1978年にアキッレ・カスティリオーニが発表して以来、フリスビーはイタリアンデザインを代表する一台として語り継がれてきました。
フリスビーは、たった1つの光源から3種類の光を同時に生み出します。中央の開口部から下方へ抜ける直接光、乳白のPMMA(アクリル樹脂)を透過してやわらぐ拡散光、内側を磨き上げた反射板が跳ね返す反射光です。
光源そのものはディスクの陰に隠れ、目に映るのは光を纏った円盤だけになります。ひとつの構造の中に、性格の異なる3つの光を共存させる。この合理性こそが、フリスビーを単なる意匠にとどまらせない理由です。
カスティリオーニ兄弟は、既製品や日用品を実用の視点から読み替える手法でも知られています。マルセル・デュシャンのレディメイドに近い発想でありながら、目的はあくまで機能の獲得です。フリスビーはトラクターの座面をそのまま流用したメッツァドロのように、実物を転用した一台ではありません。その名は、当時世界的に知られていたフライングディスクを思わせる形状にちなんでおり、見慣れたものへの気づきを大切にする姿勢は、カスティリオーニの他の作品にも通じています。
1978年の発表から半世紀近くが経った今も、フリスビーは現行製品としてフロス|FLOSのカタログに並び続けています。ニューヨーク近代美術館が1985年に本作を収蔵し、1997年の回顧展にも出品されました。歴史的名作でありながら、実際に自宅の食卓へ迎えられる。この両立こそが、フリスビーという発明の価値を今も更新し続けています。
フリスビーは、アメリカ生まれの大衆的な遊具のかたちを借りながら、光を直接・拡散・反射の3つに分ける構造を持つ照明です。カスティリオーニが工業製品に向けた観察眼が、実用の美として結晶しました。1978年の発表から時を経てなお、フロス|FLOSの定番として選ばれ続けています。
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