TITLE:マンションもいよいよデコの時代?

 今年のサローネを見ても、また、今年のデザイナーズ・ウィークを見ても、世界のインテリアデザインは今までのミニマル・デザインから大きく舵を切って、DECO の時代に入って来ています。5年ほど前からその予兆があったイタリアでは、今では、今さらDECOという言葉自体を使うのがおこがましいほど、その傾向は完全に定着しています。単なるDECOではなく、「どんなDECOなのか?」というテーマでもかなり長時間の議論が出来そうです。
 しかしながら、日本のインテリアの現状はいまだ「ミニマル」の世界にどっぷり浸かっていて、大半がDECOの流れさえ理解出来ない専門家が多いのが現状です。しかし、日本でもDECOの足音は着実に近づいてきています。都市部のマンションの多くが、モデル・ルームのキッチンにインスタレーションとしてシャンデリアを吊るのは、もう珍しくも何ともなくなってきています。しかし、部屋全体としてDECOをイメージしたプレゼンテーションはまだ見た事がありません。
 東京の有明地区。 「ゆりかもめ」の延長や、銀座からの一直線の道路も完備して、一種の都市型リゾート地区として注目を集めて来いる地区なのはご存知の通り。

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 その有明地区に東京建物が建設中の大型マンション「マーレ有明」の高層階の特別室42室にTOYO KITCHEN STYLEISOLAが採用されました。有明という地区も興味があったのですが、それよりも東京建物の担当者が、「モデル・ルームのイメージをDECOを採用しました」という言葉が印象に残ったので、担当の方に特別にお願いして視察をさせて貰いました。

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 モデル・ルームは隣接する20階立てのビルの最上階、ビルインのモデルルームは見た事があるが、高層ビルの最上階というのは始めてだ。マンション完成時の景観を実際に実感して貰おうという意図だということだ。確かに、東京湾を挟んで見る、東京都心の展望は素晴らしい。夜はもっと奇麗という説明を受けて、思わず夜にもう一度来てみようかと思ってしまった。

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 モデル・ルームの玄関を入ると、いきなりジョガーリがモザイク・タイルの壁にかかっている。ホワイト・ゼブラの建具を通して、ISOLAとジョガーリのシャンデリアが見える。なかなかいい感じだ。

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 玄関から部屋に入ると、そこはリビング・ダイニングそしてキッチンを一つの空間として捕らえた美しいスペース。数年前から「リビング・レス」というコンセプトで空間のワンルーム化を提案して来たせいもあって、実際にメジャーなマンションにこのコンセプトが採用されているのを見ると、ちょっと感無量。
 空間全体のイメージは確実にDECO、ジョガーリ・シャンデリアも多用されていたり、使用してある家具や什器も品のいいDECOでまとめられていて、とても気持ちがいい。最近、ミニマルな空間に身を置くと、なんか一昔前のデザインを見せつけられているようで、居心地が悪いが、この空間は気持ちがいい。
 少しレトロに仕上げたISOLAのデザインにも奇麗に合っている。

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 寝室と、バニティーから見たバス・ルーム。窓から夜景が一望に見える設計らしい。東京の夜景を全部自分のものにして、湯につかって1日の疲れを癒す、、かなり魅力的。寝室は落ち着いた感じに仕上がっているのと、バニティーの鏡がかなり気に入った。

 「マーレ有明」では、マンションのモデル・ルームでは始めて本格的なDECOをベースにしたプレゼンテーションを見せて貰った。これが一つの成功例になれば、マンションやビルダーのインテリアも雪崩を打ったようにDECOに振れるのではないかという予感がした。

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 ここで、もう一つ驚いたのは、建具にゼブラ柄、それもホワイトのゼブラが使われてしたいということだ。私はかなり好きなのだが、一般的にはどうなんだろうと思って、案内してくれた女性に聞くと、高層階での建具セレクションはかなり高い確率でホワイト・ゼブラを選択されるとのことだ。これには、ちょっと驚いた。
 ともかく、マーレ有明はいろんな意味で面白かった。
 気がついたら3時間近く滞在してしまった。

追伸
 安藤忠雄をスターにした雑誌「CasaBrutus」、、その雑誌が、今月号の特集は「アンティーク家具」、、脱ミニマルの予兆は少し前から感じられてたけど、、
 そうかぁぁ、カーサがアンティークかぁぁ
 この雑誌は影響力が大きいから、DECOの時代の到来は思ったより早くなるかもしれない、、そう思った。

投稿者 nabe : 2007年11月11日 17:53