TITLE:インテリアが変わってくる

 インテリア デザインの流れは明らかにトレンドの狭間にきています。

 2004年の講演会では近い将来にインテリア デザインはもっと装飾性のあるものに変わってくる筈だという話をさせて貰いました。当時はこのトレンドを「モダン・パロック」という言葉を使いました。完全なクラシックではなく、現代風にアレンジされたクラシックだという意味の新造語でした。ここに来て、このトレンドは単純にDECOという言葉で一般的に表現されるようになり、今年のサローネでの動向を見てると、イタリアではこのDECOの流れがかなりトレンドの主流になりつつあるといういう話もこのnabe fourmでも何度も書かせてもらいしました。



 現在はミニマル全盛ですが、日本でもトレンドの先端部分はもうかなりDECOの動きが出てきています。森田恭通が店舗設計では大きくもてはやされていたり、トレンドの目安でもある東京のマンションのインテリアもかなりDECOに振れ始めてきているので、日本でもDECOが主流になってくるのはもう目の前です。
 





 もう一つ、DECOはミニマルと違って、多様性があります。多様性という事は、今までようにインテリア デザインをするときに、ストライク・ゾーンばかりを狙う訳にはいかなくなるという事になります。この多様性というのは、ある意味ではメーカー側や建築設計側にとっては、ユーザー・ニーズが一般論化できないという、かなりやっかいな問題が起きてくるのではと考えています。つまり、「お客の顔を見てからではないと、お客の趣向が特定できない」という事になると、同じようなインテリアの家を提供すれば事足れりとしている訳にはいかなくなるということです。
 この新しいトレンドの流れの中、日本の住宅・インテリア産業はどう変わってくるのでしょうか?




 ちょっと堅い話が続いていますが、7月5日の講演に向けて、来て戴く方より理解をして貰いたいと、話の概略を少しずつ書かせて貰っています。