TITLE:サローネ2007(9) BISAZZA 編

 DECOのトレンドの流れを受けて、4,5年前から徐々にモザイク・タイルが見直され始めている。数年前にはミニークーパーの表面をカラフルなモザイク・タイルで覆ったプレゼンテーションがトリエンナーレであったり、当社も二年前の「デザイン・セプテンバー」というイベントの中で、モザイク・タイルでアメコミ風のキャラクターを描いたものをキッチンと一緒に展示したこともある。
 この時に展示したベネツィアン・モザイク・タイルで描かれた「アメコミ」や、複雑な抽象柄は名古屋、大阪、京都、福岡、熊本に展示してあるので見られた方も多いと思う。キッチンの壁面にモザイク・タイルのアメコミって、ちょっと御洒落だと思いませんか?
 最近は、日本でもモザイク・タイルが徐々に一般的になりつつあり、INAXは花柄のモザイク・タイルを浴室の在来工法のプレゼンテーションに使い始めたりしている。量産メーカーがこういった量産向きでないアプローチをするのは珍しく、その点では面白い会社だと思っている。

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 今回のサローネではBISAZZAがとんでもないプレゼンテーションをしていた。
 工業製品と言うよりは、アートに近いデザインをしている「JAIME HAYON」と、最近何かと話題が多くなってきている「STUDIO JOB」とのコラボレーションを発表していた。個人的には、このプレゼンテーションが一番面白かった。

 まずは「JAIME HAYON」のプレゼンテーション

 巨大なピノキオ?、表面は全てモザイクタイルで埋め尽くされている。お腹が何故かパックリ開いていて、ゴールドのモザイク・タイルが中から覗いている。

 部屋に散在する不思議なモザイク・タイルの塔。

 会場風景をビデオ・クリップしました。ビデオを見てるだけでも、何かラビリンスに迷い込んだような錯覚に陥ります。

 次は、御馴染みというか、何かと話題の「STUDIO JOB」、最近はファンも増えてきてるみたいだ。スタジオはアントワープにあるという話なので、ファションとの関連性もかなり強くあるのではと推測する。

 巨大なシルバーのモザイクタイルで出来たシャンデリア。綺麗というよりは、なんか不思議な感じがする。その存在感は圧倒的!

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 巨大なシルバー・モザイク・タイルのディシュ・カバーと、壁に掛かった鏡

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 巨大な水差しと、巨大な壁にかかったスプーン。勿論、表面は全てシルバー・モザイク

 ともかく、このBISAZZAのプレゼンテーションは強烈だった。インテリアがDECOに振れるに従って、ミニマルで良く見られた大量生産に都合のいいデザインではなく、量産出来ないような、とちらかというとアートと工業製品の中間的な商品が徐々に増えてきているような気がしていた。このBISAZZAは今回のサローネではその際たるものだと思った。
 こういった流れを見ていると、DOMUSの対談で、ソットサスの「私は工業デザインの話をしているのではない、デザインの話をしているのだ」という言葉を強烈に思い出した。

TITLE:サローネ2007(8) edra編

 edraというのは本当に不思議なメーカーだ。発想も新しいし、意表を突いてくる。プレゼンテーションもかなりユニークだ。

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 始めてedraを見た時は、こういった製品を創り出す家具メーカーが会社として経営が成り立つというのはとても不思議に思えた。ある意味ではエッヂの部分だけを切り取った製品を作っている訳だけど、エッヂの部分であればあるほど、製品としては面白いが、販売ということになると自分でマーケットを狭めてるだけで、とても経営が成り立つほど売れるとは思えなかった。しかし、こういったedraのようなメーカーを受け入れることができるというイタリアの市場の多様性と懐の深さというのは、ただただ感服するばかりだ。
 edraの今回のサローネでの新製品です。

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 皮のシート片で覆われた椅子。皮は茶、白、黒の三色。デザイナーはカンパーナ兄弟。

 最近多くのメーカーから大型の変形ラウンジ・ソファーが出ているが、もともとedraが始めたもので、今年も新しいデザインのものが出てました。デザイナーはINGA SEMPE。余談ですが、ロッソジャポネーゼの古民家の写真の手前に置いてあるソファーはedra製のラウンジ・ソファーです。





 「接吻」と名づけられたソファー、、以前からあるデザインだが、貼り布がグフスィック的に処理してある。良く見ると男女が抱擁して接吻している絵だ。




 





















 edra社のショールームの地下、巨大なラウンジ・ソファーが広いスペースに散在している。これだけで絵になる光景だと思いませんか。

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 昨年発表されていたスワロフスキーを散りばめたソファー。ちょっと座るのが怖いが、キラキラと光る表面が美しい。



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 トルトーナ地区の新しいデザイン・ホテルのラウンジに大量に置いてあったedra社のMasanori Umedaの花のソファー。edra社の家具はこういったスペースにとても映える。




 ともかく不思議なメーカーだ。特に、マッシモ・モロッツィ(Massimo Morozzi)がアートディレクターを務めるようになってから面白くなったと言われている。ファションもデザイナーの時代から、ディレクターの時代だと言われている。家具・インテリア・メーカーも同じように、これからはデザイナー主体ではなく、ディレクターの時代が来るのかもしれない

TITLE:サローネ2007(7) milano fashion編

 今日はサローネを離れて、市内のモンテナポレオーネ界隈のwindow shoppingをしながら、ミラノファッションの最新事情の話をします。
 ご存知と思いますが、ミラノ・ファッションの中心的なショップはミラノの中心であるサンバビラからモンテ・ナポレオーネ通り、それとそこから分かれるスピーガ通りに殆ど集中してます。従って、この辺りをうろつけばミラノ・ファッションの定点観測なるものが出来るわけです。有名なインテリアショップもこの辺りに数多くあり、まさにインテリアとファッションの融合が進んでいるとも言えます。事実、アーキテクトの中にはバッグやベルトやアクセサリーのデザインをする人は珍しくありません。このことがファッションとのトレンドとインテリアのトレンドの関連性を強めている理由だと思います。
 ミラノ・ファッションや世界の先端ファッションを見るとことで、インテリアの次のトレンドが予測できるというのが私の持論です。 そんな視点でこのレポートを読んで頂ければ、インテリア関係者の方も面白いと思って頂けるかもしれませんね。
 今回のミラノはゴールド、シルバーの洪水でした。日本でもメタリックな素材は徐々に一般的になりつつありますが、ミラノはこれが徹底されていました。
 まずはクローム系シルバーからです

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 左はクリッツィアのロング・ドレス、右はベルサーチのロングドレス。どちらもメタリックなクローム調の質感を持つ美しいドレス。価格は知らぬが華なんでしょうね・・ 

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 クリッツィアのカットソー、薄く透ける素材に散りばめた光り輝くシルバーの模様は何で出来ているのだろう?触ると溶けてしまいそうな繊細な質感がはかなげで好感が持てる。

















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 日本でもかなり一般的になってきたクローム素材の靴とサンダル、、サンダルにはスワロフスキーが埋め込んである。
 次にゴールド素材はどうなのか?

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 ロベルト・カバーリのゴールドのベルト、ミラノで最も華やかで高価なブランドだ。ゴールド使いがとても上手い。このブランドはあまりに高価すぎて、日本では殆ど見かけないかった(最近新宿高島屋に店ができたらしい、、)。でも、セカンド・ラベルであるジャスト・カバーリやCLASSは若い女性の間ではかなりブームになっているのだけど、、、



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 ゴールドのサンダルとトップスとバッグ、、日本ではあまり見たことがないブランドだった。私が知らないだけかもしれない。

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 お馴染みのドルチェ&ガッバーナは、なんとマネキンまでゴールドだった。店内にはゴールド素材の服やアクセサリーが溢れていた。
 クローム系シルバーとゴールド素材は、実は5年前程から徐々にファッションに取り入れられ始めてきた。2007年の秋冬のコレクションを見ても、ゴールド・クロームのトレンドは当分続く気配だ。日本でも今年になってかなり溢れ始めている。
 「ファッションのトレンドがやがてインテリアのトレンドとなる」というのが私の持論だが、その持論で行くとインテリアにもクローム・ゴールド系の素材が入ってくる筈だ。事実、今回のサローネでもその気配は感じられたし、ミラノではゴールドを基調としたインテリアのレストランもオープンしている。
 ゴールドは住宅のインテリアでどう使っていくのかというのは、ちょっと考えないと難しいかもしれないが、クローム系シルバーはそんなに難しくないと思うし、今後店舗だけではなく住宅のインテリアにも取り入れられてくると思っている。昨年Grand-Bay INO V-Landでビッグウェーブとクロームメッキのハンドルの組み合わせのキッチンを発表したのも、そんな背景から見て貰えると分かりやすいと思う。


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 カルテルはファッションとのコラボレーションを積極的に進めていた。左の写真はMOSCHINOとのコラボ、真ん中の椅子はなんと安全ピンが敷き詰めてある。右の写真はETROとのコラボ。写真には撮れなかったが会場ではドルチェ&ガッバーナの豹柄の布を張った椅子がカルテルから出品されていた。

TITLE:大阪スタジオが改装オープンしました

 本日、長らく改装中だった御堂筋本町の大阪スタジオがオープンしました。
 大阪は設計が少し古かったので、今回の改装で全体的にオープンにしたのと、セット数を減らして商品を少し引いて見て戴けるようにしましたので、以前よりは格段に見やすくなったと思います。

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 正面を入ると、新製品ISOLAのロッソジャポネーゼが照明のカボッシュと共にセットされてます。バトリシア・ウルキオラのこのカボッシュ、ミラノサローネでもかなりブレイクしてましたが、改めて見ると本当に美しい照明だと思いました。

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 正面から真っ直ぐ進むと、ISOLAシリーズが続いています。勿論、INO V-LAND、ビックウェーブも展示されています。
 大阪の展示ではV-Landもカボッシュのサイズを照明に使っています。ロッソジャポネーゼだけでなく、このカボッシュはいろいろなキッチンに合いそうです。

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 さらに進むと、この大阪で始めて公開されたINOのオンウォールがベネツィアン・モザイク・タイルと共に展示してあります。
 オンウォール・タイプのINOの展示は大阪が初めてなので、私もスタジオでどう見えるのか心配だったのですが、なかなか美しいし、オンウォールでもINOの美しさは損なわれていないので安心しました。この大阪にはINOのペニンシュラー・タイプも展示されてますので、併せてご覧下さい。

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 右手奥の窓際には、世界初のDECOのトレンドを先取りしたキッチン「アラベスク」が展示されています。発売してもう二年になりますが、今年のサローネで見られたDECOのトレンドを見ると、ようやく時代が商品に追いついてきた感がして、ちょっと感無量です。

TITLE:サローネ2007(6) RonArad編

 RonAradにはいろいろな思い出がある。
 勿論、RomArad本人には面識はないが、ミラノでのいろいろな場面でRonAradとの接点があった。何かの縁なのかと思うことがあるが、そういう意味でも大好きなデザイナーの一人だ。

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 最初にRonAradの作品に出会ったのは、うちのミラノの所長がチニ・ボエリの事務所で働いていた頃に設計した「田園の丘陵地に建つ住宅」というのがあって、その内装に何やら鉄の板を曲げた不思議なブック・シェルフを見つけた。RonAradがまだ大きく売り出す前に自分で溶接機やらを持ち込んで、自分の手で製作したものだということだった。まったく不思議なものを作るデザイナー?職人?だと思って、強烈な印象があった。その後、カルテルからBookworm Shelving として樹脂で発売されているのを知った。
 余談だけど、自宅はこのチニ・ボエリの「田園の丘陵地に建つ住宅」をイメージして設計して貰った。勿論、イタリアの田園の丘陵地に建ってる訳ではない。

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 二度目に彼の作品に出会ったのは、ミラノのとあるショールームの地下のバーカウンターだった。このバーカウンターもRonAradが自分で溶接機を持ち込んで製作したというもので、彼特有の不思議な曲線を持つ美しいもので、一目見ると脳裏に焼きついてしまうという強烈なオーラーを発していた。自分で現場で製作するなんて、凄いデザイナーだと改めて思った。このショールームは今は閉鎖されていて見ることは出来ない。

 写真はミラノ城で展示されていた金属ワイヤーの椅子。連続した無数のワイヤーを一つ一つ形状に沿って曲げて形を作っている。気の遠くなるような作業だと思った。
 その後、彼はサローネの際、ミラノ市内の外れにある画廊を借りて個展を始めてから、ぐんぐんとメジャーになってきた。彼の個展で印象に残っていたのは、真っ暗な空間に白いビニールの紐を無数に垂らし、その紐のカーテンに向けて彼の製作した映像がプロジェクターで投影されていたものだった。紐なので掻き分けてスクリーンの中に入りこむとこができ、スクリーンの裏側からも映像が鑑賞できるという不思議なインスタレーションで、これも印象は強烈に脳裏にこびりついている。この紐のアイデアは、憶測だけど、昨年の吉岡徳人のTOYOTAのインスタレーションのアイデアの基になっているのではないかと思っている。
 この個展で御馴染みの「ロッキング・チェアー」を始めて見かけた。欲しいなと思ってると、たまたまミラノ市内のとてもマニアックな家具屋で売りに出されているのを見つけた。値段を聞くとなんと300万と言われて諦めた。
 しかし、その後、このロッキング・チェアーが貸し出されてドルチェ&ガッバーナのショーに突然登場したら、あれよ、あれよという間に価格が上がり一年も経つと更にとんでもない値段になってきた。まあ、完全に諦めは付いたけど、今でも心のどこかに引っかかっている。
 ショーに登場してから、暫くしてサローネでドルチェ&ガッバーナRonAradのコラボレーションが始まった。昨年からはドルチェ&ガッバーナの専用ランナウェーイを使ったRonAradのプレゼンテーションが始まり、サローネで最も人気があるイベントになってきている。

 写真はこの会場で発表されていたロッキング・チェアー。

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 会場風景をビデオ・クリップしました。ロックンロールが流れる会場、ランナウェーイの上に並べられたオブジェやロッキングチェアーの数々、暫しRonAradとDolce&Gabbanaの不思議な世界をお楽しみください。

 今回はブックシェルフも発表されていた。RonAradらしくて、不思議な曲線に覆われている。

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 RonAradの作品は、今回もいろいろなメーカーから発売されていた。。

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 本日(2007年5月3日)、長らく改装中でした大阪御堂筋のスタジオがオープンします。お時間がありましたらぜひご覧下さい。私も昼過ぎにはいる予定です。

TITLE:サローネ2007(5) Patricia Urquiola/MOROSO編

 
 恐らく2007年度のサローネで最も目立ったのはPatricia Urquiolaではないかと思う。
 MOROSOはPatricia Urquiolaでほぼ半分は埋め尽くされていたし、他のメーカーからも彼女の作品は本当に沢山出品されていた。いまや、押しも、押されぬミラノ・デザイン界の大御所と言ってもいいかもしれない。

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 まずはお馴染みのAntibodi、、今回は青い花びらを持つ単色の寝椅子。他の彼女の作品がカラフルで華やかなものばかりだったので、特にこの「深い海のようなブルー」が印象に残っている。彼女の次の作品へのテストなのかもしれないと思って見ていた。

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MOROSOは、カラフルな具象モチーフを散りばめた和のテーストを取り入れたソファーと、丸い巨大なクッション・ソファー。どちらも先に紹介したMarcel Wandersのデザイン。日本では相変わらずモノトーンで直線的なソファーが多いが、こんなソファーが日本の住宅で一般的に使われる日は近いだろうか?取り敢えずは、まだ日本で全盛のミニマルな空間に、一つだけこういったカラフルなソファーを放り込んでみると、想像しただけで新鮮で、何やら楽しくなりませんか?空間構成としても、あとの空間がミニマルな無彩色を基調とした空間なら、そんなに難しくなく作り上げられると思う。

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 日本のだと思われるようなカラフルな布を貼ったラウンジ・チェアー。デザイナーはミラノ在住の富田一彦。美しくて、とても新鮮だった。日本の古民家の空間の中に放り込んでみたい。特に、ロッソジャポネーゼの横に置いてみるとどうなるのだろう??こういった意表を突く家具を見ていると、ミラノにいる事を忘れて、空間の妄想は限りなく広がっていくのです。

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 B&Bの市内のショールームの一番前のウィンドウ側に置いてあったソファー。勿論デザイナーはPatricia Urquiolaなんだけど、これにはちょっとびっくり。B&Bといえばチッテリオだというイメージなんだけど、これは一体どういうことなのか??チッテリオを探すと、ショールームの一番奥、ザハ・ハリドの奥に見つけました。展示してある作品は、新作なのだか、旧作の手直しなのか、良く分からなかったけど、いずれにしてもちょっと新鮮味は欠けてたし、見ている人は極少数だった。
 見てて面白かったのは、B&BのPatricia UrquiolaはMOROSOとは違って、やはりB&Bの臭いがプンプンするのです。やはり同じデザイナーを使っても、会社によってこれだけ違うのかという印象でした。

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 Patricia UrquiolaやMOROSO、、どうしてこんなにポピュラーになってきたのかという事を考えてみると、勿論デザインの美しさと新鮮さはあり、いいデザインであることは間違いないし、私自身も大好きなのだけど、それ以外に何かの理由がある筈だと、、サローネ期間中ずっと考えてた。帰りの飛行機の中で、突然に「こういうことじゃないか」と閃いた事がある。それは、ミニマルからDECOへの橋渡しの役目として彼女のデザインは一番自然なのではないとかいうことです。写真はトード・ボーンチェによるDOLL CHAIRです。

 時差ぼけの頭で考えたことなので、まあ、いい加減な話として聞き捨ててください。

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TITLE:サローネ2007(4) Marcel Wanders編

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 時代の寵児Marcel Wanders
 いま世界で一番旬で、熱いデザイナーMarcel Wanders
 デザインという想像力の琴線をダイレクトに刺激してくれるデザイナーMarcel Wanders
 2007年のサローネでも しっかりやってくれました。
 天才かもしれない。

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 お得意の巨大モチーフは健在。巨大なスタンド・ライト、大きさは一緒に写っている人間と比較して下さい。マルセルがプロデュースするMoooiではstudio JOBによる巨大なシャンデリア。小さいものを単純に巨大にするだけで、形としてバランスがとれるのかという疑問がありましたが、実物をよくよく見ると、ディテールでの工夫はかなりされている節が見られました。さすがMarcel Wanders、、ただものではない。

今回の作品の中でのハイライトはレースを樹脂で固めた家具

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中は空洞なので座ると壊れそうな気がするが、座ってみると意外と頑丈。でも、レースということで座りながら一抹の不安感を感じるのが、なんか自虐的に心地良い。しかし、こんな発想と、技術はどこから出てくるのだろう?

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 同じく、レースの四角いスツールと、巨大で装飾されたベルの前に置かれた「子犬」のモチーフ、これもレースを樹脂で固めてある。中は、勿論空洞で透過性がある。巨大な装飾されたベルは、他にも何台も展示されていた。もうこれはアートの世界なんだと思う。

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 ゴールド系の具象モチーフが施されている「チェスト」と「椅子」。ちょっと淡目のゴールドが上品さを感じさせる。
 具象モチーフや抽象モチーフのファブリックを貼ったソファーはこの他にもいろいろ展示されていた。形状も単純な定規で線を引いたようなデザインではなく、人間の手が確実に入った線を基調にしているのが、よりいっそう暖かみを感じさせる。日本の市場でも、無印的なシンプルだけど無機質で単調なソファーや家具ではなく、こういったより暖かい、人間味を感じさせる家具に変わっていくのだろうと思います。まさに「ミニマルの終焉」と「DECOの始まり」が日本でも急速に進むだろうと思います。
 余談ですが、チェストの前に座っている男性が着ているカラフルなシャツが、Marcel Wandersのブースに妙にマッチしている。個人的にもちょっと気に入りました。どこのシャツだろう?もう一つ、会場で会った「モダンリビング」の編集が着てたメンフィス柄のMIUMIUのシャツもとても良かった。男性のシャツも柄物のの時代が到来なんでしょうね。

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 コクーンと不思議で新鮮なモチーフを表面に施したオットマン。これからの家具は、これほどカラフルで躍動感のあるデザインになって行くのだろうか?美しいだけに、その可能性に付いて考え込んでしまいました。ここまでDECOが行くとしたら、DECOの可能性は無限に広がっていくと思います。

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 ゴールドのモザイク・タイルが表面に張られた展示車。勿論ダミーで走ることは出来ません。一昨年のサローネでベネツィアン・モザイクで装飾されたミニ・クーパーがトリエンナーレで展示されてましたが、こうやって見ていると、こんな車もありかな?と思ってしまいます。

 最後にサローネでのMarcel Wondersの個展をビデオでクリップしました。写真よりもより臨場感があるかと思います。

 最後にお願いです。
 「人気Blog Ranking」なるものに登録しました。興味半分に登録したのですが、順位が少しずつ上がってくにつれ、性格的なものなのか、どうしても順位をもう少し上げたいなんて思ってしまいます。もしお願いできるなら、左上の「人気Blog Ranking」のボタンををクリックして貰うとカウントされるようです。宜しくお願いします。現在「インテリア部門」の37位です。

TITLE:サローネ2007(3) YCAMI編

 今日はアルミ家具の名門YCAMI社から紹介します。ご存知とは思いますが、YCAMI社の製品は日本ではTOYO KITCHENが総代理店を務めています。

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 YCAMI社と、TOYO KITCHENとのつながりはもう17,18年近くになるでしょうか?本当に不思議な縁で始まりました。ある年に、サローネYCAMI社の家具を見て、一目で気に入ってしまいました。でも、当時はもう既に日本に扱っている業者があって、何度引き合いを出しても相手にして貰えなかったのです。でも諦めずに、イタリア国内でコネクションを探して、なんとか取引を開始したいとしつこく粘っていたのです。イタリアというのは面白い国で、個人のコネクションをとても大切にする国民性で、局面が打破できなくても、間に共通の友人、知人を立てることで、驚くほどスムーズに問題が解決する場合が多いのです。

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 この時、YCAMI社との間に立ってくれたのは、なんとBoffi社の海外マネジャーだったのは、今から思うと本当に不思議です。まだ、創業者のパウロ・ボッフィーが健在な時代の話です。その後、この海外マネジャーは新しく社長に赴任した現在のガバジ社長とそりが合わずBoffi社を離れることになるのですが、、この話はまた後日・・
 YCAMIとは、そんな経緯で取引が始まり、会長のジュセッペ・カイミと個人的な関係を築き、その後、日本での扱い業者はTOYO KITCHEN一社に限定してくれ、現在に至っているわけです。写真はYCAMIのブースでのジュセッペ会長と私です。以前にも書きましたが、ジュセッペ会長は有名なフェラリストで、現在も数台のフェラーリを所有してみえます。面白いのは彼の所有するフェラーリは全て「黒」だそうです。

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 今年のYCAMIの新製品のハイライトは、なんと言ってもORIGAMIと名づけられたアルミの造形的な椅子です。折り紙で折ったような形状と、橋梁を思わせるアルミの構造体で作り上げられた、一度見たら忘れられなくなるフォルムです。会社のエントランス・ホールに複数台置いたり、個人住宅の玄関や廊下にも置くだけで、そのままインテリアとして不思議な雰囲気をかもし出してくれます。勿論ですが、YCAMI社のイプシロンというダイニング・テーブルと合わせても面白いと思います。
 いずれにしても、美しい椅子です。

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 次に紹介するのはSKINです。アルミの表面をシャンパン・コールドに染め上げて、花柄の抽象柄をエッチングした美しい収納ユニットです。キッチン収納もキッチンの扉と同色のユニットを並べ立てるのではなく、こういった異素材の収納ユニットを組み合わせたほうがインテリアとして美しく、お洒落だと思いませんか?GRAND-BAY INOの収納として合わせてプレゼンテーションしていきたいと思ってます。クロームの扉と、シャンパンゴールドの扉の収納、美しいと思います。

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 写真はSKINの表面に施された模様のアップ。最近のインテリアのトレンドでもある具象モチーフが新しさを感じます。

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 丸いラウンジ・チェアーも発表されていました。座面が広くてとても座りやすい。形状も優しくてアイランド・キッチンの側に置いてソファー代わりに使っても面白いかと思います。秋の新製品のプレゼンテーションに使いたいと思ってますが、どうなるか、、、でもキッチンに栄えると思いませんか?

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 昨年発売されたカルロ・コロンボのソファーの新色です。造形的で、今までにないフォルムで、不思議なソファーです。組み合わせて使うとかなりの存在感があります。新色は少し光沢感があるベロアのような素材です。

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 YCAMI社ですが、実は一昨年からジュセッペ会長の一人娘のアデーレが社長に就任しました。スラリとした容姿のとても素敵な女性です。一児の母というのも、ちょっとカッコイイてすね。


 YCAMI社はアルミの家具ということで、イタリアでインテリアにもミニマルの波が押し寄せてくるちょっと前、ミニマルのトレンドが、トレンドとしての予感はあったにしろ、まだまだトレンドとして定着していない20年ほど前に生産を始めました。アルミとかガラスとか、暫くしてダークウッドである「ベンゲ」がインテリアの素材としてイタリアでトレンドになってくる中で、YCAMI社も企業規模を大きく拡大をしてきました。いわゆるミニマルのトレンドと伴に育ってきた会社なのですが、しかし、最近はDECOの流れを積極的に取り入れ始めています。アルミの表面も、従来のアルミの生地の色ではなく、シャンパンゴールドに染め上げたり、表面の模様も具象柄を取り入れ始めてきています。
 余談ですが、この当時「これからはアルミがインテリアの素材としてもっと多く使われてきますよ」と、インテリア関係者に話すと、殆どが半信半疑、また設計事務所の先生には「冷たい金属がインテリア空間に入るべきではない」と訳も分からず叱られたことがあります。別に怒らなくてもいいのに、と、当時は思ったけど、今から考えると懐かしい思い出です。

TITLE:サローネ2007(2) 総論編


 各論に入る前に、まず2007年度のサローネは全体としてはどうだったかという話から始めます。

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 今年は例年よりも参加者が多かったようだと書きましたが、主催者側の発表でも27万人にのぼり、昨年の22万5千人より20%も多い参加者だったようです。もっと驚くのは参加者の62%がイタリア以外からだということで、まさにサローネは世界最大のインテリア・家具・デザインイベントに成長したと言えます。






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 主催者側はこの発表を受けて、来年のサローネは会期をもう一日延長することを検討すると発表しています。会期の延長は参加者の分散を可能にするので、来年は今年よりもっと参加しやすくなるかもしれませんね。来年はキッチンの年なので、日本からの参加者も今まで以上に増えることと思います。
 参加企業についても、現在400社以上も待機リストがあり、その大半が外国からだということなので、恐らく来年はもっと多くの日本企業の参加があると推測します。日本からの参加企業の目的が「世界に向けての情報発信」ではなく、「日本市場への情報のフィード・バックによる企業イメージの向上」だとしたら、参加企業が増えることでマスコミの取材対象が分散するので、後者が目的の企業の意味が薄れるので結果的にはいいことではないとか思います。
 今年の日本企業の参加ブースを視察しても、プレゼンテーションそのものは有名建築家やデザイナーの起用で素晴らしいのですが、展示してある実際の製品やコンセプトがイタリアの現在のトレンドと見比べると、少し時代錯誤ではないかと思われるものがあり、どう贔屓目に見ても日本市場に向けてのイベントであるという感はぬぐえないものも多く見かけました。


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 それではサローネ全体の話に戻ります。
 今年のサローネの特徴は大きく分けて3つあります。
 1つは「ミニマルの終焉」とDECOの時代の本格的到来」です。4,5年前からこの傾向は徐々に出始めてはいるのですが、今年のサローネでこのトレンドが完全に定着した感を持ちました。象徴的なのは、あのチッテリオと切っても切れないとと思われていたB&Bがショールームの最前列に「パトリシア・ウルキオラ」、その後ろには「ザハ・ハディド」、そして最後列がなんと「チッテリオ」だったのにはちょっとびっくりしました。この話は、また後日します。

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 2つ目はイタリア家具業界の再編成の動きです。事前情報でも書きましたが、いまイタリアの家具業界は二つの大きなグループの動きが活発になってきていすま。「シャルメ・グループ」と「オペラ・グループ」です。イタリアの家具業界は中小企業が中心の時代から、巨大な資本をバックにした企業集団の時代に移りつつあるようです。今回のサローネではシャルメ・グループのカッペリーニとフィアットのコラボレーションが新しい時代の到来を予感させました。





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 最後、3つ目は「デザイナーのウィンブルドン化現象」です。つまりイタリアのデザイナーや建築家よりも、海外のデザイナーの活躍する場が大きくなってきています。日本からのデザイナーの活躍もそういった流れの一つと見る事ができます。逆にイタリア人の若いデザイナーで目に付くのは「カルロ・コロンボ」だけのような気がしています。世界中のデザイナーや建築家をミラノに集まり、デザインのレベルは大きく上がったが、逆にイタリア人のデザイナーの活躍する場が減ってきた、、まさに「ウィンブルドン化現象」ですね。
 そうそう、ファション業界とのコラボレーションも以前よりかなり増えてきたと思います。



 さてっと、次回はいよいよフィエラ会場からのレポートです。


TITLE:ALESSIの旗艦店がSOHOにオープン

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 ニューヨークのSOHO地区に新しいALESSIの旗艦店がオープンした。

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 小さな写真しかないので、はっきりとは分からないが、現在のALESSIのショップのデザインからはかなり変わってきているようだ。ALESSIも従来のビジネスモデルを踏襲するだけでは限界が見えてきているので、複数ブランドの展開を始めたり、他のメーカーとのコラボレーションを始めたりしている。今回の新しい旗艦店はその戦略の一環だろうとは思う。従来のALLESIのショップより高級感を感じさせる。
 ALESSIは一昨年あたりから従来のワンブランドではなく、ブランドを3つに分けて、それぞれのブランド毎の商品、販売戦略を取ろうとしています。ワンブランドの時より、よりダイナミックで柔軟性がある戦略を展開できるということだと思うのですが、悪くすればブランドのイメージが散逸する恐れもあります。また、トヨタのレクサス戦略でみるように、ブランドを短期間に立ち上げようとすると、とんでもない投資が必要な場合もあり、理屈では合理的であっても、実践する場合の問題点は山積するというのが常識です。ALESSIも類似した商品、または同じビジネス・モデルを踏襲した会社がマーケットに数多く出現することで、市場での競争も以前とはかなり違ったものになってきています。多ブランド展開で、この状況を打破しようとしているのだと推測します。
 新たに展開してきているのは次の3ブランドです。

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 まず「Officina Alessi」です ALESSIの中でも一番上の価格帯に位置する商品で、タイトルも「Art and Poetry」のサブタイトルが付けられてるところから見て、マス・マーケットに向けた商品ではなく少量生産で、特定の狭いマーケットに向けた実験的な商品のようです。
 以下がHPからの抜粋です
 「The “Officina Alessi” collection includes our most sophisticated, experimental and innovative products,as well as our small-scale and limited productions.」

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 2つめのブランドは従来の「ALESSI」です。ある程度の大量生産をベースにしながら、品質とデザイン・レベルの高い商品ということなので、従来のブランドの踏襲ですね。サブタイトルには「夢工場」と付いています。
 以下がHPからの抜粋です

 「The “ALESSI” collection expresses the best industrial mass productions of our sector, both from the point of view of design and production quality. Discover the Alessi collection. Select」

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 最後は普及価格帯の商品で、「A di Alessi」というブランド名で展開して、卸先についてもある程度広範囲の供給を考えているようです。デパートやスーパーのコーナーで販売するという商品です。ステファノ・ジョバンノーニのコミカル・シリーズとか、以前ブログで紹介したカンパーナ兄弟の籠などもこのブランドに属するようです。
 以下がHPからの抜粋です
 「The “A di Alessi” trademark includes our most “democratic” and accessible products. Discover the collection… 」
 今回のニューヨークのソーホー地区の旗艦店は、このようなALESSIの戦略を踏まえてみると、この店がALESSIにとってどういう意味を持つのか自ずと推測できます?



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 ショップのデザインははhani rashid、エジプト生まれのカナダ育ちの建築家。確かkarim rashidのお兄さんか、弟だと思う。店内の什器はメンディーニがALESSIの為にデザインしたものらしい。





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 この旗艦店では中にカフェがあり、ウェスト・ビレッジの有名カフェ「Joe’s, the award winning」 のエスプレッソが飲めるとのこと。




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 右の写真はhani rashid