TITLE:魔法のフライパン

 愛知ドービーの水を使わないで調理が出来る鍋「バーミキュラー」が入手するのに6ヶ月もかかるという話をここnabe forumでしましたが、それよりもっと上を行く調理道具があるそうです。
 なんと30ヶ月待ちだそうです。
 「魔法のフライパン」という名称で、板厚なんと 1.5mmという極薄の鋳物鍋がそれです。
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 薄くする事での一番のメリットは軽いという事らしいです。
 鋳物のフライパンなのになんと980gという軽さで、女性にも楽々と使う事が出来るというものです。
 フライパンはやはり鋳物製のものがいいとされていますが、難点はそれが重いという事で、それを完全に解決した「魔法のフライパン」、それが人気の秘訣らしいです。
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 人気があるのに、大量には供給出来ないということで、30ヶ月待ちという超入手困難な製品になっています。
 作っているのは三重県桑名郡にある資本金1000万の錦見鋳造という小さな会社です。
 この開発の背景は、前述の愛知ドビーと似た所があり、徒に価格競争や単なる大企業の下請けに甘んずる事なく、独自の技術を駆使して他に出来ない物作りをしてきた結果です。
 以前の日本のマーケットは均一な巨大な中産階級というマーケットが中心になって動いてきたと思うし、現在の日本のデイ企業の多くがその量産マーケットに特化した製品を作る事で巨大化してきたと思います。
 しかし、日本のマーケットの状況は大きく変わって来ていると思います。まず、中産階級という巨大なマーケットは縮小の一途を辿り、均一だと思われた日本人の趣向は益々細分化を始めています。それと、インターネットという安価な伝達、広告手段が小さな会社でも自身メッセージを確実にマーケットに送る事も出来ます。
 今後、愛知ドビーや錦見鋳造のような会社がこれから日本にも続々と出て来ているし、今後もこの流れは途切れる事無く続く事と思います。
 以下は錦見鋳造のホームページからの「魔法のフライパン」の開発ストーリーです。

3倍難しいことに挑もう!

バブル崩壊、それは典型的な下請け企業には、厳しい時代のはじまりでもあった。時代を生き抜くためには、体力勝負の価格競争ではなく、独自の技術を磨くことを決めた。
倍の技術では追いつかれる、そう思い目標は3倍難しいことにした。
苦しい開発期間を支えたのは「君の代わりはいくらでもいる」と言われた悔しさだった。
来る日も来る日も研究を続ける中、ある失敗が奇跡を生んだ。
10年の歳月を経て「変わりはいくらでもいる」と言われた中小企業は、誰も見たことがない、「魔法のフライパン」を完成させた。

投稿者 nabe : 2013年11月19日 12:00