TITLE:キッチンもアートになる、、という新製品の発売

 今日は新製品の話しです。
 世界的なインテリアのトレンドに「家具・インテリアのアート化」という流れがあります。これはインテリアの多様化がますます進む中で、ファションのように自己表現の手段としてインテリアも考えると、個性化の究極の先にあるのは「アート」ではないかということになります。
 「座り心地の悪い椅子は悪い椅子」という考え方もありますが、座り心地の悪い椅子であっても、空間の中に置く事によって一瞬にして空気感を変えてしまうという椅子もやはり「いい椅子」、つまりアートとしての家具だと思います。

 写真は2008年のミラノ・サローネで発表されたメンディーニの収納家具
 機能的には収納という機能を優先している訳ではなく、やはり空間に置くアートとしての家具という考え方だと思う。事実、こういった家具は家具屋さんが販売する訳ではなく、画廊で販売されている。限定5台だそうだったが、私が訪問した時にはもう完売していた。

 家具もアートなら、照明だってアートになる得る、ということでこれも2008年にインゴマウラーがミラノ・サローネで発表したフィギュアーの照明。
 明るく照らすという照明の本来の機能を満足させているとは思えないが、空間に吊るす事で空気感が一瞬にして変わる。

 家具も照明もアートになり得るとしたら、キッチンもやはりアートとか、空間のオブジェとして捉えるマーケットが存在する筈だと考え2005年に発売したISOLAは市場に衝撃を与えたと思います。
 でも、私自身、キッチンをそこまでストイックに切り取って考えてくれるマーケットがあるとは正直思っても見ませんでしたが、実際に発売してると当社として大ヒットした商品の一つになりました。
 当初のISOLAはその後順次シェープ・アップしてきましたが、やはりそれをコピーする量産メーカが出現したという事と、シェープ・アップする過程の中で、本来ISOLAの持つアート性が少し損なわれてきたような気がしてました。
 ISOLAをもう一度原点に戻して、空間のオブジェとしてのキッチンを企画しようという事になりました。ベースは2004に発表し、殆どプロトタイプで終わったISOLA-Tをベースに再企画しました。

 新製品は「ISOLA liner」(イゾラ・リニア)
 キッチン全体を支えるタワー部分とレンジフードにベネチィアン・モザイクを貼付け、より装飾性を高めました。
 勿論、ステンレスだけで装飾がないストイックなベーシック・モデルもあり、フード部分に私が好きな「スカル」のモチーフをエッチング加工したものもあり、この部分だけでも従来のキッチンの楽しみ方とはまるで違って楽しいと思って頂ければ幸いです。

 ISOLA linerに合わせてあるシャンデリアは新々のジュエリー・デザイナーWinnie Luiがデザインした「ホワイト・シャンデリア」
 従来のシャンデリアの常識を破った、新たなシャンデリア・デザインの可能性を感じさせてくれます。
 10月9日から南青山の東京ショールームでご覧頂けます

PS.
 昨日より私の講演会のDVDを発売しています。
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