ペニンシュラキッチンのレイアウトの決め方｜おしゃれにするコツを解説

毎日使用するキッチンは、調理のしやすさや収納の便利さなどこだわってレイアウトを考えたいものです。

今回は、現在人気であるペニンシュラキッチンの実際のレイアウト事例や使いやすいキッチンにするポイントについて紹介します。ペニンシュラキッチンの特徴についても解説しているので、キッチン選びに迷っている方も必見です。

ペニンシュラキッチンとは対面キッチンの一種であり、キッチンのカウンター左右どちらかが壁に接しているキッチンを指します。ペニンシュラとは「半島」という意味であり、突き出した外観が特徴です。

リビングを見渡しながら作業ができるので、小さい子どもがいる家庭でも安心して調理することができます。また、家族や来客ともコミュニケーションが取りやすいので、離れていても会話を楽しみながら作業することも可能です。

開放的なキッチンが故に、油はねや水はねが気になるという点もあります。リビングにも汚れが付着してしまう可能性があるので、コンロ前に壁を設置したり、キッチン用のパーティションを備え付けて対策を講じる必要があるでしょう。

ここからは、ペニンシュラキッチンのおしゃれなレイアウトについて事例を交えながら解説していきます。

今回紹介するレイアウトは、開放的なペニンシュラキッチンの特徴を活かしたものばかりです。これから紹介するキッチンを参考に、使いやすさだけでなくスタイリッシュな見た目にもこだわったレイアウトを考えてみましょう。

シンプルで洗練されたレイアウト

N様邸は、ワークトップと扉のアイス柄がリンクしまるで洗練されたステンレスのような一体感を持つキッチンです。シンプルなキッチンに合わせて、ダイニングテーブルやソファもシックな色で揃え、統一感を持たせています。

キッチンの隣にダイニングテーブルを設置することで、すぐに料理を運ぶことができ家族も配膳に協力しやすいレイアウトとなっています。また、キッチンの前にソファを配置することで、ソファにいる家族と会話しながら作業できます。

岐阜県 N様邸

古民家の和の雰囲気にもマッチ

こちらのキッチンは、古民家とチタン扉のペニンシュラキッチンが絶妙にマッチした空間が目を引きます。椅子や机などの家具も木製の製品を採用しており、自然のあたたかみを存分に感じられます。

キッチンカウンターに椅子を配置することで、まるでレストランやバーのような雰囲気で食事を楽しむことができます。広いダイニングスペースを必要としないので、限られたスペースでもおしゃれで快適なキッチンを実現することができます。

水の森の家

隠したいところは隠して使いやすく

M様邸は、ラグジュアリーな見た目が人気である「メタルスモーク」の扉が印象的なキッチンです。背面収納にも同じ扉柄の「マイアミ」を採用しており、キッチン全体が統一感のある空間が広がっています。

M様のキッチンでは、目隠しを上手く利用されています。シンクの前に壁が設置されており、汚れや油はねが気になりません。また、ワークトップ上に観葉植物を置くことで自然に目隠しできるだけでなく、部屋全体が明るい雰囲気になります。

香川県 M様邸

おしゃれで使いやすいキッチンにしたいけど、どの種類を選べばよいかわからないとお悩みの方も多いでしょう。

ここからは、数あるキッチンの中でもペニンシュラキッチンを導入するメリットについて紹介します。ペニンシュラキッチンの特徴を把握し、ライフスタイルに合わせた理想のキッチン像のイメージを膨らませましょう。

対面式で開放感のキッチンにできる

ペニンシュラキッチンは対面キッチンの1つでもあるため、何といっても開放感が魅力です。壁付けキッチンはどうしても閉塞感が出てしまいますが、ペニンシュラキッチンの場合はリビングやダイニングと一体となっているため孤独感を感じづらくなります。

また、家族や友人など複数の人数で作業する場合もキッチンの周りを回遊しやすいといった利点があります。壁や棚など遮るものが無いので、部屋全体がすっきりと広く感じられるでしょう。

アイランドキッチンよりも設置しやすい

同じ対面キッチンであるアイランドキッチンは、両側に通路が必要なので設置する際はある程度広いスペースが不可欠です。一方、ペニンシュラキッチンは片方が壁と接しているので、限られたスペースでも設置しやすいです。

リビングやダイニングのスペースを広く取ることができるので、間取りを自由にレイアウトすることができます。また、レンジフードを壁に取り付けることができるので選ぶ際も、豊富な種類から検討することができます。

コンロの前の壁でにおいや油はね対策ができる

コンロの前に壁が設置されているペニンシュラキッチンも存在します。対面キッチンは、調理中の油はねや匂いの充満など開放的なキッチンが故の問題も存在します。しかし、ペニンシュラキッチンのコンロ前に壁を設置することで対策を講じることができます。

汚れがリビングに飛ぶことを防ぐことができるので、掃除も簡単になります。また、壁があることで手元が丸見えにはならないので、落ち着いて料理に専念したいといった方には特におすすめです。

ペニンシュラキッチンは使い勝手の良さと、洗練されたデザイン両方を兼ね備えた魅力を持ちます。一方、ペニンシュラキッチンに不便さを感じてしまう場合もあります。

ここからは、ペニンシュラキッチンのデメリットについて解説します。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、ペニンシュラキッチンの特徴をよく把握しましょう。

リビングから丸見えになる

キッチン前に壁が設置されていないペニンシュラキッチンでは、リビングから丸見えになってしまうといった欠点があります。汚れやゴミがリビングから見えてしまうため、忙しくて片づける時間がなかなか取れないといった方は、気になるでしょう。

壁を設置するだけでなく、シンクやコンロ前にパーテーションを設置したり観葉植物を置いて手元を隠すといった方法があります。また、すぐに片付けやすいように収納を充実させることも効果的です。

収納が物足りないと感じることも

ペニンシュラキッチンの魅力である開放感を最大に活かすために、キッチン上部に吊戸棚を設置しないレイアウトも多くあります。これにより、収納スペースが少なくなるといったデメリットが生じる可能性があります。

調理器具や食器が多く、収納が広くほしい方はワークトップ下や背面部分に収納棚を取り付けることで余裕を持たせることができます。また、キッチン前面にガラス製の食器棚を設置することで、敢えて見せる収納を実現できるのです。

対策をしないとにおいや油はね・水はねが気になる

ペニンシュラキッチンは、キッチンの前に壁や仕切りが無いので調理中のにおいや油はね、水はねがリビングにも影響してしまいます。飛び散った汚れを放置しておくと、掃除も大変になり衛生的にも良くありません。

こまめに掃除をする必要があるペニンシュラキッチンですが、より効果的なのが油はね防止のパネルを設置することです。コンロやシンク前のみに設置できるので、開放感を損なわずに気になる汚れやにおいを対策することができます。

ペニンシュラキッチンはレイアウト次第で、特徴を活かした使いやすいキッチンにすることができます。

ここからは、ペニンシュラキッチンをより使いやすくするポイントについて解説していきます。広いキッチンスペースや人とのコミュニケーションの取りやすさなど使い勝手の良さを最大に活かし、キッチンでの作業を更に効率化しましょう。

ワークトライアングルを意識する

キッチンのレイアウトを考える上で必要不可欠なポイントが、ワークトライアングルです。ワークトライアングルとは、シンクとコンロ、冷蔵庫を結んだ三角形を指します。三角形の合計の長さが360cm〜600cmに近いと使いやすいキッチンとされています。

距離が長すぎると動きが広くなり、疲れる原因になります。短すぎると調理スペースが狭くなってしまいます。無駄な動きを無くすために、実際にキッチンのスペースを確認すると良いでしょう。

背面収納で収納力を上げる

収納が少ないと危惧されがちのペニンシュラキッチンですが、背面収納を利用することで収納力を上げることができます。大幅に収納スペースを確保できるので、大きな調理器具やキッチン用品が多くある家庭でも安心です。

また、キッチンと色合いや柄を揃えることができるのでおしゃれな見た目の収納を実現できます。リビングから物が丸見えになることがなく生活感を感じさせずに、必要な時すぐに取り出せることが背面収納の魅力です。

コンロ前の油はね対策は必須

周りに壁がないペニンシュラキッチンは油はね対策が大切です。特にコンロ前は油はねが激しく、対策をしていないとリビングにも汚れが飛び散ってしまい汚れを生み出してしまいます。

快適にキッチンを利用するために、オイルガードを取り付けると油はね対策に役立ちます。オイルガードはガラス製であるため、開放感を損ねることなく油はねを防止することができます。また、手元隠しにもなるので来客時の気になる目線隠しにも効果的です。

おしゃれで使いやすいペニンシュラキッチンにするためには、レイアウトも大切ですが他の設備についても考慮する必要があります。

ここからは、ペニンシュラキッチンのレイアウト以外の仕様を決めるポイントについて解説します。設置する前に、部屋に合ったキッチンのサイズや設備を家族とよく話し合い、検討するようにしましょう。

間口・奥行きなどのサイズ

キッチンの横幅のことを間口といいます。キッチンを設置する際、まずはキッチン全体の間口を決めて調理スペースやシンクの間口を決める流れになります。

ペニンシュラキッチンの間口は180cm～270cmとなっています。ペニンシュラキッチンなどの対面キッチンは間口を長くしすぎると、移動距離が長くなり使いにくくなります。作業スペースを広く取りたい方や、収納を広く取りたい方は間口を広く取る方が効果的ですが、長くても240cm～270cm以内に納めるようにしましょう。

一般的に間口の規格は15cm刻みとなっています。どうしても微調整が必要といった方は、より細かくサイズオーダーできる物もあるのでアドバイザーに相談してみましょう。

レンジフードなどの設備

ペニンシュラキッチンの気になる点として挙げられるのが、匂いの問題です。調理中の匂いをリビングに充満させないためにも、レンジフードの選び方が重要となってきます。

レンジフードには、プロペラタイプ・ブーツ型タイプ・スリム型タイプと3つの種類に分けられています。レンジフードのサイズは60cm、75cm、90cmとなっておりサイズが大きくなるにつれて本体価格も高くなります。また、交換の際は現在使用しているレンジフードと同じ幅の物と交換するのが一般的であるため、現在のサイズをよく把握する必要があります。

レンジフードの本体の色を選択することもできるので、キッチンやインテリアと統一させたい方は、ぜひ考えておきましょう。

ワークトップや扉などの素材

キッチンの見た目を左右するのがワークトップや扉の素材です。主に使用される素材として、ステンレス、大理石、ホーローなどが挙げられます。

ステンレスは耐久性に優れており、洗練された見た目から多くのキッチンで採用されています。傷が目立ちやすいとされていますが、現在では目立ちにくくする加工を施している商品が一般的となっています。

大理石は熱に強く、高級感のある見た目が特徴です。樹脂素材なので、比較的安価で流通しています。色やデザインなども豊富なので、見た目を重視したい方におすすめです。

より使用しやすいキッチンにするためには、ペニンシュラキッチンの特徴をよく理解する必要があります。長所や短所を把握し、自分のライフスタイルと照らし合わせながらレイアウトを考える必要があります。

「レイアウトって何から考えたらいいの？」とお悩みの方は、ショールームに足を運び専門のアドバイザーと相談すると具体的なイメージを持ちやすくなります。自分だけのレイアウトを考え、料理の楽しさを最大限に発揮しましょう。