木造4階建てという不思議な温泉宿が箱根の塔ノ沢にある。
築100年というから、かなりのレトロ感だし、今では木造で4階建てという建築は許可されないそうだ。そいいう意味からでも、建築としてはかなり興味深い。
宿に入った瞬間に100年前にタイムスリップしたかのような錯覚にさえ陥ってしまう。
この宿、実は私の20年来の友人がやってる旅館で、時々全国に散らばった友人が一同に集まって、旧交を暖めたりする場でもある。この友人とは、若い頃に青年会議所という組織に入っていて、その頃に知り合い、以降なんやかんやで交遊が続いている。
そんな由緒ある旅館の親父なので、どことく雅な顔立ちで、それと、子供の頃から温泉で生まれ育ったというだけあって、なんか顔がいつも艶々としているような気がして、さすが塔ノ沢の湯は肌にいいという看板を背負っている、、、ていう感じかな!
玄関を入ると、右手に飾られている大きな古色蒼然とした金庫。
格子の窓越しにお庭を見ながら、部屋へと案内される。
畳敷きの渡り廊下
建具は全て昔のままの木製。
木製の床の渡り廊下
建具に入ってるガラスは全て「手吹きの板ガラス」
像は微妙に歪むが、ガラスの透明度は素晴しい。
こんなガラスが割れないで今まで残っているというのは驚異だと思った。
ヨーロッパにはまだ「手吹きの板ガラス」を製作している工房は残っているという話は聞いたけど、日本でもまだ残っているのかどうかは聞き漏らした。
旅館の4階にある国宝級の大広間。
襖絵はかなり修復が必要なように見受けたけど、予算的にも一旅館で修復費用を負担するのはかなり厳しいと、、親父は言ってた。さもありなんと思った。でも、この70畳の大広間、かなりの迫力で、一見の価値はあると思う。
大広間の天井
欅の一枚板で覆われている。一見曲げ木に見える天井側面の桟も、良く見ると曲げ木ではなく、一枚の木を刳り貫いて加工してあるように見えた。
昔のものは、一点一点に職人の手が入っていて、それが何か暖かみみたいなものとして伝わってくるような気がした。
環翆楼の玄関で旅館の親父と記念撮影。
宿の下足番にシャッターを押してもらったら、なんとピントがオオボケだったので写真は縮小しました。
一泊しただけだけど、、なんか肌が艶々になったような気がしたけど、、 な、、わけないな。
箱根塔ノ沢の「環翆楼」、今風のカップル向けの温泉宿ではないけど、、お近くにおいでの節で、木造建築に興味がある方、レトロな雰囲気がお好きな方、ぜひ一度お出かけ下さい。
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