TITLE:新潟の美容院「SNIPS」にホワイト・シャンデリアが、、

 ISOLA LINERのビジュアル写真にも使用されたウィニー・ルイのシャンデリア「WHITE」が新潟の美容院「SNIPS」で使って頂きました。

 白を基調としたミニマルなインテリアの中に装飾性の強いシャンデリアと家具を配して、これからの日本のインテリアの向かう方向性を示唆するような先駆的なデザインです。
 この「WHITE」の他にトーヨーキッチンからは、シャンデリアは「Kilala」と、ソファーの「BLACK MINK」が納入されています。

 素晴しいインテリアの美容院ですね。

TITLE:ロンドン日記「TENT」

 メイン会場を離れて次の会場「TENT」に向かった

 会場も古い工場を展示会場に改装しようで、メイン会場よりも、こちらの方が日本で考えてた「100%デザイン」のイメージに近かった。
 デザイナー・ベースや小さな企業の灰汁の強いプロダクトとか、学生の作品とか、マス・マーケットに向けてのプロダクトというよりは、かなり個性の強いアーティスティックな製品が多くて、どちらかというと、私の場合はこういったものの方がロンドンらしいって思ってしまいます。

 段ボールの椅子
 一枚の段ボールで出来ているかどうかという確認はしませんでしたが、見かけた所一枚の段ボールからで来ているような印象はありました。
 ちょっとエコのイメージですね。
 耐久性は分かりませんが、会社のエントランスにに欲しいと思いました。

 木のテーブルの一部が喰いちぎられたような加工が施されている。
 アートピース的な家具ですね。
 日本ではアート的な家具のマーケットは小さいので、こういった類いの家具を販売するのはとても難しい。でも、個人的には好きなので、将来的にはこういった家具のマーケットにチャレンジしてみたいと思っています。

 これもアート・ピースとしての家具ですね
 完成した家具に無作為にスリットが刻まれていて、脚に至ってはこれもまた何かに齧られたような加工が施されている。

 巨大な段ボールの木馬
 子供が乗るには大きすぎるので、これもオプジェの一種なのかもしれない。
 これもまたエコのイメージなんだろうなと思った。

 マウスの剥製を使ったランプ
 ちょっと気持ち悪い気がする。
 こんな製品誰が買って、どんな用途に使うのだろう??

TITLE:ロンドン日記 「100%デザイン」

 今日からロンドン日記始めます。
 今回ロンドンに行った目的の一つに「100%デザイン」の視察があります。
 まず、その話しから・・・
 「100%デザイン」はアールズ・コートにあるメイン会場を中心として、市内のサテライト会場「TENT」、ロンドン市内のインテリア・ショップが同時にイベントを行うものです。
 以前から一度は行ってみたいと思ってたのですが、なかなか機会が無く、今回初めての視察ということになります。

 まず、アールズ・コートのメイン会場から
 メイン会場の規模はサローネやメゾン・ド・オブジェと比較すると遥かに小さい規模で、会場をゆっくり見て回っても、半日もあれば見終わってしまう程度だったのには少し期待はずれの感がありました。
 展示ブースの内容にしても、70%程度が建材が占めてて、「これじゃ100%デザインじゃなくて、30%デザインだな」とか思ってしまいました。
 日本で報道されているイメージとは随分とかけ離れていました。
 それでも、中にはイギリス的なエスプリが効いた面白い家具やらがあったので、少し紹介します。

 一見、何でも無いアンティーク調のソファーに見えますが、なんとこれがコンクリート製なのです。
 近くで見てもとてもコンクリートには見えません。
 でも、座ると固いコンクリートそのもので、その意外性が面白い。

 円形のピンポン台。
 3人同時にピンポン出来ますって、、殆ど意味が無いけど、、ピンクの脚とあいまって、なんか可愛い。

 古いラグ、もしくはエイジング加工をしたラグを縫い合わせて一つのラグにしたもの。
 この流れのラグは今年のサローネでもあちこちで見たので、ラグの一つのトレンドになっていると思う。
 日本のインテリア・シーンに登場するのは、当分はちょっと難しいだろうなと思いました。

 カラフルなグラフィック処理が施されたテーブル。
 仕上げはかなり奇麗でした。
 メイン会場については特に注目出来るものはなかったので、早々に切り上げて次の「TENT」の会場に向かいました。

TITLE:サローネ2010 その2 全体の印象

 それではいよいよサローネの本題に入ります。
 まず、、全体の印象というのは元気がない、、ともかく世界的な不況の影響だとは思いますが、サローネ全体のメーカーとしての活気が以前よりかなり低く感じました。
 今年はキッチンの年なのに、どのメーカーも発表は自社のショールームかフィエラのブースだけで、特設会場を発表の場を持っているメーカーは皆無だった。
 メーカーが駄目なら、デザイナーや建築家個人はということで、ここはむしろ今まで以上に活気があった。
 この傾向が続くと、サローネは商売の場ではなく、むしろ作家やデザイナーの発表の場と化してしまうのでないかと思う程です。そうなると、本来のサローネの意義はまったく変わってくる訳で、、でも、、まあ、そんな事はあり得ないとは思いますけど。
 2つ目の印象は、やたら中国人が目立っていた。会場でも中国語が飛び交い、中国の現在の勢いを象徴するかのようでした。 
 でも、サローネ全体の入場者は7%増えたそうだけど、これって殆ど中国人っていうことかもしれない。ともかく、中国人ばかりでした。

 まずアート家具の話です。
 世界同時不況の影響だと思いますが、メーカーはどうしても売れ筋を中心の新製品が多くて、刺激を受ける事が少なかったのが残念です。まあ、中にはエドラやエスタブリッシュ&サンやバルビエトーゾのようなパワーが溢れた新製品を発表してくれたメーカーもありましたけど・・ まあ、この話はまた後ほど。
 上の写真は椅子を樹脂で固めたもので、韓国のデザイナーの作品です。デザイナーの名前は忘れました。ともかく、椅子としての機能を放棄した製品で、まさにアート家具の典型ですね。椅子が氷詰めになった製品もありましたが、同じ作家のものかは不明です。
 前述で書いたようにメーカーが元気がない分、こういったデザイナーの発表の場が増えてきていて、ドローグのような動きを見せ始めたデザイナーも目につきました。つまり、メーカーが新製品に対して臆病になった事で、発表の場をなくしたデザイナーが自分で出資者を募り、自分で製品化を図る、、まあそんな動きですね。

 次に全体の製品トレンドですが、家具のアート化というトレンドは別の切り口ですから、ちょっと横に置いておいて、メーカーとしてどんなトレンドを意識した製品があったかという話をしたいと思います。

 トレンドは名古屋のコンランショップの講演で話したように大きく分けて3っつに分類出来ると思いました。
 1) デコラティブ (カラーも含みます)
 2) スローライフ (キーワードは自然、ロハス)
 3)  インターカルチャアル (異文化との融合とでも訳しますか)
 それでは、順番にその代表的と思われる製品を紹介しながら文を進めます。

 最初は「デコラティブ」
 ご存知ガエターノ・ペッシェ
 メーカーはメリタリア
 このソファー、メリタリアのショールームの外の路上に展示してありました。
 ちょっとグロテスクだけど、さすがペッシェ、、カラフルでデコラティブ
 ペッシェはこの他にもトリエンナーレの広い会場での発表もありました。
 他にも、カラフルな家具で有名なカリム・ラシッドもいろいろなメーカーから新製品を発表してましたし、当社が扱っているモザイクのメーカーSICIS社から驚くようカラフルで有機的なデザインの家具の発表もありました。
 デコはまだまだ健在だと思いました。

 次に紹介するトレンドは「スローライフ」
 沢尻エリカとの離婚問題で騒がれている高城剛も最近出版した本のテーマはやはり「スローライフ」
 日本でもソトコトという雑誌が数年前から売れ始めているとか、ともかく「スローライフ」が世界の生活スタイルのトレンドになってきているのご存知の通り。
 デザインやインテリアの世界でも5年くらい前からこの傾向の兆しがあり、今年のサローネではトレンドの爆発とも思われるような状態になりつつあります。
 写真はスローライフデザインの寵児ピート・ヘイン・イークの収納家具
 価格は聞かなかったけど、かなり高価なものだと思う。
 このスローライフを日本の市場で考える時に一番のハードルが価格だと思う。
 こういったエイジング加工というのはとても高価なものだけでど、日本人のインテリアの価値観の中にこういったデザインがとても高価なものだという認識は現在ではないと思う。
 日本でこういった製品が普及するのには、日本人の価値観が変わった時がポイントなのではと思いながら、実は今月末の新製品のテーマは「スローライフ」、展示は今月末から東京、名古屋、大阪の各ショールームに設置する予定なので、ぜひ興味がある方はお出かけ下さい。
 東京のショールームにはフランスはプロバンスの本格的なエイジング加工を施したキッチンも展示する予定なのでご期待下さい。

 最後はインターカルチュアル、、異文化を融合させた感のデザイン。
 マルセルワンダーズやパトリシア・ウルキォラがそれだと思う。
 この傾向に具体的なネーミングが与えられ始めたのは最近だと、トレンドとしての歴史は結構長いと思う。
 写真は偶然見つけたエスニックな張布のソファー、ちょっとウルキオラ風ということも言えるけど、メーカー名は不明
 デザイナーがデザインをゼロから創造するかというと、そういう訳ではなく、何かを見てインスパイァーされたというケースが多いというか、大半ではないかと思う。
 そういう意味から、まだ見た事のないもの、見た事がない文化、見た事がないデザインという事になると、異文化の接点から見いだす事があるというのは自然だと思う。イブサンローランのデザインがモロッコのマラケシに居を構える事で花開いたという事ととか、ピカソの絵とそっくりな顔をアフリカの原住民の絵に見つけたとか、、そういう事だと思う。
 今後、デザインに関しての情報が瞬時に世界を駆け巡る時代になった現代、まだ見ぬ辺境のアートからインスパイァーされるデザイナーは今後も増えてくるものと思う。
 さて、、総論のイントロダクションはこのくらいにして、次回からメーカー毎の各論に入ります。

TITLE:SICISモザイクを外装に使ってみました

 イタリアSICIS社のガラス・モザイクですが、外装に使うことで建物のもつイメージがより豊かになります。
 日本ではまだガラス・モザイクを本格的に建物の外装に使った実例はないのですが、ヨーロッパではかなり使われ始めています。
 その実例写真がSICIS社から送られてきたので紹介します。

 かなり建物の表情が変わりませんか?
 もう一つの建物はマンションです。
 場所はスイスのようです。

 如何でしょうか?
 内装だけでなく、外装タイルとしても積極的にアピールしていきたいと考えています。

TITLE:名古屋インテリア・ショップ事情その後

 2日前に書いたばかりなのに「その後」というのも変なものだけど、あの記事の後に「ヤマギワ名古屋」が閉店するという情報が入って来た。
 それも、3月14日だから、もう再来週の日曜日までという急な話。
 ヤマギワからの案内だと「ショールームは継続する」って書いてあるのだけど、これはショップはクローズしないという意味なのかちょっと不明だけど、ともかく営業は終了するらしい。
 これで名古屋から高感度のインテリア・ショップがまた一つ消えてしまったかもしれない。

 さて、明日から福岡ショールームのオープンの為に福岡出張です。
 金曜日は午後3時から関係者内覧会で、土曜日から正式オープンの運びとなります。
 関係者内覧会は勿論ですが私も出席しますし、土曜日も午前中はショールームにいる予定です。
 福岡のお客様にお会い出来るのを楽しみにしています。
 それと、美味しい福岡の食事も楽しみです。

TITLE:GDC代官山本店がオープンしました

 

 GDCの旗艦店、「代官山店」が2月11日にオープンしました。
 オープンに先駆けて、関係者の皆様へのお披露目レセプションが開かれました。
 当日は生憎の小雨まじりの天気でしたが、おかげさまで沢山のお客様に来て頂きました。

 写真は沢山のお客様で大混雑の店内です。
 一時は店にお客様が入りきれずに外まで溢れてしまいしまた。
 沢山のお客様に来て頂いて、本当にありがとうございました。

 店内の内装にはトーヨーキッチンが販売するインテリア商品が多数使用されています。
 左の写真は一段上がったショップ棚の床にライン状に敷き詰められたイタリアSICIS社のガラス・モザイク
 右の写真はトムディクソンのライトウェイトで二階に上がる吹き抜けに吊るされています。
 トーヨーキッチンが世界からセレクトしてきたインテリア商品が、こういった商業空間でどう使われているのか、興味のある方はぜひご覧下さい。

  左の写真はGDC代官山店のオープンを記念して期間限定で発売されている「Daikanyama」「代官山」Tーシャツと記念の風鈴。
 どうして風鈴なのかというと、GDCのディレクター熊谷隆志の実家は南部鉄の作家なので、南部鉄といえば代表的な製品は「風鈴」ということでした。
 お時間がありましたら、ぜひGDC代官山店にお寄り下さい。

TITLE:メジャーな建築雑誌の表紙にトーヨーキッチンが

 日本を代表する建築雑誌、「新建築」と「日経アーキテクチュア」の2つの建築雑誌の表紙にトーヨーキッチンの「PUTTON」(プットン)が掲載されました。
 まず「新建築」2010年2月号

 続いて「日経アーキテクチュア」2010年1-25号

 何れの写真も横浜市西区に建築された「ヨコハマアパートメント」
 設計は西田司+中川エリカ/オンデザインパートナーズ
 アパートの一階が共有部分になっていて、その真ん中にトーヨーキッチンの「PUTTON」が置かれている。
 こうやってメジャーな建徳雑誌の2誌の表紙に同時に掲載されたのは始めてのことなので、なんかとても光栄です。

 この「ヨコハマアパート」、ちょっと不思議な構造になってて、一階は全て共有部分で、各部屋は全て二階にある。各部屋への階段は写真のように全て共有部分からの内階段になっている
 なかなかユニークで楽しそうなアパートですね。

TITLE:ようやく辿り着いたポンピドー・センター

 以前からポンピドーセンターに行ってみたいと思ってはいたのだけど、何故か機会がなくて実は一度も行った事がなかった。ともかくパリというより世界の現代アートのメッカと言っても過言ではないポンピドーセンター、ようやく行く事が出来た。

 正式名称は「ジョルジュ・ポンピドゥ国立美術文化センター」、レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースが設計し1977年に開館した。
 写真を見ても分かるように、建築途上の足場をそのまま残したようなイメージの不思議な建築物。こんな建物がパリの街並には似合う筈がないと思うけど,建物の前に立ってみると、これが妙にパリの街並に溶け込んで見える。
 パリの美術館はフラッシュをたかない限り撮影は自由なので、収蔵品を自分のカメラに収めアルバムにするという楽しみもある。ポンピドーセンターも例外ではなく、館内の収蔵品の撮影は自由だった。

 ポンピドー・センターの展示品は本当に多義に渡っている。
 知名度の高いマチス(上の写真2枚)もあれば、現代アートには疎い私には聞いた事がない作品から、ともかく幅広い収蔵品に驚かされる。

 こんな不思議な黒子のような像が並んで座ってたり

 吉岡徳仁が「セカンド・ネイチャー展」で発表した「ヴィーナス-結晶の椅子」の発想はここから得たのではないかと思われる展示があった。「有刺鉄線の塩ランプ」という名称が付いてた。鉄条網を様々な模様に展開させ、死海に沈めたあと、砂漠の太陽の元にさらした作品らしい。
 作家の名前はSigalit Landau/シガリット ランダウ
 彼の作品は他にも展示されていたので、興味のある方はぜこポンピドーセンターを訪問して下さい。

 絵画や造形だけでなく、近代家具も多数展示されていた。
 写真左はご存知コルビジェのソファー、右はアイリーン・グレイの収納ワゴン

 展示品の中にはジャン・プルーヴェのブレハブの家まで展示されていたのには驚いた。
 ポンピドーセンターは1914年から現代に至るアート作品の展示が行われている。アートも現代に近くなればなるほど、「アートの境界って何?」という思いに捕われてくる。そういう意味では自分が持つ常識という垣根をいとも簡単に飛び越えてしまったような、目眩にも似た感覚に襲われる。
 ロン・アラッドだと思うけど、「アイデアに困った時にはポンピドーに行く」と言ったそうだけど、確かにここは「常識を超越したアイデアの宝庫」ということが言えると思う。