TITLE:「メゾン・ド・オブジェ」の落とし物

 本当に落とした物じゃなくて、今回の「メゾン・ド・オブジェ」の会場でちょっと気になった物たちです。
 木製のユーズド加工をした飛行機を発見

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 この木製の飛行機は本当に古い物ではなく、新しく制作したものを、ユーズト加工というか、ビンテージ加工というか、わざわざ古く見せる為の加工がされている。真新しい塗装をされた木製の飛行機ならあまり魅力もなく、見向きもしないけど、こうやって古く見せる加工をすることで、なんとも言えない美しさを感じる。欲しくなってくる。

 このブースには、色や、形を変えて、ビンテージ加工をした飛行機が並んでいた。古く見せるという商品は、前回の椅子でも紹介したよう、これ以外にも多くのブースで見られた。ビンテージ加工された商品というのは、去年あたりから「メゾン・ド・オブジェ」で少しずつ増えてきているような気がするし、そのビンテージ加工の技術も、僅か1年だけみても、かなり洗練されてきたような気がする。もともと、アンティークのリメイクの職人が多数いるユーロッパだから出来るのかもしれない。
 大量生産品の生産拠点が、先進国から発展途上国に移る過程で、一般的な工業生産品の価格が大幅に下がることで、ひと昔前は一部の人しか保有出来なかった製品が、誰もが持てる時代になってきました。これによって、工業製品の相対的な価値観というのは、この価格の下落に伴って薄れてきていると思います。端的に言えば「保有する喜び」もたらす物が一般的な工業製品では少なくなりつつあるのではないでしょうか。
 では、消費者は何に保有する「喜び」を見つける事が出来るのか、これがこれからのマーケッティングのキーワードではないとか思います。
 今回の「メゾン・ド・オブジェ」で取り上げたものは、今回のユーズド加工された商品であったり、製品そのものに計算されない偶然性を感じさせるものであったり、はたまたアートに近いものであったり、、大量に供給されている工業製品の対極にあるものではないでしょうか?
 これからの成熟した消費者は、こういった物に大きな興味を示してくるのではないかと思っています。

 前回も書いたけど、世界的な富裕層マーケットの増大を受けて、ガーデン・ファニチュアーだけの専用館が設けられていた。ガーデン・ファニチュアといっても、日本のDIYショップで見られるようなチープな商品ではなく、チーク材等の本格的な素材と、パトリシァ・ウルキォラのような本格的なデザイナーを起用しての、かなり高額な商品ばかりで驚いた。
 写真は、あるブースの天井から吊るされて風で揺れ動く銀色の魚の風船。まるで群れをなして泳ぐ魚群のようで、ディスプレーとして少し感銘を受けた。
 揺れ動くシャチ

投稿者 nabe : 2007年09月24日 13:28