ニューヨークのSOHO地区に新しいALESSIの旗艦店がオープンした。
小さな写真しかないので、はっきりとは分からないが、現在のALESSIのショップのデザインからはかなり変わってきているようだ。ALESSIも従来のビジネスモデルを踏襲するだけでは限界が見えてきているので、複数ブランドの展開を始めたり、他のメーカーとのコラボレーションを始めたりしている。今回の新しい旗艦店はその戦略の一環だろうとは思う。従来のALLESIのショップより高級感を感じさせる。
ALESSIは一昨年あたりから従来のワンブランドではなく、ブランドを3つに分けて、それぞれのブランド毎の商品、販売戦略を取ろうとしています。ワンブランドの時より、よりダイナミックで柔軟性がある戦略を展開できるということだと思うのですが、悪くすればブランドのイメージが散逸する恐れもあります。また、トヨタのレクサス戦略でみるように、ブランドを短期間に立ち上げようとすると、とんでもない投資が必要な場合もあり、理屈では合理的であっても、実践する場合の問題点は山積するというのが常識です。ALESSIも類似した商品、または同じビジネス・モデルを踏襲した会社がマーケットに数多く出現することで、市場での競争も以前とはかなり違ったものになってきています。多ブランド展開で、この状況を打破しようとしているのだと推測します。
新たに展開してきているのは次の3ブランドです。
まず「Officina Alessi」です ALESSIの中でも一番上の価格帯に位置する商品で、タイトルも「Art and Poetry」のサブタイトルが付けられてるところから見て、マス・マーケットに向けた商品ではなく少量生産で、特定の狭いマーケットに向けた実験的な商品のようです。
以下がHPからの抜粋です
「The “Officina Alessi” collection includes our most sophisticated, experimental and innovative products,as well as our small-scale and limited productions.」
2つめのブランドは従来の「ALESSI」です。ある程度の大量生産をベースにしながら、品質とデザイン・レベルの高い商品ということなので、従来のブランドの踏襲ですね。サブタイトルには「夢工場」と付いています。
以下がHPからの抜粋です
「The “ALESSI” collection expresses the best industrial mass productions of our sector, both from the point of view of design and production quality. Discover the Alessi collection. Select」
最後は普及価格帯の商品で、「A di Alessi」というブランド名で展開して、卸先についてもある程度広範囲の供給を考えているようです。デパートやスーパーのコーナーで販売するという商品です。ステファノ・ジョバンノーニのコミカル・シリーズとか、以前ブログで紹介したカンパーナ兄弟の籠などもこのブランドに属するようです。
以下がHPからの抜粋です
「The “A di Alessi” trademark includes our most “democratic” and accessible products. Discover the collection… 」
今回のニューヨークのソーホー地区の旗艦店は、このようなALESSIの戦略を踏まえてみると、この店がALESSIにとってどういう意味を持つのか自ずと推測できます?
ショップのデザインははhani rashid、エジプト生まれのカナダ育ちの建築家。確かkarim rashidのお兄さんか、弟だと思う。店内の什器はメンディーニがALESSIの為にデザインしたものらしい。
この旗艦店では中にカフェがあり、ウェスト・ビレッジの有名カフェ「Joe’s, the award winning」 のエスプレッソが飲めるとのこと。
右の写真はhani rashid
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