TITLE:パリ市内、、余談っていうか、、いろいろ

 最近ヨーロッパに行ってもウィンドウ・ショッピングを楽しむだけで済ませることが多くなってきた。時間的な余裕がないということもあるし、勿論、、ユーロ高のせいでヨーロッパでの買い物がバカバカしくなってきたというのもある。
 でも、やはり欲しいものはある。
 特に,自他ともに認める「靴好き」の私です。サントノーレを散策しても,目につくのは靴ばかり。・・ということで、欲しいと思ったけど、買えなかった靴です。

 なんとあの伝統的で保守的なチャーチが、なんとシャンパンゴールドのウィング・チップを出してきた。あの、チャーチさえも、、GOLD、、 ドルガバじゃなくて、Church ‘s ですよ。レディーズから始まったメタリック・カラーのGOLD、、メンズの色使いのバリエーションとして完全に定着したということだと思います。

 同じくチャーチのホワイトとシルバーの2色使いのウィング・チップ。
 これ、、かなり購買意欲をそそられた。
 日本で見つけたら、きっと買ってしまうだろうと思う。

 LANVAN の KIRA・KIRA スニーカー。
 メンズ・シューズもいよいよKIRA・KIRA感の到来かもしれない。
 これも、、要チェックですな。

 
 私が写真を撮る事が好きだと言う話は以前もしたと思うけど、旅の楽しみに一つに自分のカメラに旅の思い出を切り取るというのがある。そんな、、無理しなくても絵葉書か写真集を買えばいいじゃない、、という意見もあるが、やはり自分のカメラに収めた写真は思い入れがある。

 オペラ座の有名なシャンデリアと、天井に書かれたシャガール。
 内部は暗めで、とても手持ちでは撮れない。たまたまバルコニーの最前列に出られたので、バルコニーの上にカメラを置き、少し絞りを絞って、セルフタイマーを使って手ぶれしないように撮影をした。レンズが上を見てるので、アングルはヤマ感、、Try & Go で何枚も試したら、たまたまいいアングルで撮影出来た。
 本物は凄い迫力だけど、こうやって撮影した写真でも、その迫力は伝わってくる。
 世界中の「富」という「富」がパリに集まってたんだなと実感するる

TITLE:HERMES・・・ KIRA・KIRA

 ファションは完全にデコの流れになってきているが、ミニマルと違って方向性としていろいろな可能性がある。カラフルだったり、パターンだったり、KIRA・KIRAだったり・・
 ある意味では保守的なHERMESのサントノーレのショーウィンドウがKIRA・KIRAに占拠されていたのにはちょっと驚いた。さすが、HERMESだけあって、、KIRA・KIRAもかなりゴージャス。

 高価なクロコダイルの革を玉虫色に染め上げたミニ・ケリーとポリード、、写真では良く分からないかもしれないけど、見る角度によって七色のパール・カラーが微妙に変化する。まさに玉虫色。こんな仕上げをクロコでするっていうのは、HERMESだから出来る豪華さなんだろうな、、っと、、感心して見入ってしまった。

 本物のパールを散りばめたbag、、ここまでくると、もうため息しか出てこない。
 まさに、、
「なんていうことをしてくれたんだ、、HERMESさん、、」
 っていう感じかな?

 ショッキング・ビンクのスワロフスキーで覆われたミニケリー。
 まさに、KIRA・KIRA

 TOYO KITCHEN STYLEの六本木Meubleで発表したクリスタル・キッチンも、市場のトレンドを探る意味で限定で発売したのですが,順調に引き合いを伸ばしていて、おかげさまで限定数は完売出来る見込みです。
 やはりインテリアにも、こういったKIRA・KIRA感というのが生活の場に入り込む事が一つのトレンドと見ることが出来るのではと思っています。

TITLE:ファションはもはやアートかもしれない(2)

 アートに一番近いメンズ・ファションはジョン・ガリアーノではないかと思っている。それも、かなりセンセーショナルな前衛的なアートを感じる。

 コレクションでのモデルががに股で登場した時は、ちょっと腰を抜かした。バイレーツの時も驚いたし、最近の日本風の兜をかぶったモデルも、かなりショッキングだった。
 余談だけど、ガリアーノのがに股デニムが出たとき、かなり気になって店に見に行ったら、本当にがに股にカットされていたデニムで、ちょっと笑ってしまった。
 コレクションではモデルがそのままがに股で登場するが、実際にこのデニムを履いてもがに股になる訳ではないばかりか、かなり足が綺麗に見えるのには驚いた。
 ガリアーノは天才だと思った。
 サントノーレにはそのガリアーノの直営路面店がある。大概の店には平気で入ってしまう私だが、入るのにちょっと緊張する店が二つある、、一つは109、、、2つ目が、このサントノーレのガリアーノ(さすがにマル9には行かないけど・・苦笑)

 この服は一体なんだ!!
 単なるイメージのプレゼンテーションなのか、、それとも本当に売ることを目的とした服なのか? それとも、ウィンドウを飾るアートなのか ??
 でも,コレクションの写真を見ると、この服を本当にモデルが着て登場している。
 服も,身を包み保護する布という役割ではなく、着る事で自分自身が動くアートになるという切り口だとしたら、私の服に関しての価値観が根底からひっくり返ってしまう。

 ヘルメットと迷彩のパーカーにオレンジのベストの重ね着。
 見てると「目が腐って」きて、なんかこれくらいなら着れそうな気がしてくる。でも、実際に日本の街で着て歩くと、それだけで「怪しい奴」ということで職務質問される事は必至だと思う。
 でも、、最近ちょっと迷彩にはまっている私としては、この迷彩のパーカーはかなり魅力的。ちなみに、今回のパリへは迷彩のダウンを着ていった。
 趣味が高じて、迷彩柄ソファーのジュエリーBOXを仕入れてあるので、もうすぐSHOP TOYO KITCHEN で販売する予定。 

 ミリタリー調のベストが凄い。
 仕上げもかなりアンティークかかっている。
 何かの昔の舞台衣装を見るような気がする
 目はさらにくさってきて、、このベストとピンクのTシャツなら着こなせる自信が出てきてたような気がする自分が怖い(笑)
 ちなみに,私のファション哲学は「年齢を考えないファション」、、ミスマッチが一つの「美」の切り口だとしたら、年齢とファションのミスマッチも、ひょっとして一つの男の美学かもしれない、、等と勝手なことを考える社長です

 またまた余談だけど、先日福岡のショールームがリニューアル・オープンした。沢山のお客様に来て頂いたのですが、中には私の事をご存じないお客様もいらしたようで、社員が私を「社長です」って紹介しても、あまりにも社長というイメージとは違うみたいで、一瞬無言で見つめられたりした。
 また、実は私の名刺には「社長」という肩書きが無い、貰った名刺を見て最後まで私が社長だと気がつかないで帰られてしまったお客さんもみえた。

 ウィンドウの中で一番大人しそうな服。大人しくもないのだが・・
 手前のマネキンがかぶってるキャップと、奥のマネキンが着ているオレンジのパーカーがショート丈で面白い。
 パーカーと古着風の燕尾服と組み合わせ。カジュアルと着崩したフォーマルのミスマッチが強烈な印象をかもしだす。ミスマッチは「美」だとしたら、まさにジョン・ガリアーノのファションは一つのアートに見えてくる。

 最後の写真は、最初の写真の服がコレクションで登場した時のもの。単なるウィンドウ。ディスプレーではなく、こうやって実際にコレクションにも登場しているようだ。
 ガリアーノの服は,従来のファションの概念を根底から覆してくれるようなバワーを持っていると思う。また、見る事で創造力の琴線を刺激してくれるという不思議な服だ。着れる,着れないという議論は横に置いておいて、服というのは一体何だろうと,自分の持つ常識を払拭して,自由な目で見ると、また違って見えてくるのではないかと思う。
 まさに「目がくさってきた」状態なのかもしれないが、ある意味ではそれが 創造力の原点ではないかと思っている。

TITLE:ファションはもはやアートかもしれない(1)

 シンプル&モダンと呼ばれる「ミニマリズム」がファションの世界から消え去って、暫くになる。
 インテリアも遅ればせながら次第にデコラティブな世界に入りつつある今、ファションはデコの百花繚乱から、いよいよアートの世界に足を踏み入れ始めたのかもしれない。
 パリの最終日、例によってサントノーレのウィンドウを眺めながら、パリの最新ファションがどんなことになっているのか、チェックをした。
 これは、私が単にファション好きというからという理由ではなく、インテリアのトレンドの兆しは必ずファションから始まり、ファションをチェックする事で、これからのインテリアのトレンドが垣間見える事があるという、まあ、そんな意味からバリやミラノでは必ず最新ファションをチェックする。
 2008年の春夏は、えらいことになっていた。
 ファションと言うより、着るアートと考えた方がいい服が、かなり出始めた。

 写真はミュウミュウのブーツ。
 なんと三次元の立体の「とんぼ」がブーツに付いている。ブーツも微妙に穴が空いていて、色もかなりカラフル、、、ちょっと 絶句
 「どうやって履くのだろう?」って考える人は履かない、「エイャッって履いてしまえ」と考える人が履くのだろう、、そんな結論に達した。

 同じく、ミュウミュウのアート感覚のブーツ。
 これは、どうもらしい。
 このブーツが似合う服って、いろいろ想像を巡らしてもイメージが出来ない。
 きっと、私が考える「服の着方」という概念から飛び越えたところにイメージがあるのだろうと思った。例えば、ブーツを服に合わせようという着方ではなく、靴だけ突出して目立たせてしまえ、、そんな着方かもしれない。
 でも、ミュウミュウだから、トップスもかなりカラフルなものを合わせるのかもしれないけど・・

 同じくミュウミュウのヒール。
 ヒールの部分がかなり装飾が入って、立体的。デコラティブな建築金物を一瞬イメージした。想像を絶するブーツを見た後には、なんかこのヒールならそんなに履くのに難しくないって、、思ってしまう。
 この状態のことを、TOYO KITCHEN STYLEの開発部では「目がくさった状態」と呼ばれている・・・ 
 つまり、見るものや置かれた環境によって既存の価値観がひっくり返るという現象を指す。
 おっと、、これは企業秘密

 ミュウミュウのウィンドウに飾ってあった靴で、一番おとなしい?靴。
 でも、実際はかなり過激な靴だと思う。去年の秋冬でもこんなデコラティブな靴の兆候はあったけど、2008年はここまで来てしまった。
 女性の靴は、靴というより、足を飾るアートという切り口で考えた方がいいのかもしれない。

 どうも、ファションは限りなくアートに近づきつつあるらしい

TITLE:「ドメスティック」が熱い

 「ドメスティック」という言葉を聞いて、すぐにファションを連想するのは、かなりの服好きだと思う。「ドメスティク」というのは英語て「国内」とか訳すのだと思うのだけど、ファションの世界ではインポート物の対極として、国内のデザインナーやディレクションで作り上げられる服を「ドメスティク」と呼ぶ。国内でデザインした服でも、デパート物と呼ばれるような服は、この範疇にはない。裏原宿で開花した「裏原系」と呼ばれる服を主に指す場合が多い。
 実は、この「ドメスティク」物と呼ばれる服が国内でかなり熱い。また、海外でもこの種の服に注目が集まり、有名ブティクが立ち並ぶバリのサントノーレ街のナンバーワンのセレクト・ショップ「コレット」でも、このドメスティクの服が並んでいるのを見るのは、そう珍しくはない。
 ミラノのでも、運河沿いの有名セレクト・ショップ「アントニオーリ」のすぐ横に、日本のドメスティック専門のショップがオープンしてたのを見たのには、さすがに驚いた。ミラノの中心部、サンバビラの近くにある「ダンドーネ」という有名セレクト・ショップにも、このドメスティック物がかなり売られている。取引先の服好きの女性と話していて、この話が出た事があるが,彼女は「イタリア物はもう駄目よ、、これからは日本のデザイナーの服が素敵」と言ってた。
 ドメスティクの主なブランドとしては、「BAPE」「UnderCover」「GDC」「Number Nine」「N Hollywood」「Roar」「Roen」「MasterMind」「HystericGrammer」・・・と、まあ、かなりいろいろある。
 オンラインの服屋さん ZOZO Town を見ると、いろいろ出ているので見るとそのブランドの数に驚く。ちなみに、服のネット・ショップではこのZOZO townが一番沢山売るらしい。
 もともとデバートとは無縁な「ドメスティック」だけど、最近デパートに少しずつ入り始めて来ている。最初はやはり伊勢丹、、女性のセレクト系の「リ・スタイル」コーナや、メンズ館の二階には、以前からこのドメスティックの服が並んでいた。でも、最近になってセレクト系のコーナーではなく、メンズ館に「Number Nine」と「Underr Cover」のオンリー・コーナが出来て、これが伊勢丹のメンズ館の一つの目玉になっているほどの人気らしい。
 大阪の梅田の阪急百貨店が2008年2月1日にメンズ館をオープンさせる。そこでもドメスティク物を一つの目玉として位置づけているようだ。こは凄い、なんたって、「Number Nine」と「Under Cover」と「N Hollywood」と「HystericGrammer」の4ブランドが合同で一つの店舗を構えるという企画らしい。どんなショップが出来るのか、今から楽しみにしている。
 南青山の「LoveLess」でも、最近外国人が異様に多くなってきている。聞くと、アメリカやヨーロッパからドメスティク物を求めて来るらしい。品薄な「MasterMind」を購入しに香港から来ている客に名古屋で遭遇した事がある。聞くと、探している服が東京にはなかったので、名古屋まで探しにきたそうだ。BAPEのシーズンのオープニングには、南青山のBAPEショップには韓国や、香港・中国から買い付けにきているバイャーで溢れているのを見た時は、私もさすがに腰を抜かした。

 サブカルチャーであった「裏原系」のファションが、今では完全にメジャーになって、日本を代表する服飾文化として、世界に進出を始めている。なんか、サブカルチャーだった漫画が、日本を代表する文化として世界に通用するようになつたのを連想させる。
 官製の押し付けがましい文化もいいけど、こういった民間から沸き上がって来るような文化が世界に進出して行くのを感じると、日本もまだまだ捨てた物ではないと思う。

TITLE:キャロル・クリスチャン・ポエルのブーツ

 以前から欲しかったキャロル・クリスチャン・ポエルのブーツを手に入れた。
 キャロル・クリスチャン・ポエルって、、不思議なというか、アートに近いような服を作り上げる,デザイナーであり,職人。ハラコのパッチを縫い合わせたブルゾンを見た事があるが、パッチの合わせ目を透明な樹脂で、その樹脂が光を透過させて、ブルゾンを着て光を後ろから当てると、微妙な光がブルゾンから垣間見えてきて、不思議な雰囲気を醸し出すとか。ホース・レザーのパンツで、固いホース・レザーなのというせいもあるけど、履かない状態でそのまま立体で立っているパンツとか。でも着てみるとこれが凄い奇麗なフォルム。リバーシブルのパンツとか、本当にボタンも含めて全てリバーシブルになるという緻密な縫製。ボタンがないのに、ボタンで留めるシャツとか、、ともかく、縫製の魔術師と言っても過言ではないと思う。
 最近ではショーは一切やらないらしいけど、以前映像で見た彼のショーは市内の川に寝転がって浮かび流れてくるモデルを、橋の上から見るというもの。服は全て濡れた状態なので、画像を見てもどんな服なのかよく分からないけど、ともかくなんか凄そう、、そんな感じですね。
 彼のブーツを昔から欲しいと思ってたのだけど、なんせ制作数が少ないので、マニアがすぐに押さえてしまって、サイズもあり、なかなか購入出来なかった。
 今回購入したモデルは、キャロルのブーツとしては、一番定番のデザインなのだけど、なんと世界で44足しか作らない。私が購入したのは、その22番目のブーツ。

 皮はホースレザーで、ソールはカーフらしい。
 全体から見るフォルムは、職人が一足、一足丁寧に作られたもので、量産されているブーツとはまるで雰囲気が違う。

 ブーツの先端は少し細身で、そり上がっている。これは、カルペディームのような手作りブーツの特徴だが、最近このそり上がりを真似した量産ブーツも出始めているが、実物を見ると完全に別物だ。

 丁重に削り出されたヒール部分。
 ヒールだけでも美しい。職人がヤスリで削り上げるらしい。
 このブーツ、なんと洗えると説明書に書いてある。もともと、洗ってあるものらしく、汚れたら洗ってくれと書いてある。

 ブーツの裏側。釘が一本ずつ打ち込んであるのがよく分かる。
 ファションも、単にデザインだけではなく、こういった職人の匂いのする靴や、服という世界もある。男の服や,ブーツは女性ものと違って、一つ一つが大きくデザインが変わる訳でないので、どうしてもこういったティテールに拘る部分が出てくる。
 でも、また、それが面白い。

TITLE:熊谷隆志さんの家に行ってきました

 雑誌ミセスの今月号で取り上げられている、スタイリストで写真家でGDCブランドの服のディレクターでもある熊谷隆志さんの自宅を訪問してきました。家の詳しい内容や写真やTOYO KITCHENが熊谷さんと一緒になって作り上げたキッチンについては、この雑誌を参照して下さい。
 今日は、この雑誌で取り上げられてない部分で、私が気になったもの、感銘を受けたもの、そんなところを書いてみます。

 表札はなく、玄関の扉の横が漆喰で仕上げられていて、「KUMAGAI」という文字が漆喰の白と同色で浮き彫りになっていて、なかなかいい感じだ。

 中に案内されて、リビング・キッチンに入ると、窓からは素晴らし展望。以前のnabe forumでも書いたように、人工の建造物が何も視界に入らない。柵の向こうは断崖絶壁。早速庭に出て記念撮影をパチリ。熊谷さんの腕組みポーズが気に入って、最近の雑誌の取材の写真は基本的にこの腕組みポーズで撮影してもらうことにしている。
 この写真で私が着ているジャケットとシャツははGDCの兄貴ブランドVETURA。ディレクションは勿論熊谷隆志

 庭の柵の向こうの断崖絶壁から生えている一本の木に、まるで熊谷さんが飼ってるように、一匹の鷹がいつも羽根を休めている。この日も、その木に留まっている鷹を発見、柵の近くまで近づいても逃げない。なんか、一幅の絵を見てるようで、鷹と空と遠くに広がる山並みを見てると飽きない。すばらし借景だ。

 庭の左端の絶壁からは、何やら黄色い柑橘系の果実が実を結んでいる。これも、もともと自生していたものだそうで、食べるとあまり美味しくないそうだけど、緑一色の景観の中の黄色は一種の点景のようにも見える。

 庭からもう一段降りる階段があって、そこを降りると、絶壁にへばりつくような空間があり、一つがオープンエアーの小さな部屋があり、そこに気持ち良さそうなソファーが置いてある。

 暖かい日には、そこが熊谷さんの昼寝の場所らしいが、普段は愛犬に占領されているとか、、、 さすが、犬は心地いい場所を本能的に感知するらしい。

 以前にもこのブログで書いたように、この家を作るにあたって、熊谷さんがした事は、まず家具選びから始まったそうだ。その家具選びも世界中を飛び回る彼が、その合間の時間を使って買い付けたものなので、私も殆ど見た事がないような家具やライト、それと、さりげなく置かれているアート作品が素晴らしい。
 サーフ・ボードの部屋で見つけた空色に塗装されていたビンテージ家具。ベルギーで見つけたものらしい。少し剥げかけた塗装が家具に味を付けている。欲しいと思った。こういった、使い古した味のある家具が、最近特に気になっている。先日も、ビンテージのジョイ・コロンボのソファーを購入して,現在ミュージアムに展示してあるが、足はの塗装は剥げかけていて、それがまたなんかいい。

 使われている照明も可愛い。
 写真は階段廻りに使われているペンダント・ライト。手作り風の手吹きの色ガラスが爽やか。デザインにちょっとエスニックな味がある。どこのものかは聞き忘れたが、中近東の香りがする。

 ゲスト・ルームに吊るされたシャンデリアのペンダント・ライト。この照明もエスニックな香りがする。

 アート作品も、なにげに無造作に置いてある。かなり有名になった作品もあったけど、熊谷さんが購入したのはかなり昔なので、購入価格を聞くとちょっとびっくりするほど安い。さすが、時代の先端を突っ走ってる人だけのことはある。
 常識に捕われない、美に対しての貪欲な感性が彼の真骨頂のような気がする。

 日本の現代の住宅では、配線は何でも隠してしまうのだけど、熊谷さんの家では、場所によって配線が剥き出しになっている部分がある。写真はインドネシアから取り寄せた、金属製の配線カバー。ロフト風のスパイスが空間に効いているようで、かなり面白いと思った。しかし、こんなものがインドネシアにあるということを知ってる彼には驚く。

 この住宅は熊谷さんを知る人から見ると、どこをとっても「熊谷隆志」の匂いがする。よく住宅雑誌に掲載されている「施主の顔が見えない住宅」ではなく、こんな住む人の個性や人間性を映し出せる住宅がもっと日本でも増えてくるとしたら、日本の住環境も随分と変わるのだろうと思う。

TITLE:HERMESも豹柄

 サントノーレと言えば、有名なのはHERMES本店。
 ショーウィンドウには豹柄とクロコ・グッズが所狭しと展示してあった。

 珍しい豹柄のケリー

 これも珍しい豹柄のボリード
 豹柄の流行がついにHERMESまで来たか、、そんな感じかな?
 ため息が出過ぎて写真を撮るのを忘れてしまったが、クロコ・グッズもHERMESショーウィンドウを埋め尽くしていた。あまりに高価すぎるクロコ。例えばクロコの男性用のロング・コートの価格を見たら 1500万円だった・・・ 凄い!
 そんな高価なHERMESだけど、店内に入ると、まるでバーゲン会場のような混雑。明らかに接客の順番を待っていると思われる客ばかり。久しぶりに店内に入ったのだけど、何か以前と店内の印象が違う。何が違うのだろうと、よくよく見たら、以前は溢れていた日本人の数が圧倒的に少ない。買い物を実際している客も、日本人は少数で、溢れかえっている客の大半が欧米系かアラブ系。
 世界的な富裕層の台頭に取り残された日本。高城剛の言う「日本の国力がここ10年で4位から24位に大転落」という言葉を象徴するような光景だった。
 同じような光景はHERMESの向かいにある「Dolce&Gabbana」でも見た。高価なDolce&Gabbanaの服の試着を繰り返し、買う事を決めた服は近くのソファに積み上げて、まるでバーゲン会場のように服を買っているお客が溢れていた。ネクタイを一本だけ買いたかったのだが、店員は忙しく走り回り、誰も相手にしてくれない(涙)
 ここでもお客で日本人は皆無。買い物をしている客は全て欧米人かアラブ系。
 日本の国力は世界的に見て、明らかに落ちてきているというのは、ヨーロッパに出張する度に感じてはいたが、実際にこんな光景を目の当たりに見ると、やはりかなりショックだった。

 最後の写真は、世界で最も高価なファション・ブランド「 Roberto Cavalli」の店頭に飾ってあった豪華なパーティードレス。ちょっと話はそれるけど、この服もメタリック。どのファションブランドもメタリック・テーストの服を一斉に発売し始めた。インテリアのトレンドはファションから始まるとしたら、インテリアの次のキーワードは、やはり「メタリック」だと思う。

TITLE:久々のファションの話題「GIULIANO FUJIWARA」

 久々のファションの話題です。

 TOYO KITCHENのミラノ事務所の所長は、あの名作「GOAST」をデザインした Tom Katayanagi。
 当時彼はチニ・ボエリの事務所にいたので、デザインはチニ・ボエリと連名になっているが、彼は言わないけど、まあ殆ど彼がデザインしたのだと思っている。
 彼はデザインをさせたら超一流なのだけど、着る物にはまったくの無関心。ミラノで買い物に付き合って貰っても、彼は服を見るより、店の外でタバコを吸うほうが関心があるようで、服の話をしてもあまり興味を示さなかった。
 でも、会うたびに「インテリアのトレンドはファションから始まる」と言い続けたせいもあるのかは分からないけど、最近突然ファションに目覚めてしまった。最近の服は「Junya Watanabe」という過激さ!!私の服選びにも積極的に参加してくれて、あれがいいとか、それはちょっととか、、かなり「うるさ型」になってきて、一緒に買い物をしてもとても楽しい。
 そんな彼が、突然ミラノ・コレクションのレポートを送ってくれた。ファション関係者でもないのに、なんとコレクションの会場にもぐりこんだのにはちょっと驚いた。

 レポートは「GIULIANO FUJIWARA」、、デザイナーは藤原喜章、1986年には日本人で始めてイタリア・ファション協会の正式メンバーとなり、店舗も市の中心部であるスピーガ通りの入り口にあった。現在この場所は「ドルチェ&ガッバーナ」の女性向けの店舗になっている。
 デザイナーの藤原喜章は若くして亡くなったので、ブランドも一時途絶えたのだけど、2006年にクリェーティブ・ディレクターの マツムラ・マサタカ氏がステッドファーストグループの傘下で「GIULIANO FUJIWARA」の再デビューとなったということらしい。
 「GIULIANO FUJIWARA」というブランドだけど、海外でこれだけ活躍している日本人デザイナーだと、日本でもかなり取り上げられるのが普通だと思うけど、何故か日本では殆ど知られていないのがちょっと不思議。

 コレクションの写真から見ると、テーラードなのにミリタリーという感じで、かなり面白いと思った。日本には入ってないのか、それとも私だけが知らないのか?ミラノに行ったときは、時間があったら見てこようと思ってる。

 ちょっと衝撃なのはクロームメッキのヘルメット、、クロームというのは最近のファションのトレンドになってきているが、そうか、ヘルメットをクロームにするという手があったんだと思った。クロームのブレスレットや太目のクロームのネックレスなんかも、ひょっとするとこれからのメンズ・ファションのトレンドになるかもしれないと思った。

TITLE:シャネル 秋冬 コレクションを見てきました

  先日シャネルの秋冬コレクションを見てきました。
 シャネルは婦人服しかないのですが、個人的に大好きなので時間があるときはコレクションを覗いています。価格に拘ることなく、高価な素材、高価な加工方法をふんだんに使い、自由奔放に展開するカールラガーフェルドの創造性は、もうため息が出そうです。まさにシャネルというブランドとデザイナー・カールラガーフェルドの組み合わせだから出来るのだと思い、羨望と嫉妬心さえ感じてしまいます。

 コレクションの場所は東京の代々木体育館。いい席を取りたいので少し早めに行ったのですが、もう受付には凄い人だかり。お客さんの殆どは、いわゆる「シャネラー」。一度にこんな沢山のシャネラーを見るのは、ちょっと圧巻かもしれない。しかし、シャネル・ファンの年齢層の幅広さには驚かされる。20代の前半とも思われる女性から、かなりお年のおばあちゃんから、シャネルに身を包んでのお出かけです。おばあちゃんでも、シャネルを見事に着こなしている方を見ると、なんか意味もなく嬉しくなってしまう。



 中に入ると体育館の中央には白い砂がびっしりと敷き詰めてあり、その周囲を観客席がぐるりと囲んでいる。天井には布で作ったと思われる「白い雲」が浮かんでいる。会場全体が白い「空気感」が漂い、一種の浮遊感のような気分にとらわれる。



 コレクションが始まった。これからのファションとのトレンドだと思われている、いわゆる「光物」と「色物」が溢れ、その組み合わせは絶妙。ミラノ・サローネ・レポートの中でも書いたように、ゴールド系やクローム系はファションのトレンドの最前線のようだ。インテリアにもこのトレンドは必ず入ってくると思う。カラフルな柄物同士の組み合わせには驚かされるが、その難しい組み合わせが、アクセサリーの使い方によって微妙なバランスを保っている。こういうタイプの服は、着こなすのが難しいが、着こなせた時の喜びがシャネル好きの真骨頂なのかもしれないと思った。


 会場ではため息が出すぎて、写真は撮れなかったので、会場で貰ったコレクション・ブックから気になる服を紹介してみます。



 ペンギン・モチーフのセーターとシャネルらしい大柄のチェックのスカートの組み合わせ。色の基本は赤が基本で、セーターの白地の部分が色の逃げになっているので、比較的組み合わせやすいと思うが、良く見ると腰の黒のスカーフが微妙なバランスで入り込んでいる。
 でも、このペンギン・モチーフはかなり可愛い。
このセーターはメンズもあったけど、シャネルのメンズは昨年辺りからコレクションには登場しているが、実際に販売されているのは見た事がない。







 光り輝くゴールドのスカートと、メンフィス調のトップスの組み合わせ。このスカートはこの他にシルバーでも出ていた。シルバーは無彩色だが、ゴールドも意外と無彩色の感覚で組み合わせが出来るようで、無彩色なら組み合わせはそんなに難しくないので、これからファションの大きなトレンドになってくると思う。ちなみに個人的にはゴールドのNIKEのスニーカーと、シルバーのgreen manのブーツスニーカーを気に入って履いている。まだメンズの場合は意表を突くようで、履いてて楽しい。





 シャネルらしい組み合わせ、黒と白をベースに、赤を挿し色に使っている。しかしストライプとチェック柄の組み合わせは意表を突く。色の組み合わせとしては難しくないが、この異種の柄の組み合わせは凄い。勿論、こういった組み合わせが奇異に思わなくなったという時代感もあるとは思うが、単なる時代感だけではに甘えるのではなく、良く見るとベルトとバッグが全体のバランスを支えているのが良く分かる。









 シャネルのメンズ、、前回もそう思ったけど、メンズはイマイチかなと思う。まだまだシャネルらしさというのがメンズでは感じられないし、悪くはないが、スタイルは少し冗漫だと思う。まだまだ市場に出てくるのは少し後ではないかとも思う。カールラガーフェルドとしても、もう少しデザインを完成させてからと思ってるのではないか、、、これ単に推測です。









 服の前面がバッチや、ブローチで覆われている服。面白い、、でも、この着方だけど(バッチもシャネルじゃなければそんなに高くはないので)、すぐに他のアパレルにコピーされてくるのではと思う。また、自分の持ってる服に、シャネルっぽいバッチをいっぱい付けるなんていう着方も、ちょっとお洒落で面白いと思う。この着方、流行ると思う。メンズでもちょっとパクッてみようかな・・









 一番シャネルっぽい複雑な組み合わせ。もうこうなると素人ではどうやってこの組み合わせ作り上げて、どこでバランスを取っているのか、見つめ続けても良く分からない。でも凄いと思う。
 こうやってシャネルのコレクションを見てると、アクセサリーやバッグの使い方って、ある意味ではとても大切だと思う。メンズでも、若い人のファションを見てると、こういったアクセサリー使い方がとてもうまいと思う。
 最後にコレクションの風景を少しビデオクリップしてみました。大きな会場なので、服の詳細は分からないけど、会場の雰囲気だけでもお楽しみ下さい。