TITLE:サローネ2007(9) BISAZZA 編

 DECOのトレンドの流れを受けて、4,5年前から徐々にモザイク・タイルが見直され始めている。数年前にはミニークーパーの表面をカラフルなモザイク・タイルで覆ったプレゼンテーションがトリエンナーレであったり、当社も二年前の「デザイン・セプテンバー」というイベントの中で、モザイク・タイルでアメコミ風のキャラクターを描いたものをキッチンと一緒に展示したこともある。
 この時に展示したベネツィアン・モザイク・タイルで描かれた「アメコミ」や、複雑な抽象柄は名古屋、大阪、京都、福岡、熊本に展示してあるので見られた方も多いと思う。キッチンの壁面にモザイク・タイルのアメコミって、ちょっと御洒落だと思いませんか?
 最近は、日本でもモザイク・タイルが徐々に一般的になりつつあり、INAXは花柄のモザイク・タイルを浴室の在来工法のプレゼンテーションに使い始めたりしている。量産メーカーがこういった量産向きでないアプローチをするのは珍しく、その点では面白い会社だと思っている。

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 今回のサローネではBISAZZAがとんでもないプレゼンテーションをしていた。
 工業製品と言うよりは、アートに近いデザインをしている「JAIME HAYON」と、最近何かと話題が多くなってきている「STUDIO JOB」とのコラボレーションを発表していた。個人的には、このプレゼンテーションが一番面白かった。

 まずは「JAIME HAYON」のプレゼンテーション

 巨大なピノキオ?、表面は全てモザイクタイルで埋め尽くされている。お腹が何故かパックリ開いていて、ゴールドのモザイク・タイルが中から覗いている。

 部屋に散在する不思議なモザイク・タイルの塔。

 会場風景をビデオ・クリップしました。ビデオを見てるだけでも、何かラビリンスに迷い込んだような錯覚に陥ります。

 次は、御馴染みというか、何かと話題の「STUDIO JOB」、最近はファンも増えてきてるみたいだ。スタジオはアントワープにあるという話なので、ファションとの関連性もかなり強くあるのではと推測する。

 巨大なシルバーのモザイクタイルで出来たシャンデリア。綺麗というよりは、なんか不思議な感じがする。その存在感は圧倒的!

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 巨大なシルバー・モザイク・タイルのディシュ・カバーと、壁に掛かった鏡

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 巨大な水差しと、巨大な壁にかかったスプーン。勿論、表面は全てシルバー・モザイク

 ともかく、このBISAZZAのプレゼンテーションは強烈だった。インテリアがDECOに振れるに従って、ミニマルで良く見られた大量生産に都合のいいデザインではなく、量産出来ないような、とちらかというとアートと工業製品の中間的な商品が徐々に増えてきているような気がしていた。このBISAZZAは今回のサローネではその際たるものだと思った。
 こういった流れを見ていると、DOMUSの対談で、ソットサスの「私は工業デザインの話をしているのではない、デザインの話をしているのだ」という言葉を強烈に思い出した。

投稿者 nabe : 2007年05月07日 00:00