TITLE:ジョガーリの故郷へ

 シャンデリア「ジョガーリ」
 当社では数年前に日本での販売権を獲得して、キッチンと一緒に販売を始めました。今では、TOYO KITCHEN が扱うシャンデリアの代表作になってきています。キッチンにシャンデリアを飾るという、今のキッチン・インテリアのトレンドの先駆けとなった作品でもあります。

 デザインはご存知巨匠マンジャロッティ
近代シャンデリア・デザインのエポック・メーキングな作品です。フレームにガラスのオーナメントを連結してぶら下げるだという、至ってシンプルな発想なのだけど、オーナメントを支える上部のフレームの形を変えるだけで、全体のイメージが変幻自在に変化してくる不思議なシャンデリア。

 また、オーナメントの連結する長さを変えても、まるで違う印象が生まれるというのも面白い。写真は六本木の「TOYO KITCHEN Meble」のエントランスに展示してある、天井から床までオーナメントを連結してある「ジョガーリ
 光の滝のように見えませんか?

 その「ジョガーリ」の製造元である Vistosi 社に訪問してきました。場所はベネツィアの郊外、車で40分ぐらい北に上がったところにあった。工場そのものは古い建物で、なんか趣があった。中での生産は熟練した職人さんが一つ一つハンドメイドで製作していて、古い工場の佇まいと、妙にマッチしていた。

 写真は出来立てのホヤホヤのジョガーリのオーナメント。これだけ並ぶとちょっと壮観だと思った。ハンドメイドなので、一個、一個の形は微妙に違うけど、それがまた味があって美しい。

  Vistosi 社の二代目、Mr.Moretti と工場内で、記念写真をパチリ。
 Mr.Moretti が手にしているのは、TOYO KITCHENの照明・家具のカタログ。カタログの表紙に写ってる足は私の足だって言ったら、大笑いして喜んでくれた。とても気のいいイタリア人のお兄ちゃんだった。

 お昼になったので、昼食をご馳走になった。森の中にある、田舎風の美しいレストラン。大歓迎してくれたという意味だと思うけど、昼間から前菜4品、パスタ2品、それにメインの魚料理と、、極めつけはデザート2品と、山ほどディッシュが並んだ。
 かなり美味しかった。私はセーブして食べたのだけど、同行した社員はセーブが効かず、思わず全て平らげてしまって、昼食後満腹過ぎてのたうち回ってた。
 ハイライトは、同行の社員の一人がエビ・アレルギー。前菜にスカンピ(手長エビ)のカルパッチョが出てきたのだけど、よせばいいのに、折角だから少し食べてみるって言って、一匹食べてしまった。案の定、少し時間がずれてアレルギー噴出時様態に陥って、完璧に一晩死んでた。自業自得なので、同情してやらない事にしたら、「冷たい社長だなぁ」って言われたけど、無視して知らんふりすることにした。

 写真はレストラン内に使われていたベネチィアン・ガラスのシャンデリア。いかにもベニスらしい。日本でもこれからはこういった装飾性の高いシャンデリアも普及してくるのではないかと思った。

TITLE:「ベニスに死す」・・訳ではない。

 ベニスと言うとまず思い出すのは名匠ルキノ・ビスコンティ監督の「ベニスに死す」。死期が迫りくる初老の紳士がベニスで出会った少年に恋をするというストーリーなのはご存知の通り。この映画の耽美的な「美」の描写は、ベニスという街があって始めて成り立つのだと思う。
 ちょっとマニアックなので、誰にもお奨めする訳ではないが、ベニスという街の雰囲気を堪らなく描写してくれているので、ベニスに行かなくても、この映画を見ればもうほぼ満足かもしれない・・ (ちょっと褒め過ぎだけど、でも好きな映画の一つです)
  と、、、いうことで、ベニスで死ぬ訳ではないけど、パリから一路ベニスに飛んだ。

 今回のベニス訪問は市内ではなく、ベニス郊外の工場を廻るのが目的なので、宿も移動に便利な郊外、ベニス市内から車で20分ぐらいの場所に宿を取った。でも、せっかく来たので、仕事の合間をみてベニス市内に出かけてみた。
 いざ、、ベニスへ・・

 ベニスに行くと驚くのは、こんな街が、この現代にそのままよく残っているものだということだ。最初に訪れた時は、まさに現代の奇跡かと思った。ベニスはもともと遠浅の海の中に、アルプスから切り出した樫の木を打ち込んで、それを基礎として、その上に建物を作り、残った所が水路になったという街なので、正確には水路ではなく、建物の間に残った海とも言える。樫の木の基礎だけなので、ベニスの建物は常に沈下していて、床は大きくうねっているのが常だそうだ。

 日本だったら、沈下している建物なんて言語道断で、耐震基準も何も、それ以前に取り壊されてしまうと思う。でも、ベニスは、昔の建物が、昔のままでそのまま残っていて、その中に実際に人が暮らしている。日本だったら考えられない。

 余談になるけど、伊勢志摩の賢島にある志摩観光ホテル、レストラン「ラメール」でも有名だが、実はこの建物、村野藤吾の名作なのだけど、耐震基準に満たないという理由で一部取り壊されるそうだ。私の最も好きなホテルだけに、こんな名建築が取り壊されるのは本当に残念です。なんか、ベニスに来て、村野藤吾を思い出してしまった。

 昼間のベニスは観光客の喧噪に包まれているが、たそがれ時になると徐々に人も減ってきて、ベニスは昼間と違った別の顔を見せ始める。日が落ちる毎に、刻々と顔を変えて行くベニスの街、、、 もう、「美しい」という月並みな言葉しか見つからない。

 街には灯りが少しずつ灯り始めると、建物の色さえ、微妙に変化してくる。水面に映り込む光が誘うように揺れている。

 そして、夜のとばりがベニスの街を支配する。
 街角から人の影は消え失せ、観光地としてのベニスの顔はなくなり、そこにたたずむ者の想いを遥か中世に馳せてくれる。

 家々のべネチィアン・グラスのシャンデリアに灯がともるり始め、ベニスはやがて暗闇の中に消える

 まさに、「ベニスに死す」

TITLE:オルセー美術館のエミール・ガレ

 再びパリの話題です。
 オルセー美術館、、実は何故か一度も行った事がなかったのです。
 今回、ようやく夢がかなってオルセー美術館を堪能してきました。

 噂に違わず、素晴らしい美術館でした。
 元駅舎だそうで、写真のように巨大な空間と、恐らくコントロールされているとは思うのだけど、自然光がサンサンと降り注いでいる空間の中で見る名画は格別でした。
 驚いたのは、フラッシュをたかない限り、写真撮影は認められてるのですね。「名画の著作権は美術館にあるのか」という議論もあると聞きますが、オルセーではそんな意味から撮影を認めているのかもしれませんね。

こんな名画が、自分のカメラに収める事ができるばかりか、このデータを使って名画のスクリーン・セーバーを自分のコンピューターにセットできるわけです。

 所蔵の名画はいろんなところに紹介されているので、今日は少しインテリア関係の所蔵品、特にエミール・ガレの作品と彼の使った動物モチーフを紹介します。

 エミールガレのソファー。アールヌーボーらしい作品です。いまインテリアそのものがデコに振れている事もあってか、こういった装飾性の高い家具が新鮮に見えてくる。実際にソファーも当社が扱っている「Black Mink」のような装飾性の高いソファーが徐々に人気が出つつあることからも考えて、日本のインテリアもこういった傾向の家具が浸透してくるのだろうと思ってます。

 このソファーの肘掛け部の装飾のアップです。素晴らしく精緻で美しい職人の技てすね。
 このソフアーだけど、現在ソファーより座面がかなり低い。昔のソファーはこんな高さだったのか、それともエミールガレ独特のものなのか?誰かご存知の方がいれば教えて下さい。

 金具に使われていた動物モチーフ。ネズミを家具の取手のモチーフに使うという発想も面白いと思った。

 
 今度は、なんとナメクジ、、、凄いモチーフだと思うけど、見てると何故か可愛く見えてしまう。

 収納扉の表面に施された象眼。モチーフは鶉かな??

 デコの流れの中で、動物もチーフもありかな、、と、、思って、六本木ムーブルのオープン記念に「Flyig Pig」という豚に銀の翼が生えた貯金箱を売り出してみた。売れ行きはご存知の通り、オープン前の内覧会で完売してしまって、オープン記念にはならなかった。
 また、9月末には陶器製の「カエルの王様」シリーズを発売したが、これも数日で完売してしまった。
 動物モチーフ、、もしインテリアの中に入り込んで来るとしたら、どんな形なのだろうかと、、考えるとなんか楽しくなる。中には、お風呂の猫足のように既に定着を始めてきたモチーフもある。
 実は、ここオルセーにはガレの設計した部屋が丸ごと移設されて展示されています。暗くて撮影は出来なかったのですが、インテリア関係者は必見だと思います。特に、インテリアのトレンドがデコに振れ始めているいま、このガレの部屋は一つの方向性の示唆を感じさせてくれした。
 今日の夕方にはベネチィアに向かいます。

TITLE:バリの大観覧車

 富士のF1観戦に三日間出かけてましたので、nabe forumの更新も少しさぼってました。
 F1の観戦記については、また後日ということで、今回もユーロッパ出張報告の続きです。
 パリの夜、光に誘われてシャンゼリセー通りへ、、
 コンコルド広場には、なんと大観覧車を発見。遊園地大好き人間としてはこれを見逃すことは出来ない、、ということで、早速乗ってきました。

 日本の大観覧車とは違って、一回乗ると三回ぐらい連続して回転する。それと、観覧車の篭はまるでオープンで、ガラスも、防護柵も何もなく、いきなりのオープン・エアーで、ちょっとスリル満点。同行した社員の一人が高所恐怖症で、当然大観覧車の中で死んでました。

 大観覧車の上から眺めるパリの夜景はまさに絶景です。
 宝石を散りばめたようにライトアップされたエッフェル塔を眺めて、とても幸せな気分になりました。

TITLE:パリの街角に見かけた家具達

 パリの街角で見かけた、ちょっと面白いと思った家具達です。
 サントノーレ街のピェール・カルダンのショップのショーウィンドウに不思議な家具を発見した。どうしてカルダンのショップに家具が並んでいるのか、それもショーウィンドウの三面も使って展示してあるのか、理由がまったく不明でなので、誰か知ってる方がいれば解説して欲しい。

 デザインは多分にオブジェ的で、家具に機能を求めすぎる日本の市場ではあまり見かけないし、一般的ではないのだけど、欧米では空間のオブジェ的な要素がより強い家具というのはよく見かける。

 紹介したこの家具達も、収納するという機能は確かにあるのだけど、それはこれらの家具の本意ではなく、むしろ空間に置くとこで一瞬にして空気感を変えてしまうことが、これらの家具達の本意だと思う。白い何もない空間に、一つだけ置かれたこの家具を想像してみて下さい。
 それにしても、この生物モチーフの家具にはちょっとやられた、、そんな感じかな?
 家具というのは、機能だけを追い求めると、デザインは同じようなものになってしまったり、多分に単調になってしまうものだと思う。ちょっと前だけど、サローネを報じるイタリアの新聞にこんな記事が出てたのを思い出した。
 「これ以上新しいソファーをデザインするには、人間のお尻の形を変えでもしない限り、新しいものは出てこない
 新しい家具デザインは、機能を超越した所から生まれるような気がします。

 サントノーレをさらに歩いていくと、サントノーレで一番過激なショップ「ジョン・ガリアーノ」の店頭で、ガリアーノのニュースペーパー柄の椅子とオットマンを発見。
 この椅子は単なるショップの装飾用として置いてあるだけなのか? それとも販売されるのかは不明だけど、個人的にはちょっと欲しいと思った。
 FENDI が家具を発売したり、ドルチェ&ガッバーナとロン・アラッドとの関係なんかを見てると、これからアパレル業界からの本格的がインテリア・家具業界への参入があるのかもしれないと思った。

TITLE:先週はヨーロッパでした

 先週はヨーロッパに出張で、nabe forum の方も暫くお休みしてました。
 取り敢えずはバリに入り、「メゾン・ド・オブジェ」を視察です。
 「メゾン・ド・オブジェ」はパリ郊外のシャルル・ドゴール空港の近くの展示会場で年二回開催されます。もともとは小物関係の展示がメインだったのですが、最近は小物中心ではありますが、インテリア関係の出展も少しずつ大きくなってきています。今年はエクステリア家具の展示が大きくなり、世界的に富裕層マーケットが拡大してきている(日本だけは例外らしい)背景を踏まえて、こういったエクステリア家具の需要も大きくなってきているのだろうと推測します。
 何れにしても、サローネとはまた違って、小物を通したインテリア感がベースになっていているので、私の商売とは少し離れますが、世界的なインテリアのトレンドを肌で感じる為の定点観測的な意味で毎年視察してます。
 例年は冬の「メゾン・ド・オブジェ」の視察で、実はこの時期は始めてなのです。気候的には真冬よりはかなりいいので、気持ちいいパリを体験出来ました。まさに「麗しのパリ」です。一ヶ月くらい住んでみたいと、、思ってしまったのです。

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 パリは本当に美しい街だ。市内のどこを写真で切り取っても絵になるし、どの風景もどこかで見た絵画を彷彿させてしまう、とても不思議で魅力的な街だ。

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 サントノーレ通り沿いの道から、住宅地域の中庭に入ると出現した、まさに突然に出現した、美しいアパルトメント。喧噪のサントノーレを一歩はいると、静寂があたり一面を包む。こんなところに住んでみたいと思ってしまう。住むという事に対しての感性が、日本人とかなり違うのではないかと感じさせる光景だと思いませんか?

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 サントノーレの外れにあるオフィス街の夜景。まさに、どこを切り取っても美しい街だと思う。

 パリに行くといつも思うのだけど、都市に住むという意味や感性が、日本の都市とは決定的に違うような気がして、羨ましく思ってしまう。

TITLE:琥珀美術館

 岩手県久慈市、琥珀の産地で有名
 そこにある「琥珀美術館」に行ってきました。
 琥珀といえば、樹液の化石で、中に虫が閉じ込められているものほど高価らしい。
 映画「ジェラシック・パーク」では、琥珀に閉じ込められたDNAを抽出して、それを恐竜まで育てるといったストーリ、、まあ、私の琥珀知識はそんなものだった。
 花巻空港を降りて、左手に「どんと晴れ」でも有名な岩手山を見て、東北自動車道を一路北に、、おもてなしの宿「加賀美屋」は一体どの辺りにあるのだろうか??なんて馬鹿なことを考えながら3時間、ようやく三陸海岸の街、久慈市に到着。

 琥珀美術館は街の手前の山の中にあった。

 琥珀というと、アクセサリー以外はあまりイメージが沸かなかったが、複雑な細工物があるのには驚いた。

写真は、琥珀の衝立、、琥珀をスライスして貼り付けてある。写真ではちょっとどぎつい感じもするが、本物は琥珀の独特の透明感のある澄んだ色がとても美しい。それにしても、何枚の琥珀が使われているのだろうと思うと、ちょっと気が遠くなる。

 琥珀で作られた宝石箱、中に入れるジュエリーよりも箱の方が高そうに見える。

 琥珀のチェス・セット、、こんなんも出来るんだと驚いた。 美しい!!

 当日は、久慈市で一泊、、少し街を歩いてみたが、どこの地方都市も同じだけで、旧市街は完全に寂れていて、少し郊外のショッピング・センターには沢山の人が集まってた。

 久慈というと、ホヤで有名らしい。
 夜は居酒屋で新鮮なホヤを堪能した。
 食べ物の値段は驚くほど安い、写真のホヤで居酒屋で一皿500円、翌日街の魚屋でホヤの値段を見たら150円だった。八百屋で烏骨鶏の卵を発見、一個100円、、名古屋だと安くて一個500円はする。

TITLE:「pesch」家具店 ケルン

 ケルンには「pesch」という有名な家具屋さんがある。
 セレクションも素晴らしいし、規模も大きく、かなり見応えがある家具屋さんだ。
 ケルンに行ったことがあるインテリア好きは必ず訪れると言っても過言ではないと思う。
 写真はその「pesch」で見つけた気になる家具と照明です。

 メタリック・シルバーのラウンジ・チェアーとオットマン。なかなか美しい。少しレトロなのも好感が持てる。

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  左は、どこかで見たことがある顔が背もたれにプリントされた椅子。
 右は卵を入れるケースを積み重ねたスタンド・ライト。廃物利用もここまでくると一瞬気がつかない。

 トード・ポンチェ風の床置きのライト。こういった柄を配したインテリア・グッズは本当に多くなってきた。このライトは始めて見るので誰のデザインかは不明。
 「pesch」家具店に最後に行ったのは4,5年前だったが、今回久々に行ってみると店舗数も増えてるし、それと一店舗あたりの面積も随分と広くなってて驚いた。

 ソファーもなんとV−Land、、
 家具でも、キッチンに続いてV−Landがトレンドになるかもしれない!!

TITLE:ドイツ人はスニーカーが好き?

 ファション的には見るべきものがないケルンですが、スニーカーだけは例外のようです。市内の目抜き通りにはスニーカー・ショップが多く並び、そのバリェーションときたら、驚くべき種類です。

 日本でズート探していて、先日ようやく新宿伊勢丹で見つけたコールドのスニーカーですが、ドイツのショップには溢れていました。最終日にどれか買おうと思ってたけど、昼食を食べてホテルの部屋で休んでるうちに寝てしまった。 ちょっと悲しい!

 最近個人的にちょっとハマッテいる「コンパース」ですが、ドイツにはこんなに種類がありました。日本では見たこともないバリエーション。これも、買おうと思ってたけど、寝てしまって変えなかった(涙)

 

 ついでにBangの電話機までゴールドで発売されていた。サローネのレポートではゴールドはインテリアに持ってくるのは難しいのではないか?と書きましたが、ドイツの田舎でもこれだけゴールドが溢れていると、ゴールドもありかなって思い始めています。
 余談ですが、6月1日に岐阜のスタジオがリニューアル・オープンしますが、パティオの骨組みの塗装色をシャンパンゴールドにしました。まだ見てないのですが、昨日写真を見せて貰ったけど、これなかなかいいかもしれない。