TITLE:POSITANOの街 (ポジターノ)

 明日からISOLAの新製品POSITANOの展示が東京・南青山、名古屋、大阪の各ショールームで始まるので、ぜひ見に来て頂けると嬉しい。ISOLAでの新しいイメージと、ISOLAならではの新しいキッチン・レイアウトの多様性を実感して下さい。
 今日は、その製品の話ではなく、POSITANOのメーミングの由来について話します。
 この製品にPOSITANOという名前をつけたのは、使用している横縞の木目がこPOSITANOの階層状に積み上がったような街のイメージを連想させたのが一つ、もう一つは、このPOSITANOの街は、今まで私が訪れた事がある世界の街の中でも、美しさという点でトップクラスで、最も印象に残っている街だったことで、、このPOSITANOという言葉を使って、今回の新製品のキッチンの美しさを直感的に表現したいと思いました。
 あまりにも美しく、かつ有名なPOSITANOですが、私の撮影した写真を見ながら、私なりにPOSITANOを紹介したいと思います。

 POSITANOは街の名前で、南イタリアのソレント半島の南側の中央部辺りに位置して、背後の険しい山に貼り付くように広がっている小さな街だ。海洋国家時代は、海からの交易で随分と栄えたと思われる痕跡がたくさん残っている。街は古いイタリアの建物が崖の斜面に密集して建っていて、ちょっと見ると家と、家との境が良く分からない。一つの家の二階部分は、もう他の家だったりする。

 道路は街の高台にあるだけなので、街に入るには路地のような路を延々と下らないと海岸まで行けない。路地は場所によっては、両側から店が迫ってるので、一人がやっと通れる程の路地だったりするので、歩きながらここは路なのか、それともどこかの家の中なのか、訳が分からなくなってくる。両側の店は延々と続き、ほとんどが服屋さんというはもいかにもイタリアらしい。

 ようやく下の海岸の砂浜に到着。街を背景に記念写真を撮影。崖に貼り付くように建っている街並がここからだと良く分かる。海外沿いは、全てレストラン。美しいアマルフィーの海を眺めながら、良く冷えたイタリアの若い白ワイン、、ビノ・ビアンコを片手に、ナポリ・ビザを摘む。気分はもうイタリアン・・・ 当たり前だけど。
 余談になるけど、モッツァレラ・チーズだけど、水牛のミルクて作られたモッツァレーラは柔らかくて最高だと思ってたら、このPOSITANOで食べるモッツァレラはやたら固い。ここまで来て、こんなモッツァレラはないよなと思って、少しがっかりした。でも少し食べていると、噛めば、噛む程味が出てくる、日本では経験した事がないモッツァレーラの味だった。ナポリ・ピザは皮だけではなく、モッツァレーラも違うんだと、その時はじめて気がついた。
 ちなみに、日本でも美味しいナポリ・ピザを食べさせる店は出来たが、このPOSITANOで食べたモッツァレーラ・チーズは味わった事がない。

 街の東側の突き出た半島には、有名なホテル「 San Pietro di Positano」(イル・サン・ピエトロ・ディ・ポジターノ)がある。5ツ星という言葉はこのホテルの為にあるのではと言われる程、豪華で食事も素晴しいという定評がある。私も泊まってみたかったのだが、生憎満室で宿泊出来なかった。次回行く事があったら、ぜひ泊まってみたいと思ってる。
 ホテルのキャッチコピーも素晴しい。
 「この世の極楽といえるホテルがもしどこかにあるのなら、
  ここイル・サンピエトロの小さな礼拝堂の下にあるのだろう。
    ポジターノの街を東に離れた岬全体が
    日常から完全に切り離されたこのホテルになっている。

 船で海から海岸線に沿って半島を見ると、海まで迫った断崖絶壁の光景が凄い。絶壁に巨大な穴が開いている。遠近感が一瞬なくなるほどの巨大な穴だ。穴の上には、なんと建物が普通に建っているのが可笑しい。あんなことろに建ってるくらいだから、ここは地震がないのかと思って聞くと、「地震はあるよ」という返事。良く考えたらヴェスヴィオ火山とポンベイの遺跡が近くにあるのだから、地震がない筈がない。誰も地震で穴が崩壊するという心配はしないのだろうか? 船の船長に聞くと、言ってる意味が良く分からないいようだ。まあ、ここはイタリアで、それも南イタリアだから、そんな心配はしなくてもいいのかもしれない、、、とか、、その頃は気分はもうイタリアンになってたから、私も質問した事も忘れてしまった。

 ソレント半島で最も美しいと言われるアマフィー海岸。POSITANOからバスで30分くらいのところにある。Amarfiの街に到着した時に、偶然にも雨雲が山にかかり始めたところだった。真っ黒の雨雲と、まだ光が残って、ちょうどスポットライトのように照らされているアマルフィーの街との光のコントラストが美しかった。

 POSITANOの名物は観光と、美味しい食事だが、絵付けタイルや陶器の産地でも有名。写真の素朴で美しい手書きのタイルは、ホテルのエントランス・ロビーの床に敷き詰めてあった。
 もう一枚の写真は、豚の陶器の置き物。緑の豚というのは珍しいっていうか、初めて見た。「豚」「緑」って、、あんまり結びつかないけど、なんかいい感じかもしれない。次の新製品は「グリーン系」かなって思ったりしました。

 ソレント半島のアマルフィー海岸の街POSITANO、日本からのツアーもかなり出ているようなので。ぜひ機会があったらお出かけ下さい。新婚旅行には勿論最適、少しお金に余裕ができた「熟年旅行」には、ぜひPOSITANOの五つ星ホテル「San Pietro di Positano」のスィート・ルームでゆっくりと流れる時間と、食を楽しみたいものです。

 最後に、この美しい街POSTANOをイメージしてデザインされたISOLAの新製品。明日から、東京、名古屋、大阪で展示が始まります。
 ぜひ、ご覧頂いて、このキッチンの美しさを堪能して下さい。

TITLE:キャロル・クリスチャン・ポエルのブーツ

 以前から欲しかったキャロル・クリスチャン・ポエルのブーツを手に入れた。
 キャロル・クリスチャン・ポエルって、、不思議なというか、アートに近いような服を作り上げる,デザイナーであり,職人。ハラコのパッチを縫い合わせたブルゾンを見た事があるが、パッチの合わせ目を透明な樹脂で、その樹脂が光を透過させて、ブルゾンを着て光を後ろから当てると、微妙な光がブルゾンから垣間見えてきて、不思議な雰囲気を醸し出すとか。ホース・レザーのパンツで、固いホース・レザーなのというせいもあるけど、履かない状態でそのまま立体で立っているパンツとか。でも着てみるとこれが凄い奇麗なフォルム。リバーシブルのパンツとか、本当にボタンも含めて全てリバーシブルになるという緻密な縫製。ボタンがないのに、ボタンで留めるシャツとか、、ともかく、縫製の魔術師と言っても過言ではないと思う。
 最近ではショーは一切やらないらしいけど、以前映像で見た彼のショーは市内の川に寝転がって浮かび流れてくるモデルを、橋の上から見るというもの。服は全て濡れた状態なので、画像を見てもどんな服なのかよく分からないけど、ともかくなんか凄そう、、そんな感じですね。
 彼のブーツを昔から欲しいと思ってたのだけど、なんせ制作数が少ないので、マニアがすぐに押さえてしまって、サイズもあり、なかなか購入出来なかった。
 今回購入したモデルは、キャロルのブーツとしては、一番定番のデザインなのだけど、なんと世界で44足しか作らない。私が購入したのは、その22番目のブーツ。

 皮はホースレザーで、ソールはカーフらしい。
 全体から見るフォルムは、職人が一足、一足丁寧に作られたもので、量産されているブーツとはまるで雰囲気が違う。

 ブーツの先端は少し細身で、そり上がっている。これは、カルペディームのような手作りブーツの特徴だが、最近このそり上がりを真似した量産ブーツも出始めているが、実物を見ると完全に別物だ。

 丁重に削り出されたヒール部分。
 ヒールだけでも美しい。職人がヤスリで削り上げるらしい。
 このブーツ、なんと洗えると説明書に書いてある。もともと、洗ってあるものらしく、汚れたら洗ってくれと書いてある。

 ブーツの裏側。釘が一本ずつ打ち込んであるのがよく分かる。
 ファションも、単にデザインだけではなく、こういった職人の匂いのする靴や、服という世界もある。男の服や,ブーツは女性ものと違って、一つ一つが大きくデザインが変わる訳でないので、どうしてもこういったティテールに拘る部分が出てくる。
 でも、また、それが面白い。

TITLE:熊谷隆志さんの家に行ってきました

 雑誌ミセスの今月号で取り上げられている、スタイリストで写真家でGDCブランドの服のディレクターでもある熊谷隆志さんの自宅を訪問してきました。家の詳しい内容や写真やTOYO KITCHENが熊谷さんと一緒になって作り上げたキッチンについては、この雑誌を参照して下さい。
 今日は、この雑誌で取り上げられてない部分で、私が気になったもの、感銘を受けたもの、そんなところを書いてみます。

 表札はなく、玄関の扉の横が漆喰で仕上げられていて、「KUMAGAI」という文字が漆喰の白と同色で浮き彫りになっていて、なかなかいい感じだ。

 中に案内されて、リビング・キッチンに入ると、窓からは素晴らし展望。以前のnabe forumでも書いたように、人工の建造物が何も視界に入らない。柵の向こうは断崖絶壁。早速庭に出て記念撮影をパチリ。熊谷さんの腕組みポーズが気に入って、最近の雑誌の取材の写真は基本的にこの腕組みポーズで撮影してもらうことにしている。
 この写真で私が着ているジャケットとシャツははGDCの兄貴ブランドVETURA。ディレクションは勿論熊谷隆志

 庭の柵の向こうの断崖絶壁から生えている一本の木に、まるで熊谷さんが飼ってるように、一匹の鷹がいつも羽根を休めている。この日も、その木に留まっている鷹を発見、柵の近くまで近づいても逃げない。なんか、一幅の絵を見てるようで、鷹と空と遠くに広がる山並みを見てると飽きない。すばらし借景だ。

 庭の左端の絶壁からは、何やら黄色い柑橘系の果実が実を結んでいる。これも、もともと自生していたものだそうで、食べるとあまり美味しくないそうだけど、緑一色の景観の中の黄色は一種の点景のようにも見える。

 庭からもう一段降りる階段があって、そこを降りると、絶壁にへばりつくような空間があり、一つがオープンエアーの小さな部屋があり、そこに気持ち良さそうなソファーが置いてある。

 暖かい日には、そこが熊谷さんの昼寝の場所らしいが、普段は愛犬に占領されているとか、、、 さすが、犬は心地いい場所を本能的に感知するらしい。

 以前にもこのブログで書いたように、この家を作るにあたって、熊谷さんがした事は、まず家具選びから始まったそうだ。その家具選びも世界中を飛び回る彼が、その合間の時間を使って買い付けたものなので、私も殆ど見た事がないような家具やライト、それと、さりげなく置かれているアート作品が素晴らしい。
 サーフ・ボードの部屋で見つけた空色に塗装されていたビンテージ家具。ベルギーで見つけたものらしい。少し剥げかけた塗装が家具に味を付けている。欲しいと思った。こういった、使い古した味のある家具が、最近特に気になっている。先日も、ビンテージのジョイ・コロンボのソファーを購入して,現在ミュージアムに展示してあるが、足はの塗装は剥げかけていて、それがまたなんかいい。

 使われている照明も可愛い。
 写真は階段廻りに使われているペンダント・ライト。手作り風の手吹きの色ガラスが爽やか。デザインにちょっとエスニックな味がある。どこのものかは聞き忘れたが、中近東の香りがする。

 ゲスト・ルームに吊るされたシャンデリアのペンダント・ライト。この照明もエスニックな香りがする。

 アート作品も、なにげに無造作に置いてある。かなり有名になった作品もあったけど、熊谷さんが購入したのはかなり昔なので、購入価格を聞くとちょっとびっくりするほど安い。さすが、時代の先端を突っ走ってる人だけのことはある。
 常識に捕われない、美に対しての貪欲な感性が彼の真骨頂のような気がする。

 日本の現代の住宅では、配線は何でも隠してしまうのだけど、熊谷さんの家では、場所によって配線が剥き出しになっている部分がある。写真はインドネシアから取り寄せた、金属製の配線カバー。ロフト風のスパイスが空間に効いているようで、かなり面白いと思った。しかし、こんなものがインドネシアにあるということを知ってる彼には驚く。

 この住宅は熊谷さんを知る人から見ると、どこをとっても「熊谷隆志」の匂いがする。よく住宅雑誌に掲載されている「施主の顔が見えない住宅」ではなく、こんな住む人の個性や人間性を映し出せる住宅がもっと日本でも増えてくるとしたら、日本の住環境も随分と変わるのだろうと思う。

TITLE:常識を否定することからの創造性

 ちょっと大層なタイトルをつけてしまったが、そんな大層な話ではない。
 ヨタ話として読んで下さい。
 一般的な常識とか、概念を否定することから新しいものが生み出される。
 、、、 という考えもある。
 イタリアの新聞の記事で「もうこれ以上新しい椅子やソファーの形を考えるには、人間のお尻の形を変えないといけない」、、そんなことが書いてあったのを思い出した。つまり、お尻の形に拘り、「座り心地がいい」というのがデザインの全てだとしたら、新しい椅子のデザインはなかなか生まれてこない。 そんな意味だと思う。
 まあ、これには賛否両論があるとは思うが、一面の心理ではあるという気がする。

 例はちょっと違うかもしれないけど、先日面白い靴を見つけた。
 エナメルの登山靴だ。
 登山靴にエナメル、、、意味がよく分からないと思うのが一般的な常識。そもそもハードな使用状況のなかにこそ意味がある登山靴に、繊細で傷つき易いエナメル加工をした瞬間に、登山靴としての機能はなくなる。
 でも、、発想が面白いし、なかなかカッコいいとも思う。
 同じメーカーから白の登山靴も発売されていた。
 これもかなり不思議。

TITLE:「悪」のファションが熱い

 「坊屋春道」と聞いて、鈴蘭高校?って答える人は、かなりのアニメ通か、若い。若年層では常識的な知識でも、おじさんは知らないってこと、かなり多いですよね。まさに情報のゼネレーション・ギャップ。
 「CROWS」という不良中学生の喧嘩話で大ヒットしたコミックの主人公が「坊屋春道」。やたら呑気で、かなり天然が入っているが、喧嘩だけはやたら強い。のし上がろうという意欲も薄いので、何故か仲間どころか、敵の不良中学生にも人気があるというのが、如何にも日本的。

 このコミック「CROWS」が三池崇史監督で映画化されて話題を呼んでいる。

 この「CROWS」のヒットが契機かどうかは分からないけど、いわゆる「」ファションというのがトレンドになりつつある。この所の「ロック・ファション」ブームの日本的解釈という見方もある。
 どんなファションかは映画「CROWS ZERO」のオフィシャルサイトからメニューの左にある「ENTER ABOUT THE MOVIE “MEN`S SUZURAN」に入って、三番目のメニュー「SUZURAN HIGHSHOOL COLLECTION」を参照して下さい。

 なんで、こんなファションが、、って思う方もいると思いますが、ファション誌「HEART」の今月号でも特集されている。西欧の「悪」ファションとも言えるロック・ファションが一般化したように、日本のロック・ファション「」はトレンドとなるしれない。
 また、コスプレ・ファションか世界に波及したように、日本のファション・サブ・カルチャー「」が世界のファションにもし影響を与える事が出来たとしたら、ちょっと痛快かもしれない。ガクラン着流しファションのイギリス人がロンドンの街を闊歩するなんて、、なんか凄い。

 写真は「CROWS」全26巻。私の好きな坊屋春道は、残念ながら映画には登場しないようだ。

TITLE:レトロがいい感じ

 東京モーターショー2007 での独断と偏見のデザイン感です。
 単なる車好きの、いい加減な話として読んで下さい。
 間違ってたら、気楽に訂正お願いします。
 今回の東京モーターショーで、特に私が感じたのは、デザインが少しレトロな方向に動いているのではないかという事で、そのレトロっぽさが何か新鮮で、魅力的に感じました。

 このレトロな車のデザインの流れはどこが起点なのかは分かりませんが、最初に私が気がついたのは「ブガッティ・ベイロン」でした。
 ブガッティのベイロンのデザインは衝撃的でした。ブガッティという名前もあるかと思いますが、400kmで疾走するスーパーカーでありながら、あのレトロで、何か懐かしいデザインは一体何だろう。
 残念ながらベイロンは展示されてはいませんでしたが、レトロな基調のデザインを持つ車はかなり展示されていました。

 世界的に500台の限定生産で話題になった「アルファロメオ 8C コンペティツィオーネ 」、日本の割当は70台で、これは全て完売しているとのこと。価格は2200万円。エンジンは90°V型8気筒という新開発のエンジンらしい。
 デザインは、かなりレトロで個性的。前のマスクは以前のシトロエンのDSを連想させるが、全体のフォルムはかなり挑戦的。

 シトロエン「Cカクタス 」、シトロエン初のハイブリッド・カーのコンセプトモデル。この車もイメージはかなりレトロ。ホィールも可愛い。この車、実は単にコンセプトだけではなく、2008年には本当に市販されるらしい。今までのシトロエンのデザインとはかなり違っているが、ハイブリッド車の発売を期に、デザイン・イメージを変えてくるのかなと思った。

 AUDI「メトロプロジェクト クワトロ」、デザインはこれもかなりレトロ。サイド・モールのアルミが印象的だ。
 この車もハイブリッド・カーらしい。やはりトヨタが世界的に成功させたハイブリッド・カーの影響はかなり大きいという事なんだと思った。もともと、ユーロッパのメーカーはディーゼル車の技術がかなり進んでいて、環境問題はディーゼル車の普及によってある程度答えは出せると思ってたそうだ。そんな理由でハイブリッド技術については冷淡だったそうで、それがトヨタの後塵を排した大きな理由だと聞いた事がある。でも、ここにきてハイブリッドだらけになってきたようだ。

 ベンツの環境対応車はディーゼルとガソリンの両方の機能を備えた「DIESOTTO(ディゾット)」エンジンを搭載した「F700」。技術的な側面は話を聞いても良く分からないが、ともかく燃費がいいので環境に優しいらしい。
 デザインは、F700もレトロっぽいが、いかにもベンツそのものの仰々しさで、新しさはあまり感じないし、個人的にもあまり好きではない。でも。塗装色だけは凄い。アルミの削り出しのような質感の塗装で、始めて見た。
 最近のベンツ車を見ても思うのだけど、やはりクライスラーを買収してからのメルセデスは、何か大切なものを無くしてしまったような気がする。ついでに伊藤忠の資本が入ってからのヤナセも、ベンツと同じように何か変わってしまったような気がする。もともとAタイプのユーザーとSクラスのユーザーを同列に考える事自体に無理があるという事かもしれない。

 日本車も頑張ってる。GTRは別にして、一番印象に残ったのがSUZUKIのコンセプト・カー「きざし2」。将来的な世界戦略車という位置付けだということらしい。スズキは軽自動車から徐々に普通車の領域に製品群を広げてきていて、どの車も独特の位置づけで面白い。この「きざし2」は、車の大きさから考えても、将来的にはスズキが大型のプレミアム・カーのマーケットに踏み出すということになる。デザインも、かなり印象的で面白い。ここでも、レトロ感を感じられる。スズキに期待したいと思ってしまった。

 HONDAのハイブリッドのコンセプト・カー。ライトウェイトのスポーツカーのデザイン。これも少しレトロっぽくなっている。コンセプト・カーにしては、なりシェープ・アップされているので、生産モデルにかなり近いのではないかと思った。

 車のデザインにおいて、実際に「レトロ」というのがキーワードになってるかどうかは分かりませんが、独断と偏見で見てると、どうも私の場合は「レトロ感」というのが魅力的に感じた。
PS
 クリスタル・キッチンの新発売の記事が Meuble Voice に掲載されています。こちらもぜひ見て下さい。

TITLE:GTRが帰ってきた

 4年ぶりだか、5年ぶりでGTRが帰ってきた。
 ブレス・チケットを貰ったので、クリスタル・キッチンの内覧会を少しの時間抜けて、幕張で開催中の「東京モーター・ショー」に出かけてきた。一番の目的は、新GTRを見ること。以前はスカイラインの名前が頭に付いたが、新型からはスカイラインの文字は外れて、NISSAN GTR という名前に変わった。
 キャッチは「ポルシェ・ターボー・キラー」、、外車オーナーの心を掴むことが出来る車、そんな触れ込みが楽しい。レクサスがやはり外車のプレミアム・カーのマーケットを意識したという話だったけど、実際に見たり試乗してみると、プレミアム・カーマーケットに対してのトヨタ的解釈だったので、ちょっとがっかりした。
 新型GTRはどうなんだろうと、ちょっと期待に胸を膨らませて東京モーターショーに出陣したわけです。
 プレスだけを対象とした日なので、会場はかなり空いていましたが、、何故かGTRのコーナーだけは人だかりで、なかなか前まで行けなかった。ようやく、人を掻き分けて前に出ると、そこには新型GTRが目の前に、、
 

 プロトタイプの時より、少しデザインも抑え気味になっていたが、独特のフロント・グリルが今までの日本車にないデザインでなかなかいい。ちょと下品なところが、いかにもGTRらしい。

 リアスタイルはGTRの伝統の丸目。以前よりリア・ビューはかなりシェープ・アップされてると思った。
 塗装はアルティメイド、なんたらという、独特の塗装色というのも、車のフォルムと良く合ってる。
 全体としての印象は、好感度がかなり高い。ひょっして外車のスポーティー・タイプのプレミアム・カーのマーケットを侵食できる可能性があるかもしれないと思った。

TITLE:今日はクリスタル・キッチンの内覧会です

 今日、明日の二日間は六本木の「Meuble」で、Meuble オリジナル・キッチンの第一弾「INO Meuble Crystall」の内覧会です。 世界で初めてキッチンにスワロフスキー社製のクリスタルの粒を散りばめてあります。 とても、美しい。
 (一般への公開は26日からになります)
 六本木ムーブルのオープン記念の講演会でもお話したのですが、これからのキッチンは同じ趣向を持つ、一つの市場として捕らえるだけでは理解でなくなると思っています。キッチンは単なる料理をする道具から、コミュニケーションや家族の団欒をもたらすイメージとしてのキッチンに変わってきました。では、次の時代のキッチンはどんな切り口なのでしょうか?私は、それはキッチンの「美しさ」だと思っています。その「美しさ」という切り口で、どんなキッチンが提案できるのか?その答えが今回の「クリスタル・キッチン」です。
 私ごとですが、こういった特別の内覧会を開催する時には、その発表する製品のテーマに合わせたファションを考えて着ることにしています。最初はお客様にちょっと奇異な目で見られてましたが、つまりテーマに合わせると、とても社長には見えないという事なんでしょうね。でも、最近ではお客様の中には、私のファションを興味津々で期待してみえる方もお見えになるようになり、私も半分、癖というか、、ちょっと楽しみにもなってしまいました。
 今回の内覧会はクリスタルなので、当然ファションもクリスタルが付いたもの。
 写真は本日着用予定の、バックにクリスタルを散りばめたジャケットです。

TITLE:パトリシア・ウルキォラはいなかったけど・・

 名作「カボシュ
 デザインはいま世界で一番旬なデザイナー、パトリシア・ウルキォラ
 ISOLAロッソジャポネーゼのプレゼンテーションに使う照明として白羽の矢を当てたのがこの「カボッシュ」。近未来的なデザインなのだけど、少しレトロで、和のインテリアに奇麗に馴染むという、不思議なデザイン。日本のボンボリを少し連想させる。

 サイズは「大」「中」「小」と3サイズあって、使い方によってイメージが完全に変わってくる。ロッソジャポネーゼでは、「小」を三連、高さを変えて吊ることで、より印象的なプレゼンテーションが出来たと、ちょっと自負している。
 この「カボッシュ」は最近イタリアで急成長している「FOSCARINI」(フォスカリー二社)によって製作・販売されている。
 この「FOSCARINI」はユニークな会社で、社内に製作部門を持たないという、最近の言葉で言うとファブレスな会社だ。つまり、デザインと企画、そして販売だけに特化する事で、多種多様な素材を自由に使いこなし、新しい照明デザインを世に送り出している。

 この「FOSCARINI」社に訪問してきた。ベニス郊外、ピストージ社とは方向は違うが、ベニスから車で30分ほどのところある。
 デザイン企画と販売だけに特化した会社らしく、本社は緑に囲まれた、とても美しい建物で印象的だ。内部はオフィス・スペースと最終の梱包工程、そしてウェアハウスだけで、製作部門は持たなので、内部も本当に清潔で美しい。従業員のユニフォームは赤の「Campion 」社製のウェアーに「FOSCALINI」のロゴが入っていて、とてもお洒落。さすがデザインに特化している会社だと思った。

 輸出担当役員のMr.Luca D`Alpas と記念写真をパチリ。場所はプレゼンテーション・ルーム。天井からは六本木ムーブルにも展示してあるTomDixinのワイヤーのシャンデリアが吊るされて印象的だ。

 実は、この「FOSCALINI」社の日本の正規代理店は、うち以外にももう一社ある。このもう一つの代理店は何故か価格をかなり高めに付けている。どうしてそんなに高く設定しているのかは、他社の事情なので良くは分からないが、ともかくTOYO KITCHENより遥かに高い。
 この価格差が説明出来ないのだと思うけど、あるテレビ番組の中で、この代理店が扱っている「カホッシュ」だけが正規輸入品だと説明しているのをたまたま見かけた。これは、TOYO KITCHENが販売している「カボッシュ」は正規輸入品ではないと言われてると同じ事なので、すぐにそのテレビ局に抗議のメールを送ったのだけど、なしのつぶてだった。
 その後、調べてみると、当社の扱っている「カボッシュ」は正規輸入品ではないと聞いたがという問い合わせかなりあった。真偽の程は不明だが、もし、この話がもう一つの代理店が流通に流しているとしたらちょっと許せないと思った。

 もう一度確認の意味で書くのだけど、TOYO KITCHEN は「FOSCALINI」社の日本に於ける正規代理店で、従ってうちが販売している「カボッシュ」は正規に輸入された商品なので安心してご購入ください。
 ちなみに、TOYO KITCHENの「カボッシュ」の価格は次の通りです。
 カボッシュ (小) ¥ 90,300.
 カボッシュ (中) ¥ 189,000.
 カボッシュ (大) ¥ 336,000.
 ご確認ください

TITLE:ジョガーリの故郷へ

 シャンデリア「ジョガーリ」
 当社では数年前に日本での販売権を獲得して、キッチンと一緒に販売を始めました。今では、TOYO KITCHEN が扱うシャンデリアの代表作になってきています。キッチンにシャンデリアを飾るという、今のキッチン・インテリアのトレンドの先駆けとなった作品でもあります。

 デザインはご存知巨匠マンジャロッティ
近代シャンデリア・デザインのエポック・メーキングな作品です。フレームにガラスのオーナメントを連結してぶら下げるだという、至ってシンプルな発想なのだけど、オーナメントを支える上部のフレームの形を変えるだけで、全体のイメージが変幻自在に変化してくる不思議なシャンデリア。

 また、オーナメントの連結する長さを変えても、まるで違う印象が生まれるというのも面白い。写真は六本木の「TOYO KITCHEN Meble」のエントランスに展示してある、天井から床までオーナメントを連結してある「ジョガーリ
 光の滝のように見えませんか?

 その「ジョガーリ」の製造元である Vistosi 社に訪問してきました。場所はベネツィアの郊外、車で40分ぐらい北に上がったところにあった。工場そのものは古い建物で、なんか趣があった。中での生産は熟練した職人さんが一つ一つハンドメイドで製作していて、古い工場の佇まいと、妙にマッチしていた。

 写真は出来立てのホヤホヤのジョガーリのオーナメント。これだけ並ぶとちょっと壮観だと思った。ハンドメイドなので、一個、一個の形は微妙に違うけど、それがまた味があって美しい。

  Vistosi 社の二代目、Mr.Moretti と工場内で、記念写真をパチリ。
 Mr.Moretti が手にしているのは、TOYO KITCHENの照明・家具のカタログ。カタログの表紙に写ってる足は私の足だって言ったら、大笑いして喜んでくれた。とても気のいいイタリア人のお兄ちゃんだった。

 お昼になったので、昼食をご馳走になった。森の中にある、田舎風の美しいレストラン。大歓迎してくれたという意味だと思うけど、昼間から前菜4品、パスタ2品、それにメインの魚料理と、、極めつけはデザート2品と、山ほどディッシュが並んだ。
 かなり美味しかった。私はセーブして食べたのだけど、同行した社員はセーブが効かず、思わず全て平らげてしまって、昼食後満腹過ぎてのたうち回ってた。
 ハイライトは、同行の社員の一人がエビ・アレルギー。前菜にスカンピ(手長エビ)のカルパッチョが出てきたのだけど、よせばいいのに、折角だから少し食べてみるって言って、一匹食べてしまった。案の定、少し時間がずれてアレルギー噴出時様態に陥って、完璧に一晩死んでた。自業自得なので、同情してやらない事にしたら、「冷たい社長だなぁ」って言われたけど、無視して知らんふりすることにした。

 写真はレストラン内に使われていたベネチィアン・ガラスのシャンデリア。いかにもベニスらしい。日本でもこれからはこういった装飾性の高いシャンデリアも普及してくるのではないかと思った。