TITLE:「ドメスティック」が熱い

 「ドメスティック」という言葉を聞いて、すぐにファションを連想するのは、かなりの服好きだと思う。「ドメスティク」というのは英語て「国内」とか訳すのだと思うのだけど、ファションの世界ではインポート物の対極として、国内のデザインナーやディレクションで作り上げられる服を「ドメスティク」と呼ぶ。国内でデザインした服でも、デパート物と呼ばれるような服は、この範疇にはない。裏原宿で開花した「裏原系」と呼ばれる服を主に指す場合が多い。
 実は、この「ドメスティク」物と呼ばれる服が国内でかなり熱い。また、海外でもこの種の服に注目が集まり、有名ブティクが立ち並ぶバリのサントノーレ街のナンバーワンのセレクト・ショップ「コレット」でも、このドメスティクの服が並んでいるのを見るのは、そう珍しくはない。
 ミラノのでも、運河沿いの有名セレクト・ショップ「アントニオーリ」のすぐ横に、日本のドメスティック専門のショップがオープンしてたのを見たのには、さすがに驚いた。ミラノの中心部、サンバビラの近くにある「ダンドーネ」という有名セレクト・ショップにも、このドメスティック物がかなり売られている。取引先の服好きの女性と話していて、この話が出た事があるが,彼女は「イタリア物はもう駄目よ、、これからは日本のデザイナーの服が素敵」と言ってた。
 ドメスティクの主なブランドとしては、「BAPE」「UnderCover」「GDC」「Number Nine」「N Hollywood」「Roar」「Roen」「MasterMind」「HystericGrammer」・・・と、まあ、かなりいろいろある。
 オンラインの服屋さん ZOZO Town を見ると、いろいろ出ているので見るとそのブランドの数に驚く。ちなみに、服のネット・ショップではこのZOZO townが一番沢山売るらしい。
 もともとデバートとは無縁な「ドメスティック」だけど、最近デパートに少しずつ入り始めて来ている。最初はやはり伊勢丹、、女性のセレクト系の「リ・スタイル」コーナや、メンズ館の二階には、以前からこのドメスティックの服が並んでいた。でも、最近になってセレクト系のコーナーではなく、メンズ館に「Number Nine」と「Underr Cover」のオンリー・コーナが出来て、これが伊勢丹のメンズ館の一つの目玉になっているほどの人気らしい。
 大阪の梅田の阪急百貨店が2008年2月1日にメンズ館をオープンさせる。そこでもドメスティク物を一つの目玉として位置づけているようだ。こは凄い、なんたって、「Number Nine」と「Under Cover」と「N Hollywood」と「HystericGrammer」の4ブランドが合同で一つの店舗を構えるという企画らしい。どんなショップが出来るのか、今から楽しみにしている。
 南青山の「LoveLess」でも、最近外国人が異様に多くなってきている。聞くと、アメリカやヨーロッパからドメスティク物を求めて来るらしい。品薄な「MasterMind」を購入しに香港から来ている客に名古屋で遭遇した事がある。聞くと、探している服が東京にはなかったので、名古屋まで探しにきたそうだ。BAPEのシーズンのオープニングには、南青山のBAPEショップには韓国や、香港・中国から買い付けにきているバイャーで溢れているのを見た時は、私もさすがに腰を抜かした。

 サブカルチャーであった「裏原系」のファションが、今では完全にメジャーになって、日本を代表する服飾文化として、世界に進出を始めている。なんか、サブカルチャーだった漫画が、日本を代表する文化として世界に通用するようになつたのを連想させる。
 官製の押し付けがましい文化もいいけど、こういった民間から沸き上がって来るような文化が世界に進出して行くのを感じると、日本もまだまだ捨てた物ではないと思う。

投稿者 nabe : 2007年12月17日 16:30