TITLE:サローネ2007(5) Patricia Urquiola/MOROSO編

 
 恐らく2007年度のサローネで最も目立ったのはPatricia Urquiolaではないかと思う。
 MOROSOはPatricia Urquiolaでほぼ半分は埋め尽くされていたし、他のメーカーからも彼女の作品は本当に沢山出品されていた。いまや、押しも、押されぬミラノ・デザイン界の大御所と言ってもいいかもしれない。

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 まずはお馴染みのAntibodi、、今回は青い花びらを持つ単色の寝椅子。他の彼女の作品がカラフルで華やかなものばかりだったので、特にこの「深い海のようなブルー」が印象に残っている。彼女の次の作品へのテストなのかもしれないと思って見ていた。

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MOROSOは、カラフルな具象モチーフを散りばめた和のテーストを取り入れたソファーと、丸い巨大なクッション・ソファー。どちらも先に紹介したMarcel Wandersのデザイン。日本では相変わらずモノトーンで直線的なソファーが多いが、こんなソファーが日本の住宅で一般的に使われる日は近いだろうか?取り敢えずは、まだ日本で全盛のミニマルな空間に、一つだけこういったカラフルなソファーを放り込んでみると、想像しただけで新鮮で、何やら楽しくなりませんか?空間構成としても、あとの空間がミニマルな無彩色を基調とした空間なら、そんなに難しくなく作り上げられると思う。

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 日本のだと思われるようなカラフルな布を貼ったラウンジ・チェアー。デザイナーはミラノ在住の富田一彦。美しくて、とても新鮮だった。日本の古民家の空間の中に放り込んでみたい。特に、ロッソジャポネーゼの横に置いてみるとどうなるのだろう??こういった意表を突く家具を見ていると、ミラノにいる事を忘れて、空間の妄想は限りなく広がっていくのです。

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 B&Bの市内のショールームの一番前のウィンドウ側に置いてあったソファー。勿論デザイナーはPatricia Urquiolaなんだけど、これにはちょっとびっくり。B&Bといえばチッテリオだというイメージなんだけど、これは一体どういうことなのか??チッテリオを探すと、ショールームの一番奥、ザハ・ハリドの奥に見つけました。展示してある作品は、新作なのだか、旧作の手直しなのか、良く分からなかったけど、いずれにしてもちょっと新鮮味は欠けてたし、見ている人は極少数だった。
 見てて面白かったのは、B&BのPatricia UrquiolaはMOROSOとは違って、やはりB&Bの臭いがプンプンするのです。やはり同じデザイナーを使っても、会社によってこれだけ違うのかという印象でした。

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 Patricia UrquiolaやMOROSO、、どうしてこんなにポピュラーになってきたのかという事を考えてみると、勿論デザインの美しさと新鮮さはあり、いいデザインであることは間違いないし、私自身も大好きなのだけど、それ以外に何かの理由がある筈だと、、サローネ期間中ずっと考えてた。帰りの飛行機の中で、突然に「こういうことじゃないか」と閃いた事がある。それは、ミニマルからDECOへの橋渡しの役目として彼女のデザインは一番自然なのではないとかいうことです。写真はトード・ボーンチェによるDOLL CHAIRです。

 時差ぼけの頭で考えたことなので、まあ、いい加減な話として聞き捨ててください。

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