TITLE:2016年度ユーロクッチーナを視察して

ミラノで開催されたユーロクッチーナを視察しての感想です。

IMG_8726.jpg

まずは機能篇

昔の欧米のキッチンのシンクは小さくて、レンジフードも換気というよりも脱臭という感じのものが多かったのですが、ここ何年かは欧米のキッチンのシンクも徐々に大きくなってきました。その先鞭をつけたのがBoffiでしたが、今では大きさの差はあってもどのメーカも以前とは較べものにならない程の大きなシンクが標準になってきました。シンクが大きくなるにしたがって、シンク上にプレートを置き、シンクそのものの機能化を図り出したというのが今年のユーロックッチーナの大きな特徴でした。これは明らかに日本のキッチンの影響で、そういえばうちの東京ショールームへ視察に来るヨーロッパのキッチン関係者が目茶苦茶増えてきてます。
 シンクが大型になるにつれて、レンジフードも大型化が進み、レンジフードのデザインの多様性は目をみはるものがあります。羨ましいのは、日本のレジフードは消防法の縛りがきつく、どうしても使用する素材の種類が限られてしまい、結果としてデザインの多様性を阻害しているということです。


L1003565.jpg ちょっと気になる傾向は、機能の中でメカや電動を使った、悪く言うとギミックを使ったメーカーが増えてきているということです。一昔前、ドイツキッチンが壁にぶち当たった時、ケッセベイマーの部品を軸としたこういったギミックを使う傾向があった事を思い出しました。その後、ドイツキッチンの多くは世界の潮流から取り残され、イタリアキッチンの勃興が始まったのです。今、イタリアキッチンが明らかに壁にぶつかっている時に起きているこの現象は、イタリアキッチンの先行きに不安を感じさせるのは私だけでしょうか?



投稿者 nabe : 2016年06月20日 15:51